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第87回選抜高校野球大会  大会展望

2015年03月09日 | 高校野球

第87回選抜高校野球大会

【総合展望】


夏春連覇狙い!春2連覇狙い!秋春連覇狙い!
連覇を狙うチームが、戦いの中心に座る。


強豪がそろう今年のセンバツ。
今年の傾向は、ずばり《連覇》だ。

夏の選手権優勝の大阪桐蔭は夏春連覇を狙い、昨春の選抜を制した龍谷大平安は春連覇を狙う。
そしてこのチームで明治神宮大会を制した仙台育英は秋春連覇を狙っており、この3チームがまず大会をリードするとみられる。

3チームは、それぞれにチームの特徴が違い、個性を持ったチーム作りが進んでいる。
ひと冬を超えた成長も見込めるチームで、キーワードである『連覇』はあながち夢物語ではない。
しかしながら、甲子園で優勝するというのは、持っている力以上に、大会に入ってからのコンディションや調子の良しあし、更にチーム全体の盛り上がりかたや対戦相手の妙など、様々な要素が『これ以上ない』という形で絡み合わないと見えてこないもの。
特に春の選抜は、戦力の分析といっても所詮は半年前のもの。このひと冬を超えて、チームがどのように成長曲線を描いてきたかによって、その結果は大きく変わってくるものである。
それだけに過去の大会では『伏兵』の出現も多く、楽しみの多い大会でもある。

今年はどんなチームが『思わぬ成長』を遂げているのか。楽しみな春である。


3強プラス2強 覇権争いのトップを走るのは5チーム

今年の大会は、先にも述べたように『連覇』を狙う3チームがいい戦力を整えているが、その3強に昨夏甲子園4強の敦賀気比、一昨年の選抜優勝の浦和学院を加えた5チームが覇権争いのトップを走る。しかし今大会の特徴でもあるが、力が突出しているチームはなく、どのチームも一長一短があり、大会の波に乗り切れたチームが突っ走っていきそうだ。そういう意味では、抽選の結果が大きく今大会の行方を左右しそうな気配だ。

まずは昨夏優勝の大阪桐蔭。大幅に遅れた新チームの結成を払しょくするように大阪を圧勝で勝ち抜いた近畿大会で、心配された新チームでの準備不足を露呈して苦手の天理に惜敗したものの、持っている力が今大会屈指なのは疑う余地がない。『大阪桐蔭の打線』と形容詞が付くほどの強力打線は今年も健在。福田・青柳・藤井と経験値の高い中軸の打球の速さはまさに超高校級。どこからでも攻撃を仕掛けられる4割打線は、相手に取っては恐怖だ。大阪桐蔭というチーム。猛練習でひと冬超えた後、見違えるようなチームに変身しているというのも特徴で、今年のチームも、天理に敗れた秋の姿はみじんも感じられないほどのチームに変身を遂げているはずで、今年も『候補筆頭』に挙げてもいいチームだ。細身の左腕、田中は昨夏の甲子園でも好投を見せた逸材だが、彼一人に頼るようだと上位での戦いに不安を残す。そのあたりの課題克服が出来ているかが優勝を狙ううえでの鍵か。昨春の選抜を制した龍谷大平安は、優勝投手であるエース高橋が今年も君臨する。昨年以上に出来上がった体から、捕らえるのが難しい球筋の球を投げ分ける。昨年もそうだったが、この時期の各チームにとって、左腕の好投手を打ち崩すのはかなり骨が折れること。そういった面からは、龍谷大平安は勝ち上がるために、かなりのアドバンテージを持っているとみる。昨年と比べると、打線はやや今年の方が落ちるという評価。しかし全員がパンチ力を秘めており、決して『弱い』ということではないため、ある程度の得点を奪い、高橋の左腕で逃げ切りを図るというのが今年の戦い方だろう。相手に主導権を握られた時の戦い方という点でやや課題を残すというのが龍谷大平安というチームではあるが、『選抜連覇』という金字塔へ向け、闘将・原田監督は一歩も引く気はない。

