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16年目突入。ビッグイベントに心躍らせながら、草の根のスポーツの面白さにも目覚めている今日この頃です。

まさか、まさかのハルカン!

2014年05月19日 | 高校野球



5月17日土曜日。
快晴、やや海風強し。
最高気温26度。

まあ、
なんと素晴らしい野球日和でしょうか。

この日開幕した高校野球の春季関東大会。

甲子園に直結した大会ではありませんが、
”夏に向けての前哨戦”という以上に、
たくさんのチームにとっては『晴れ舞台』そのもののこの大会。

各都県の春季大会を勝ち抜いた精鋭19チームが、
横浜スタジアムをはじめとした神奈川県に集ってきました。

その顔触れはなかなか豪華なもの。
選抜4強の佐野日大、8強の桐生第一をはじめ、
センバツ組が5校。

そしてそのほかにも昨春の選抜優勝にして、
優勝投手の小島くんが残る浦和学院や、
ここ数年毎年甲子園で強打を披露する作新学院。
145キロを投げる3投手を擁する豪華な投手陣の東海大相模など、
ファンにとってはぞくぞくする対戦が続出しました。

ワタシは土・日ともに横浜スタジアムで観戦。
土曜日は浦学の小島くんを楽しみにしていました。

埼玉を制して乗り込んできた浦和学院。
相手はセンバツ組にして山梨2位の山梨学院。

センバツの時にも紹介しましたが、
元長崎の清峰で全国制覇を経験した吉田監督が昨年から率いている学校です。

試合は予想通りのロースコアでの接戦。
浦和学院が常に先手を取りますがその都度山梨学院が追い付き、
試合は最終回へ。

途中から登板の小島投手。
この日は昨年の同時期から比べると球が高めに浮くシーンも多く苦難の投球だったのですが、
そこは経験値の高さを見せて最少失点で凌ぎ切っての最終回。

観戦している我々は今大会で採用されている『タイブレーク』を想定していました。
1死満塁から始まり、
打順は好きに選べるというこのタイブレークの方式。

『えーっと』
なんて、
両チームがどの打順を選ぶのかなんて、
この日の各打者の成績に照らしてシュミレーションを始めて、
ちょっと目を離したところ・・・・・・・。

カキ~ン

という乾いた音とともに大歓声。

あっという間に打球がレフトスタンドに!!

