◇もっとも印象に残った球児
49.熊本
澤村 幸明 外野手 熊本工 1996年 夏
甲子園での戦績
96年 夏 2回戦 〇 12-4 山梨学院大付(山梨)
3回戦 〇 5-1 高松商(香川)
準々決勝 〇 7-6 波佐見(長崎)
準決勝 〇 3-2 前橋工(群馬)
決勝 ● 3-6 松山商(愛媛)
熊本と言えば熊本工。
熊本工と言えば、
戦前は川上-吉原のバッテリーが有名で、
『老舗の野球どころ』
という印象が強い県です。
その後も、
プロ野球で活躍する選手の宝庫となった熊本工。
ざっとあげても、
伊東(元西武)、前田(広島)、緒方(元巨人)、井上(元巨人)、田中(元阪神)、荒木(中日)、岩見、藤村(巨人)など、
本当に年代を問わず数多くの選手がプロで活躍しています。
甲子園出場回数は、
選抜20回、選手権19回と計39回を数える、
全国有数の名門校と言えるでしょう。
戦前から活躍する県立校で、
今もなお当時そのままの力を維持する数少ない高校のひとつです。
そんな熊本工も、
甲子園では驚くべきことに、
優勝の経験がありません。
そして戦後は90年代中盤まで、
長い間決勝進出もありませんでした。
(決勝進出は戦前の2回)
『熊工ファン』
にとって、
甲子園での優勝こそが悲願。
しかし、
たくさんの有名選手をもってしても、
その悲願は達成されませんでした。
決して甲子園という本番に弱いチームではありませんでしたが、
なぜか上位進出は阻まれ、
96年を迎えます。
96年のチーム。
選手権には4年ぶりの出場。
決して期待されたチームではありませんでした。
例年に比べて投手力がイマイチと言われたチームでしたが、
甲子園に来てからは投打ががっちりとかみ合って、
抜群のチーム力を見せてあれよあれよという間に勝ち進んでいきました。
決勝進出の立役者は?
と問われてひとりがあがらないぐらい、
全員の力を結集した【全員野球】での快進撃でした。
決勝の相手は、
同じく戦前からの名門、松山商です。
このオールドファンを魅了した対決は、
ご承知の通り、結末もこれ以上ないほどドラマチックなもの。
いつまでも語り継がれる名勝負になりました。
9回2死まではなんてことのない決勝でしたが、
ここから試合は一気に動き出しました。
追い詰められた熊本工のバッターは1年生の沢村。
実はここまで、
ワタシは沢村選手のこと、
ほとんど印象に残っていません。
この年は公私ともに本当に忙しく、
更に今のようにHDDのビデオレコーダーなんてものもなかったため、
『全試合を録画して、深夜に見る』
という芸当ができない時代でもありました。
厳選した試合だけを見て、
次の日はまた同じビデオテープに『重ね撮り』が定番。
そのため、
熊本工の快進撃、
ワタシほとんど映像では見ていないんです。
決勝までの4試合のうち、
観たのは2試合だけ。
そんなこんなでの、
決勝観戦でした。
9回2死というこの土壇場での、
沢村選手が相手エース・新田投手から放ったレフトへの会心の一撃。
その瞬間、
ぞわ~~~ッと、
全身に鳥肌が立ったのをよく覚えています。
この同点アーチだけで、
ワタシは≪最も印象に残った選手≫に沢村選手をあげました。
だって、
最も印象に残ったんですから、しょうがない。
彼のそれまでの記録、
ほとんど知らないんですけど・・・・・。
でも、あの当たりはすごかった。
結局延長に入って、
松山商・矢野選手の奇跡のバックホームがあり、
熊本工は『80年の悲願』達成の一歩手前で、
またも涙を飲んでしまいました。
しかし胸に【熊工】の2文字。
あのグレーのユニフォームは、
まだまだ輝きを失ってはいません。
近い将来、
今度は【100年の悲願達成】という瞬間が見られること、
願ってやみません。
*ところで、沢村選手はその後、目立つことなく野球界からいなくなってしまいましたね。
法政大学に進学したところまでは知っていたんですが、その後はよくわかりません。
96年に1年生ということは、彼もまた『松坂世代』の一員。
この時までは、間違いなく世代のフロントランナーでしたが、
その後数多登場する素晴らしい選手たちに埋もれる存在となってしまいましたね。
松坂との対決、見てみたかったなあ。
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