仙台育英は、『強い』と唸らせる戦い方で明治神宮大会を2年ぶりに制覇。2年前には同じ道を辿り選抜で『候補筆頭』に挙げられたものの、自分の力を発揮できずに甲子園を去った。その轍は2度と踏むまじの強い決意を持って、今年のセンバツに臨む。すでに高校野球の強豪地区の認識が強い東北勢も、いまだ甲子園の大旗はつかめていない。今は『いつ掴めるのか?』というよりも、『どこが掴む?』ということに興味は移っているようで、仙台育英はこの強力なチームで、その大きなチャンスをつかんでの登場だ。エースの佐藤はやや変則的なフォームながら140キロを超える速球が持ち味。球持ちがいいタイプなので、余計に打者は眩惑されやすく『打ち辛い』投手だ。そしてそのエースを支える打線はすさまじい。明治神宮大会では、天理・九州学院・浦和学院といった強豪に完勝。いずれのエースをも打ち砕いており、打線の力は一昨年の上を行く。外野の間を鋭く抜く中距離砲が揃い、その中で長距離の打球もしばしばみられる強打線。選抜大会だけに、北国のチームにとってはどうしても大会の入りが課題にはなるが、持っている力は間違いなく大会屈指だ。その明治神宮大会で準優勝の浦和学院は、豊富な実戦経験に裏打ちされた野球力が看板の好チームだ。『今年のチームは大黒柱もいないし、打線もさほどではない』と言われていたが、昨秋は大会が進むほどにその野球力が全開。関東大会を制し、明治神宮大会でも頂点まであと一歩と迫った。一昨年も同じようなルートで選抜を制覇。この時は2年生エース小島が冬場に大きな成長を見せたが、今年はどうか。江口・小倉の投手陣のうち、大事な試合で好投を見せてきた江口にエースの期待がかかる。秋は速球と変化球のコンビネーションに冴えを見せたが、球威不足は明らかだったので、ひと冬超えてどんな投手に成長しているかが注目される。打線も勝負どころをよく心得ていて、得点力は高いが『強打線』と呼べるかというと?マークがつく秋の出来だった。こちらも冬を超えてどれだけバットを振り込んできたかが問われる。昨夏4強まで進出し、その打棒のすさまじさで甲子園を席巻した敦賀気比は、その時のエース平沼が健在で北信越初Vを虎視眈々と狙っている。平沼は今大会注目の好投手。140キロ台中盤の球速があるというだけでなく、豊富な変化球をコントロールよく投げ分ける投手としての総合力にたけており、『どんな状態でも試合を作る』とチーム内での信頼感は絶大だ。打線も相変わらず全員がしっかりと振り切る打法が徹底されており、大会でも上位の迫力を持つ。近年甲子園で苦杯を飲まされた大阪桐蔭、浦和学院などのチームにリベンジを果たし、果たして頂点まで突っ走ることができるのか。注目のチームだ。



ほとんど差なく続くチームたち。一筋縄ではいかない好チームが続々。

そんな【5強】の構図の今年のセンバツだが、そうはさせじと覇権奪取を狙うチームも数多い。
まずは飛び道具を持つチームから。県岐阜商は、秋のドラフト1位確実と言われる『150キロ右腕』高橋を擁する。高橋は大事に育てられこの春ようやく全国デビューを果たすが、何しろその凄味は、数字が物語る。強豪揃う東海大会で、ほぼ速球を中心に33イニング僅か自責点1に抑えたポテンシャルは驚くほど。今大会でスカウトはもとよりファンにも最も注目される男だ。あまり騒がれ過ぎることで『球速』に気を取られて力む・・・・・・ということさえなければ、このエースを春の段階で打ち崩すのは難しそうだ。得点力は『まずまず』の域を出ないチームなので、守備を中心とした守り勝ちにならざるを得ない全国の舞台になりそうだが、『高橋がどこまでやるか』には大いに注目していきたい。近畿優勝の天理は、近年の天理らしいまとまりのある好チーム。破壊力のある打線も天理らしく、4強以上に照準を定めてあわよくばVも・・・・という戦いになりそうだ。甲子園に出てくるたびに何かを残して帰る健大高崎は、今年のチームで『全国の強豪への脱皮』を図る。昨秋は得意の機動破壊が今ひとつ機能しなかったものの、打線の活発さや甲子園を経験するエース川井の投球など、きらりと光るものを見せていた。甲子園の舞台では、冬場の練習で磨きをかけてきた”機動破壊”で、過去2度甲子園で煮え湯を飲まされた大阪桐蔭に対して『3度目の正直』を狙っている。戦力で言えば、昨夏組の二松学舎大付も面白い。夏に活躍した『1年生トリオ』の3人、エース大江、主砲今村、リードオフマン三口の3人トリオが順調に成長。昨夏よりもグレードの高いチームになってきている感じだ。その他を含め甲子園経験者が7人そろう”経験値”で勝負。

