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第91回全国高校野球選手権大会 予選展望 Vol3 ≪東海・北信越≫

2009年06月22日 | 高校野球

地区予選展望、第3回です。

≪地区予選展望≫

【静岡】
◎ 常葉橘  ○ 掛川西  △ 静岡学園  ▲ 静清工

常葉橘を本命に推す。選手の素材が段違い。エース庄司が安定感を増し、最後の夏にかけている。負けるときは打線が沈黙、が定番になっているため、大事な試合でそれが出なければ・・・・。選抜出場、春の東海大会Vと階段を駆け上がってきた掛川西は、全国で利府にリベンジするまでは負けられない。春の県制覇で勢いに乗る静岡学園は、2本のエースがいるところは上の2校よりも有利。夏の連戦をにらんでいる。静清工も守りの堅さで覇権争いに加わる。

【愛知】
◎ 中京大中京  ○ 東邦  △ 愛工大名電  ▲ 享栄

やはり私学4強を中心に今年の夏も回る。その中で、不安材料もあるものの、やはり本命は中京大中京だ。エース堂林は、いまさら言う事もないほどの右腕だが、春に左足靭帯を損傷。しかしながら、エースはここ一番ではやるはずと見る。追うのは昨年代表の東邦が一番手か。昨年同様、鋭い振りで相手を粉砕する強力打線で夏に挑む。春優勝の愛工大名電は、投打のバランスは抜群。例年の事だが、信頼できる投手が3枚いるのも強みだ。接戦を制することが出来ればぐっと2年ぶりの夏に近づく。享栄、愛知啓成、杜若など、Aクラスの戦力を持つ刺客も多い。

【岐阜】
◎ 中京  ○ 岐阜城北  △ 大垣商  ▲ 県岐阜商

夏の構図は、例年と変わりない。中京を中心に、その周りを4~5校が囲み、その周りに10校前後がひしめく構図だ。中京は春の大会を制して、5年ぶりの夏を狙う。例年通り打線の充実度は県下NO1。下位打線まで一発を秘めた強力打線だ。追う一番手は、今年は岐阜城北が名乗り。こちらも攻撃主体のチームだが、やや安定感に欠ける投手陣が踏ん張れるか。大垣商・県岐阜商の名門勢は、夏に強いところを生かして猛追の様相。大垣日大も戦力は充実しており、ひとつきっかけをつかめば第ブレークする可能性も。

【三重】
◎ 海星  ○ 三重  △ 宇治山田商  ▲ 菰野

今年はやや地盤沈下気味の三重県勢。その中で、春・秋優勝の海星、三重がややリードか。海星はもともと打力のあるチームだったが、春に2年生畠山が台頭し、エースの座に収まったのが大きい。4枚の投手陣を持つ三重は、打倒海星に自信満々の様子。早い段階で海星と当たらないくじを引けば、その層の厚さが生かされる。宇治山田商は、ここのところ甲子園での活躍が目立つ。今年も甲子園に里帰りしたいところだ。連覇を狙う菰野も、ここに来て急上昇。連覇を狙える位置までやってきたといえよう。


【長野】
◎ 佐久長聖  ○ 長野日大  △ 松商学園  ▲ 長野商

佐久長聖が春の北信越大会を制し、夏のトップランナーに躍り出た。しかし、投手陣の頭数はいるものの、エースに座るのが誰になるかが焦点。エースが現れないようだと、思わぬ苦杯を喫する可能性もある。秋春ともに決勝に進出した長野日大も戦力は充実。昨年の春の選抜を経験した選手も残り、力は県内屈指だ。名門松商学園も、3年連続出場に照準を合わせる。伊東・平間の2本柱ががっちりとマウンドを守る。得点力もだいぶ高くなっており、連続出場への視界は良好だ。3強を脅かす一番手は、長野商。そのほかにも、諏訪清陵、東京都市大塩尻あたりがV争いに加わってくるか。


【新潟】
◎ 日本文理  ○ 新潟明訓  △ 中越  ▲ 新潟商

日本文理が大本命。秋の新チーム結成時からまったく力が落ちないチームで、夏もよほどの事がなければVを勝ち取りそうだ。エース・伊藤も安定感抜群で、目標は全国8強。それが狙える戦力は整えている。追うチームは決め手がなく苦しい夏になりそうだ。その中で、常に日本文理と県の盟主をかけて激しいバトルを繰り広げる新潟明訓が今年も対抗馬。2年生中心のチームながら、なにやらベテラン佐藤監督は自信を持っている感じで、余裕がある。春準Vの中越も、久々の夏に腕をぶす。今年は軟投派の左腕、渡辺が安定感抜群。選抜では21世紀枠から漏れた新潟商も、夏を鋭く狙っている。


【富山】
◎ 富山商  ○ 桜井  △ 高岡商  ▲ 氷見

秋春ともに決勝は富山商vs桜井のカードとなり、いずれも富山商が制したが、2校にそれほど差はない。戦力的に抜きん出たものはないが、2強は試合運びがうまい。3番手の高岡商は、2年連続を狙う。昨年の夏を経験した選手が残り、今年戦績が残っていないのが、かえって不気味。氷見の144キロ左腕・滝下が本領を発揮すると上位を脅かす存在になりそう。しかし、2番手以下の力が落ちるため、滝下頼みのチーム状態から脱する事が出来るか。滑川、富山国際大附、新湊などもおもしろい存在だ。

【石川】
◎ 遊学館  ○ 金沢  △ 星稜  ▲ 輪島

新チーム結成当初は、金沢・星稜の2強の力がぬきんでると見られていたが、遊学館の力がここに来てグーンとアップ。一気にトップの座を奪い取った。遊学館は、投手陣の層がとにかく厚い。4人の誰もが完投能力を持ち、2-1、3-1などの試合展開を大の得意とする。暑い夏を乗り切るには、理想的なチームだ。追う金沢は、昨年の夏の甲子園で優勝した大阪桐蔭を唯一苦しめた好チームだが、今年は何かパッとしない1年を過ごしてしまった。潜在能力はピカイチなだけに、おもしろい夏に出来るか。星稜もキラ星のように光る戦力を整えながら甲子園には届いていない。遊学館を破らない限り甲子園はない、と肝に銘じてこの夏に臨む。


【福井】
◎ 福井商  ○ 敦賀気比  △ 福井工大福井  ▲ 北陸 

実績では敦賀気比がリードするが、やはり本命には福井商を推す。今年の福井商は打線の力はいまひとつながら、昨年も甲子園のマウンドを踏んだエース竹沢が控えるだけに安定感は抜群。5年連続出場はダテではない。夏の戦いを熟知する北野監督の手腕が冴えるか。敦賀気比は昨選抜で甲子園のマウンドを経験済みの左腕・山田が大きく成長した。184センチの長身で長い腕を使って投げ込む球は、見た目より打ちづらい。4番に座る1年生・吉田のバットが火を噴けば1番手に躍り出る。2強対決の様相が濃いが、福井工大福井、北陸の両チームも間隙を縫って甲子園を狙う。両チームともに140キロ越えのエースが2強を脅かす。 

(以下次号)

 


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