≪SUPER BOWL LI≫ ~ヒューストン~
AFCチャンピオン NFCチャンピオン
NE ペイトリオッツ 34 - 28 ATL ファルコンズ
1Q 2Q 3Q 4Q OT TOTAL
NE 0 3 6 19 6 34
ATL 0 21 7 0 0 28
スーパーボウル史上初のオーバータイムにもつれ込んだ大激戦。
最大25点差という、ありえない大差をひっくり返したペイトリオッツが、
34-28で5度目のロンバルディー・トロフィーを獲得しました。
それにしても。。。。
言葉にしては陳腐になってしまうほどの激闘。
最後の1秒まで、
勝負の行方は分かりませんでした。
今や伝説のQBとなったペイトリオッツのブレイディ。
対するは今季MVPを獲得したファルコンズのQB・ライアン。
この二人を中心としたハイパーオフェンスの戦いになることが予想され、
注目度が高かったこの試合。
正直ワタシには興味の薄い対戦と思ってみていましたが、
なんの、なんの。。。
『やっぱり、NFLはおもしれ~~~~~』
これしか感想はありません。
試合が進むにつれて、
興奮はMAXになっていき、
やっぱりいつもの年のように『ワーワー』『ギャーギャー』と叫び、わめきながらの観戦になってしまいました。
『やっぱりスーパーボウルは、どこのチームが来ようとも、掛け値なしに面白い!!』
ということを再認識する試合となりました。
第1Qは予想に反して静かな立ち上がり。
両チームの守備陣が相手攻撃陣を抑える”守り合いから”の始まりで、
ぞくぞく感が増す状況になっていましたが、
第2Qが始まるとファルコンズが一気にスパーク。
ランで先制したと思ったら、
今度はライアンのパスで突き放し、
更にインターセプトからのリターンタッチダウンまで飛び出し、
その時点で試合は21-0.
第2Qまでは、
ファルコンズがまさに『いつものような攻め』を展開し、
それにペイトリオッツが珍しく呑み込まれて、
攻撃が全く機能しないという印象でした。
第3Q半ばにもファルコンズがTDをあげて28-3となった時は、
『さすがに試合は決まり』
と全世界の誰もが思ったことでしょう。
それほど初優勝にかけるファルコンズの攻撃は鋭かった。
そしてその攻撃に引っ張られるように、
ザルと言われた守備陣も奮闘して、
大量25点差。
その時の両軍ベンチの表情は対照的で、
ファルコンズベンチはもう余裕しゃくしゃく。
一方のペイトリオッツのベンチは、
頭を抱える選手の傍らで、
コーチ陣などが士気を鼓舞する大声を張り上げているといった風情。
勝敗の帰趨は明らかでした。
第3Q終わり付近にペイトリオッツは1TDを返しますが、
そのあとのキックはなんと失敗。
この日、
なんだか『乗り切れない』ペイトリオッツを象徴するシーンのようにも見えました。
しかし、
ここから流れは急転回。
ガラッと変わっていきます。
最終の第4Qに入って、
なんだかファルコンズの動きに硬さが見られてきます。
しかしこの時点で得点は28-9。
通常のNFLファンにとっては、
第4Qだけで19点差を追いつくなんて芸当、
『できるわけねーだろう!』
と理解するほどの点差と残り時間です。
第4Qの最初のドライブで、
ペイトリオッツはファルコンズ陣深くまで攻め込むも、
TDを獲れずにFGの3点にとどまり、
得点は28-12.
このドライブで、
ファルコンズの守備陣は大事な3ダウンで必要のない反則を連発。
重圧がかかってきているのが、
ひしひしと伝わってきていました。
しかしペイトリオッツの反撃の得点はわずか3点にとどまり、
ワタシはこの時点で『決まったな』と思いました。
得点差は16点。
ということはペイトリオッツが追いつくためには、
2つのTDを奪うだけではなく、
その両方で2ポイント・コンバージョンも成功させなければならないということ。
2ポイント・コンバージョンの成功率って、
どのくらいなんでしょうか?
ワタシは、
成功する確率はとても低いという印象を持っていますので、
この短時間の間に2TD奪って、しかも2回とも2ポイント・コンバージョンを成功させるなんて、
まさに『奇跡』としか言いようがないな・・・・・
そんなことを思っていました。
だがやはりスーパーボウルを獲るというのは、
経験のないものにはこれほど重いものなのか。。。。。
そう思わざるを得ないプレーがこの後、
続出していきます。
まずその一つめ。
ファルコンズの攻撃で、
状況的にリスクを避け
『絶対ランプレー選択』
という場面でQBライアンのパスを選択。
案の定ラッシュをかけてきたペイトリオッツ守備陣にライアンはサックされ、
あろうことかファンブル!!!!
