◇全国高校サッカー選手権大会
【準決勝】
山梨学院大付属(山梨) 2 - 0 矢板中央(栃木)
青森山田(青森) 2 - 2 関大一(大阪)
PK 3-2
高校サッカーの準決勝が、
晴天の国立競技場で行われました。
波乱を呼んだこの第89回大会。
この日残った4強の全てのチームが、
初の国立のピッチという清新な大会となりました。
第一試合は、
山梨学院大付属が、初出場での決勝進出を決めました。
技術の高い選手をそろえたパスサッカーの山梨学院は、
前半開始からプレスの早い矢板中央の攻勢にさらされましたが、
決定的なチャンスを作らせず、
次第に主導権を奪っていきました。
34分の鈴木のシュートで先制して以降は、
矢板中央に試合の流れを渡さず、
完勝と言える試合振りでした。
さて、
盛り上がったのが第2試合。
【無印良品】の関大一.
走りきる体力には絶対の自信を持っており、
『後半勝負』に全てをかけていました。
技術・戦術で上回る青森山田は、
攻守に安定感を見せて中盤を支配し始めると、
PKで先制し、
すぐにエースの椎名が芸術的なループシュートで追加点。
この時点で、
『この試合は大差になるのではないか』
との危惧を抱きましたが、
その通りに、
後半前がかりになった関大一は何度も青森山田のカウンターにさらされ、
決定的なチャンスを許し続けました。
きっちりと青森山田が決めていれば、
少なくとも4-0にはなっていた後半戦ですが、
決めきれずに2-0のまま残り1分へ。
後半はここまで、
攻撃に人数を割くもののまったく攻撃の形を作れていなかった関大一が、
猛反撃に出ました。
44分に久保のシュートで1点差に迫ると、
ロスタイムにまさかまさかの同点シュートが決まり、
一気に同点。
試合の流れがこれほど鮮やかに変わる試合、
なかなかないでしょう。
関大一は、
まさに”魂の”というか、
"意地の"というか、
とにかく凄い反撃を見せました。
最後まで諦めないチームの凄み、
とくと見せてもらいました。
反対に青森山田は、
選手の間から、
『なんとなく後半はこのまま逃げ切れるだろう』との気持ちを感じたところ、
一気につけこまれてがけっぷちまで追い込まれました。
試合の流れの難しさ、
そして怖さを、
痛感した事でしょう。
しかし、
この後がPK戦だったところが、
青森山田がついていたところ。
同点にされた責任を感じていた訳ではないでしょうが、
GK・櫛引が燃えに燃えていました。
なんと5本中3本を止めるという、
『サッカーの神様』が乗り移ったような大活躍。
結局1本差で、
辛くも青森山田が逃げ切りました。
無念の関大一でしたが、
【大阪に関大一あり】を強く強く印象付けて、
国立のピッチを去りました。
32大会ぶりの大阪勢の4強入り。
見事のひとことでした。
さて、
明日の決勝は、
山梨学院大付属 青森山田
どちらが勝っても初優勝です。
どちらのチームもユースの日本代表を擁し、
技術では引けをとりません。
試合のカギは、
なんといっても先取点。
この攻防が明暗を分けるでしょう。
やや青森山田が優勢かとも思いますが、
決勝ですからまったくわからないと言っておきましょう。
楽しみな決勝は、
2時5分、キックオフです。