もっとも印象に残った球児
27.三重
稲垣 正史 内野手 大垣日大 1996年 夏
甲子園での戦績
96年夏 1回戦 〇 5-0 唐津工(佐賀)
2回戦 〇 4-3 早稲田実(東東京)
3回戦 〇 7-6 仙台育英(宮城)
準々決勝 ● 1-2 前橋工(群馬)
三重県の高校野球(40年)を語るうえで、
忘れてはいけない学校がいくつかあります。
ワタシが印象深いのは、
海星、三重、明野、四日市工など。
驚きという面では、
77年海星の矢田選手が放った2打席連続のHR。
そして86年、まだ全国的には名前を知られていなかった明野が、
選抜優勝の池田に果敢に挑んで撃破した試合などが印象に残ります。
91年の四日市工の井手元投手の、
松商学園・上田投手との延長16回の投げ合いも忘れられません。(長野県の回を参照)
しかし何と言っても、
96年の海星高校の夏。2回戦の戦いがベストではないかと思っています。
相手は早稲田実。
この年の早実は、
実に久しぶりの甲子園登場の古豪。
ちなみに、早実にとってこの時が『東東京』代表としては最後の選手権代表でした。
(帝京との毎夏の激闘は幕を閉じ、日大三との激闘の歴史に移っていきます)
海星は1回戦完封の好投手・寺谷を擁して、
前半からがっぷり四つの戦いぶりを見せました。
しかしそこは試合巧者の早実。
じわじわと押され始め、
8回についに逆転を許してしまいます。
完全な早実ペースの試合。
しかしそれを打ち破ったのが、
海星の2年生の主軸・稲垣選手の豪快な一発でした。
第4試合でカクテル光線の下、
1点ビハインドで迎えた9回ノーアウト1塁。
稲垣選手の振り抜いた打球は、
レフトのはるか上をに超え、
歓喜の逆転サヨナラ2ランとなって、
海星に勝利をもたらしました。
打った瞬間にそれとわかる特大の一発は、
今でも私の脳裏によみがえってきます。
海星高校は、
その後3回戦でも強敵の仙台育英を撃破。
見事に8強にコマを進める大活躍でした。
数年後、
ひっそりと稲垣選手の若くしての訃報に触れ、
大変残念な思いを持ちましたが、
あの豪快な一発は、
三重県の高校野球史に燦然と今も輝き続けています。
*さて、【高校野球 最も印象に残った球児】を各県で思い出していますが、
8月に入って高校野球の甲子園大会、おまけに今年はロンドンオリンピックも始まってしまいました。
ということで、
この企画はいったんお休み。
また8月末の甲子園大会が終わったあたりから、
そろりと【西日本編】を再開する予定です。
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