そのボールをペイトリオッツが奪い、
攻撃権を得て反撃ののろしを上げました。
ファルコンズファンにしてみたら、
『なぜ?なぜなんだ~!!!』
と叫びたくなるようなプレー選択。
そして攻撃権を得たペイトリオッツは、
ここで4度のスーパーボウルチャンピオンに輝いたQBブレイディの黄金の右腕が炸裂。
あっという間にTDを奪い、
そしていとも簡単に2ポイント・コンバージョンを成功させて28-20と8点差まで追いすがります。
残り時間はおよそ6分。
そしてその次のドライブが始まります。
ファルコンズとしては、
その時点で8点リードしているため考えることは、
『時間を使って攻撃を進めること』、
『あと1点でも入れば、完全に相手が追いつけない点差になること』。
当然そのような作戦で来る・・・・・はずだったのでしょう。
QBのMVP男・ライアンは、
見事にボールを相手陣20ヤード付近まで運んで、
『よし、これでFGを決めれば勝ちだ』
というところまできました。
この時点で再度ファルコンズの選手、ベンチ、ファンは、
『この試合、もらった』
と思ったことでしょう。
ワタシも、
『ここからはじっくりランで時間をかけて最後にFGを決めて終わりだな』
と思いましたが、
ここでファルコンズのベンチはパスを選択。
そして・・・・・・
パスを投げようとボールを受けて下がったライアンに、
『乾坤一擲』という言葉がまさにぴったりはまるペイトリオッツ守備陣のサックが、
突き刺さりました。
そして10ヤード以上下げられフィールドゴールレンジから遠ざかったファルコンズ攻撃陣は、
次のプレーで痛恨のホールディングの反則。
さらに10ヤード下げられてパスを選択せざるを得なくなり、
その結果時間を使うことも、得点を挙げて試合を決めることもできず、
ペイトリオッツに約4分の攻撃時間を残したままパントに追いやられてしまいました。
アトランタファンの2度目の、
「なぜ?なぜなんだ~~~!』
と叫びたくなるプレー選択と、
その後のアタフタとした狼狽。
それを百戦錬磨のペイトリオッツが、そしてブレイディが見逃すはずはありません。
自陣深くからの最後のドライブ。
ブレイディは最初、
2度のパスを失敗して3ダウンに追い詰められます。
しかし。。。。。
ここからが彼の真骨頂。
この39歳のレジェンドは、
ここから神がかったパスを次々に通していきます。
あの88年のSF・モンタナの『ザ・ドライブ』を彷彿とさせる凄い攻めで、
あっという間に敵陣深くまで入り込んだペイトリオッツは、
残り1分を残してTDを決め2点差。
ついに相手を追い詰めるのです。
その間には、
エースレシーバー・エデルマンのまさに奇跡の『ザ・キャッチ』もありました。
そして。。。。
ペイトリオッツファンの願いを込めた2ポイント・コンバージョンも”難なく”決め、
ついに、ついに同点!!!
25点差を、なんと追いついてしまったのです。
まさに神がかりとしか言いようのない、
ものすごい瞬間でした。
そうなるともう、
試合の流れはペイトリオッツ。
オーバータイムに入って、
最初にペイトリオッツが攻撃権を得たのも、
『神の差配』
と言えるかもしれません。
そして相手陣1ヤードまで迫ったペイトリオッツ。
最後はホワイトが押し込んで、
この『史上最大の大逆転劇』は完結。
彼らは、2年ぶり5度目のスーパーボウル王者へと返り咲いたのでした。
それにしても。。。。。
凄いとしか言いようのない、
第4Qでのペイトリオッツの怒涛の反撃でした。
アトランタの『痛恨のプレー選択ミス』があったとはいえ、
それをきっちりとものにするペイトリオッツの強さたるや。。。。。
お見事としか言いようがありません。
HCベリチェックとQBブレディのコンビで、
これで5度目のチャンピオンに輝いたということです。
思えば彼らが初めてスーパーボウルチャンピオンに輝いたのが2002年のこと(2001年シーズン)。
その時の相手が、
ワタシが超大ファンのラムズ(現LAラムズ)でしたね。
スーパースターのQBワーナーを擁して、
『絶対有利』
と言われたラムズを破ったのが、
若きQBブレイディを擁し、
ベリチェック率いるペイトリオッツでした。
本当に大ショックの試合だったので、
今でも鮮明に思い出すことができる試合ですね。
そこから15年かあ。。。。。。
すっかりベテランになって、
獲れる栄光はすべて手に入れてきたブレイディの、
本当に『歴史に残る』プレーの数々、
堪能しました。
スタッツを見ると、
ブレイディはなんと43回のパス成功で、
466ヤード!!!!!
1試合で!!!!!
凄いとしか言いようがないですね。
やっぱりNFLは、
アメリカ人のいつまでも惹きつけてやまない、
”世界で最も面白いスポーツ”
であることを再認識した、
この日のスーパーボウルでした。。。。。
*そういえば、このスーパーボウルの寸前に、松山英樹のフェニックスオープン優勝といううれしいニュースも飛び込んできましたね。なんだかとてもいい日になりました。
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