山梨学院・金城選手の、
歓喜のサヨナラホームランが飛び込み、
山梨学院が劇勝したのでした。

その一瞬を見逃したワタシ。
『く~~何たることか~~』
と悔やんでいると、
なんだか違和感が。。。。。

そうなんです。

余りにあっという間の出来事だったためか、
山梨学院の選手たち、
誰一人ベンチを飛び出してくるでもなく、歓声を上げるでもなく。

金城君が3塁を回るぐらいまで、
ポカ~~~ンとして、
何だか事態を飲み込めていないみたいでした。

そして、
3塁を回ったところぐらいで、
『お~~サヨナラ勝ちだ~~~』
と気づいたようで、
選手達はみんな、
歓声を上げながら飛び出してきました。

なんだかおもしろいと言おうか、
ほほえましいと言おうか、
何とも言えない最後でした。






日曜日のお目当ては、
横浜vs霞ヶ浦。

地元神奈川としては横浜に注目しているのですが、
霞ヶ浦はワタシのお気に入りのチーム。

関東大会に出場しているのを観ては、
いつもいいチームだなあと思っているのですが、
このチームを語るためのキーワードはまさに≪悲劇≫これしかありません。


何しろ、
関東の高校野球ファンの間では、
知らないものがいないほどの強豪。

現在の関東の高校の中では、
浦和学院・常総学院などと並んで、
近年最も頻繁に関東大会に出場して来ている高校でしょう。

実は平成元年の秋季関東大会で突如優勝して、
翌センバツに出場したことも、
あるにはあるのです。

しかしながら近年、
『この試合に勝てば甲子園』
というところでことごとく敗れ去り、
甲子園を掴めていない学校ということで、
つとに有名となりました。

しかものそ負け方が半端じゃない。

昨夏は決勝で常総学院に、
終盤までリードしながら8回に追いつかれ9回サヨナラホームランを浴びてのサヨナラ負け。

その2年前の11年夏にも、
藤代に9回大逆転負けを食らっての涙の決勝敗退。

10年夏も決勝で敗れ、
08年夏も常総に決勝で9回大逆転負け。

6年間で4回も決勝に行ってことごとく敗れ、
そのうち3回は終盤の大逆転負け。


その間、
07年、10年、12年、13年と4回も秋季関東大会で準々決勝に進出。

『あと1勝』
で選抜の夢をかなえられるところに来ていながら、
これもまたことごとく敗れ去って、
結局春も夏も、
甲子園の土は踏めていません。

7年間でなんと、
『これを勝ったら甲子園』
という舞台に8回もコマを進め、
そのいずれをも落としてしまっているという、
何とも悲劇的な学校なのです。

負けた試合は、
そのほとんどを中盤、終盤まで優位に進めながら逆転負けを食らって負けるというもの。

ひとつ殻を破りさえすれば、
常総学院と並んで茨城県の『甲子園常連校』になっているはずの、
『隠れ強豪校』なのです。

ワタシは08年夏の決勝、
常総学院戦の悲劇的な幕切れを見て強烈な印象を受けて、
それからずっと『隠れ霞ヶ浦ファン』なのですが、
昨日の試合はまさかの展開となりました。


相手の横浜高校は、
ドラ1候補の浅間、高濱を擁して選抜出場。
今大会でも有力な優勝候補であり、
地元神奈川での試合ともあって『横高ファン』も多く、
霞ヶ浦としては『完全アウェー』の雰囲気の中での試合でした。

中盤まで試合は一進一退。

一昨年の秋1年生ながら秋季関東大会で東海大相模の強打線を抑えきった左腕のエース・上野が好投。
2-2のまま7回を迎えます。

そしてこの回、
霞ヶ浦が四球などからチャンスをつかむと、
横浜が近年の神奈川県以外の試合でよく見せるバタバタとした面をこの日も見せ、
この日3個目の押し出しで勝ち越しを許すと、
その後は歯止めがきかない状態となり、
あっという間に霞ヶ浦が7点を取り、
上野がその裏を簡単に抑えて、
何とコールドで霞ヶ浦に凱歌が上がりました。






霞ヶ浦は、
打線の迫力などは明らかに横浜に劣って見えましたが、
しぶとさやここというところでの集中力、
あきらめない守りなど、
随所に『高校野球らしい好チーム』といったチームの良い面を出して、
結果として強豪横浜を圧倒しました。

ちなみに敗れた横浜高校、
コールドで敗れたのは44年ぶりのことだそうです。
『歴史的な・・・・』
という語られ方でニュースになっていましたが、
まあ、気にすることはないでしょう。
野球ですから、こういうこともあります。

しかし『かつてとは違う。何かがおかしいな』ということは、
やはりワタシも感じますが、
ファンも感じてきてはいるのではないでしょうかね。

霞ヶ浦には、
今年も常総学院が県内の『壁』として立ちはだかっているのですが、
今年こそ、今年こそ悲願の初の選手権出場を成し遂げてもらいたいです。

そして、
今年のチームはそれができるチームではないか、
なんていう思いを強くした試合っぷりでした。


第2試合を挟んで第3試合。

これもまた、
楽しみにしていた試合でした。

対戦カードは、
樹徳 vs 東海大浦安。

前日、『タテジマ対決』で東海大相模を破った東海大浦安。

まあ、それはさておき、
ワタシが注目していたのは樹徳高校。

この高校も、
先の霞ヶ浦と同じく、
平成の頭ぐらいに一時期強い時期があった学校です。

2回甲子園に出場し、
甲子園では天理に食い下がるなど、
強い印象を残したチームでした。

90年代の一時期、
佐賀商、千葉商、印旛、柏陵など複数の県立校を甲子園に導いた名将・蒲原監督が就任して期待されたものの結果が出ず、
その後桐生第一、健大高崎、前橋育英などの私立の有力校も台頭してきた群馬の中で、
ともすれば埋もれてしまいがちになっていた”古豪”でした。