秋の東海大会を制した静岡は、強打が自慢。その破壊力は東日本でも屈指で、投手力の底上げがあれば『名門が華麗に復活』というシナリオも。昨年春夏連続で甲子園の土を踏んだ八戸学院光星も、中川・呉屋というその時からマウンドを守るダブルエースが健在。勝つ時は打線が相手を打ち崩すが、敗れる時は必ず守備が破たんするというところを払しょくできるかが課題。昨夏組ということでは、近江も戦力の厚みは十分。エース小川はプロも注目する好投手。夏の疲れから秋は精彩を欠いたが、本調子であれば水準以上の力を持つ。打線の底上げが急務のチームではあるが、はまれば面白い魅力を持つ。野球レベルの高い九州から今年はあまり名前があがってこないが、各チームとも水準以上の力を持ち、波に乗れば上位を十分狙えるチームが揃っている。九州学院は、エース伊勢の奮闘がチームの命綱。九州大会制覇に続いて神宮大会で敦賀気比も破った力はかなりのもの。打力もあり、守備も固く、大暴れの予感も漂う。抜群の身体能力を持つ選手をそろえるのは糸満。沖縄県高野連主催の野球部対抗競技大会で連覇を飾るなど、『身体能力の高い沖縄高校野球界』でもトップに君臨する素晴らしさを甲子園で発揮しようと腕を撫す。


ダークホースも数多い。21世紀枠の3校にも期待。


ここまで名前をあげなかったチームも、今年は上位を狙う十分な戦力を持ったチームが多い印象がある。
まず甲子園常連の常総学院。選手の質が年々良くなってきており、木内時代の晩年より、むしろ甲子園で暴れそうな雰囲気を醸し出す。エース鈴木の投球に注目。エース左腕早川の木更津総合も、このエース次第では上位進出が可能な戦力。ただ、打線の破壊力がないため、ロースコアのゲームでピンチをしのいでいけるか。立命館宇治は、接戦に強い野球力で勝負。いかにも選抜向きのチームという感じがするため、もしかしたらの期待もある。中国では屈指の力を持つとみられるのは岡山理大付。エース西山に安定感があり、戦いぶりが”堂に入っている”感がある好チームだ。四国の2校、英明今治西では、英明の爆発力に期待。昨秋は県大会、四国大会とほぼ圧勝したものの、明治神宮大会で敦賀気比に敗れ全国レベルの壁の高さを体感。その屈辱をバネにひと冬でどれだけ飛躍を遂げているのか。今治西は、一昨年をのぞいて9年間毎年甲子園に登場してくるという常連だが、ここ数年は毎年『力及ばず』の感を抱いて去って行っている。今年は大野監督の采配なしで臨むセンバツだが、それが大きな起爆剤になるかもしれない。サッカー高校選手権初優勝の星稜の様に。

秋の段階でかなり注目されていた九産大九州は、その力を維持できているか。2年連続出場の神村学園は、昨年の経験を生かしたいところ。目標は昨年越えの8強だ。『緩球エース』西嶋で昨夏の甲子園の話題をさらった東海大四は、今年は打撃のチームに変身して夏春連続。狙いは一気に2勝。同じ東海大勢の東海大菅生は、『エースで4番』のスーパー球児・勝俣がチームを引っ張る。投球経験は浅く『四球連発』に陥りがちだが、冬越えで成長を見せているとひょっとしたらもありうる。投打にバランスのとれた宇部鴻城は、嵩にかかって攻める攻撃に迫力あり。松商学園は24年ぶりという久々の出場。新しい姿を見せると意気盛ん。大曲工は嬉しい初の甲子園。接戦を勝ち抜くたくましさで、悲願の初勝利を狙う。奈良大付も打天理・智弁の厚い壁を破り初。もともと力は十分に持っているチームで、エース坂口の投球は必見だ。悲願の初出場組では、米子北も地元の期待は高い。すでに全国の名門になっているサッカー部に続け、が合言葉。

21世紀枠の3校は、いずれも話題満載。松山東は、野球の名付け親である正岡子規の母校であり、県内屈指の進学校という話題も。純白のユニフォームの躍動が、今から楽しみだ。桐蔭も、オールドファンには懐かしい『旧和歌山中学』。甲子園の申し子のようなチームで、53年ぶりの出場ながら16度目というセンバツ常連校だ。豊橋工は全くの甲子園初出場。エース森の右腕に注目。愛知の21世紀枠と言えば、08年の成章が思い出される。その時のエースは今をときめくヤクルトのエース・ライアン小川。その時の感激と快進撃をまた、豊橋工にも期待している。



今年のセンバツは、大激戦になりそうな予感がプンプンします。
昨日3月8日は、高野連制定の『練習試合解禁日』。
待ちに待った春のシーズン開幕に、
高校球児たちは曇天の下、
待ちきれなかったとばかりグラウンドに駈け出していきました。

もうすぐあの甲子園の空の下、
春の訪れを告げる選抜大会の開幕です。
あと2週間足らず。

待ちに待ちました。

今年も野球のシーズン、到来ですね。


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