しかしながら、
今年の春の県大会を見てビックリ。

初戦であの昨夏の全国制覇校・前橋育英を10-0というコールドで破ったと思ったら、
次戦からも前橋工、前橋という群馬が誇る公立強豪校を連続の延長で破り去り、
準決勝ではあの”機動破壊”の強豪・健大高崎に爆勝。
そして決勝は、
センバツで引き分け再試合をものともせず8強に進出して話題をまいた桐生第一をも破り、
久しぶりに県内の覇権を奪回しました。

今年は特にレベルの高い群馬県にあって、
強豪と言われるところをほぼすべて自分の手で倒して覇権を奪い取ったこの樹徳。

『いったいどんなチームなんだ?!』

ワタシは興味津々でした。

しかもエースはハーフにして左腕変則技巧派という変わり種のボジャティーくん。

『こりゃあ、面白そうなチームだな』
と思って観戦し始めました。

とはいえ相手の東海大浦安は、
前日の試合で東海大相模の145キロ右腕・佐藤くんを攻略して来ての2回戦進出。
『面白い対戦だなあ』
と思っていましたが。

ふたを開けてみてビックリ。

『樹徳、強え~~~~~』

これ以上でもこれ以下でもない、
掛け値なしの感想です。

5回コールドの11-0.

まさに樹徳の、
『やりたいことがすべてできた』
試合だったと思います。

各打者のスウィングの速さは、
県内に前橋育英・高橋投手がいて、
『彼を打たなければ甲子園はない』
というところから鍛えてきたものじゃないかと思われました。

鋭いスウィングで外野の頭を超える打球が、
バンバン飛び出していました。

エース・ボジャティーくんのピッチングも、
『打ち辛そうなピッチャーだな』
という印象で、
安定感があります。


今年の夏の群馬県大会は、
選抜8強の桐生第一、
昨夏全国制覇、高橋光成の前橋育英、
今が”旬”の機動破壊を標榜する強豪・健大高崎、
という素晴らしい力を持った3強の戦いとみていましたが、
これに樹徳も、
完全に加わって4強の争いになりそうですね。

≪全国一の激戦区≫
と言っても過言ではないかもしれません。

それほど強烈な印象を与えてくれた、
昨日の樹徳です。


今年の関東大会。
8地区の春季都県大会優勝校の中で、
初戦を突破できたのはこの樹徳と東京・成立学園のわずか2校だけ。

ちょっと今までに思い出せないぐらいの、
大波乱の大会となっています。

その中での印象としては、
何しろ近年言われている通り、
『北関東勢の強さ』
が光っていました。

見た目はさほど派手ではないのですが、
『粘り強さやしぶとさ』
をどのチームも持っていて、
確実に実力を上げてきていますね。

ワタシも、
『神奈川が関東の中では(実力は)抜けている』という認識は、
改めなければならん時期に来ているということを実感しています。

関東の中でも、
既に地域差というのはほとんどなくなってきているというのが実態でしょう。
全国での実績も、
ここ数年は埼玉を含めた北関東勢が先を走っていますもんね。


夏の選手権で、
神奈川勢や東京勢、千葉勢などがどのように盛り返していってくれるのか、
そのあたりを注視していきたいと思っています。

まあ、それにしても。

去年の前橋育英といい、
健大高崎といい桐生第一といい、
そして樹徳といい、
群馬の充実ぶりはど~よ!!
と目を見張ってしまいます。

昔は神奈川県大会の前に、
『はあ~~~。せめて2校甲子園に送れたらなあ』
と思っていましたが、
今年は群馬勢(おまけに栃木、茨城も)が、
『2校ぐらい、甲子園に送り込みたいなあ』
と思っています。

関東大会はやっと8強で、
今日から3日間で決勝まで進みます。

要するに、
4日で4試合、
(1回戦からのチームは、5日で5試合)
を勝たないと優勝できません。

日程は甲子園よりも苛烈。

ということで、
上の方まで来ると、
必ずしも各チーム『ベストメンバー』では試合に臨まなくなるというのが常。

夏の大会前に、
連投で投手に故障を発症させる愚を犯す指導者はいませんので。

ということで、
ある意味この1,2回戦当たりが一番面白いことになります。

各チーム、
この『春の段階』で得た”手ごたえと課題”を手に、
夏の本番に向かっていきます。


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