SPORTS! SPORTS! 寝てもさめても

16年目突入。ビッグイベントに心躍らせながら、草の根のスポーツの面白さにも目覚めている今日この頃です。

第89回選抜高校野球大会 第5日 早実が甲子園の空気を支配する

2017年03月25日 | 高校野球

≪第89回選抜高校野球大会≫ ~甲子園~
【第5日】

第1試合 東海大福岡(九州)2×-1 神戸国際大付(近畿)
第2試合 早稲田実 (東京)5 -4 明徳義塾(四国) 
               (延長10回)
第3試合 静 岡 (東海)12 -3 不来方(21世紀枠・東北)



第1試合で東海大福岡が強豪の神戸国際大付をサヨナラで破った余韻が残る甲子園。
そんな中で、
大会前から注目された強豪同士の一戦、
早稲田実vs明徳義塾
の試合が始まりました。

マスコミの注目はなんといっても早実のスラッガー清宮。
「清宮大会」
と呼んでもいいほどの注目を集めるこのスラッガーは、
初回第1打席でいきなり強烈なライト前ヒットを放ち、
強烈に甲子園への帰還をファンに印象付けてくれました。

しかしそこは”野球力”大会屈指の名門・明徳義塾。
初回のピンチでこちらも注目の4番・野村に対して、
『ああ、明徳が骨の髄まで早実のこと、研究してるんだなあ・・・・・』
と思わせるような攻め方でゲッツーに打ち取り、
その裏さっそく2死から3点。

対戦が決まってから試合まで時間が十分にあるため、
相手を「丸裸」にできる甲子園の初戦では『圧倒的な強さ』を見せる明徳義塾。
この日の試合でも、
その『研究のあと』を十分に見せてくれる立ち上がりでした。

しかし印象として、
明徳は打者が全然『振れていない』印象で、
打線につながりを欠いてその後早実の投手陣を打ち崩す一撃を加えられませんでした。

その間に早実はじわじわとプレッシャーをかけ始め、
2回、7回に1点ずつを返して3-2に。
「試合は分からなくなってきた」と思われた8回裏、
明徳の4番谷合に待望の一発が飛び出し、
明徳はこの終盤にきて実に大きな1点を入れました。

最終回を残して4-2の2点差。
しかも早実の最終回の攻撃は7番からの下位打線。

さすがの早実でもこれはひっくり返せないなと思った瞬間、
7番の橘内に2塁打が出て反撃開始。

この光景。
最近の早実では実によくある光景。

いつのころからか、
東京で早実の戦いは『終盤に試合をひっくり返す戦い』が実に多くなりました。

神宮では早実が終盤にリードされながら反撃の一撃が出ると、
なんだか一気に空気が変わります。
観客の間に何とも言えない『逆転待望』の空気が出て、
それに乗って早実が反撃を開始すると、
球場中の空気が一気にヒートアップして、ものすごいことになるというもの。

東京の各チームは、
そのことを一番恐れ、
早実はそのチーム力以上に『最も戦いにくいチーム』となっています。

昨秋の東京都大会決勝・日大三戦でも発揮され、
9回に追いついてサヨナラ勝ちという「激勝」で甲子園をつかみました。

最近の神宮はまさに『早実の庭』です。

しかしここは甲子園。
『そんなことにはならないだろう』
と思っていたら大間違い。

神宮までとは言いませんが、
それに近い空気がぐっと熟成され、
早実を後押ししましたね。

1点を返したものの2死1塁。
「ここまでか」
と思われてから、
あの明徳義塾が何か球場の雰囲気に圧されて、
おかしくなり始めました。

この日初打席の横山が放った打球は『ただのピッチャーゴロ』。
しかし明徳のエース北本が何とこれを取り損ねて生かし、
早実は九死に一生を得て2死1・2塁とチャンスを拡大。

そして打席には「持っている男」清宮が入りました。
すると球場のボルテージは最高潮。
そんな中清宮は落ち着いたもの。

ビビったわけではないでしょうが、
明徳の北本は急に腕が振れなくなって、
まったく制球がきかなくなってしまいました。

*ちなみに先ほど徳光さんのラジオを聴いていたら、
このシーン、徳光さんは「清宮との勝負を避けて歩かせた」なんていっていましたが、
それを聞いた瞬間、『そんなことあるわけねーだろ!』と思ってしまいました。
満塁にして野村勝負なんて、それこそそんなこと明徳がするわけありませんからね。
見ていれば北本の腕が振れなくなったのがはっきりわかりましたから、徳光さんはそのシーン、見てなかったんでしょうね。
徳光さんほど頻繁に野球を見ている人でも「清宮神格化」でそんなことを言ってしまうほど、
マスコミの”清宮~”という刷り込み、すごいものです。
(それとも単に、ネタとして言っているだけかもしれませんが)

そして満塁から北本は、
野村に対しても全くストライクが入らず、
押し出しで同点にしてしまいました。

本来ならそこで5番・小西が決めなければならないシーンでしたが、
ピッチャー以上に緊張して『俺が決めなきゃ』が強く出ていた小西は狙い球を絞り切れずに凡退。
ここが早実、解消できると(清宮・野村のあとの5番が打てるか?ということ)上位に行ける可能性は十分となりますが。。。。。

それにしてもこのシーン、
清宮といい野村といい、
チャンスとはいえまだ負けているというこんなシーンを、
大声援に乗ってまるで楽しんでいるような風情で、
しかも頭は冷静にボール球を見極めていたところはさすがでした。

二人ともマインドはもう『プロ仕様』ですね。
レベルが一段も二段も上です。

最後はこの日ラッキーボーイとなった9番・野田がこの日何と4打点目のタイムリーをセンターに放ち、
決着をつけました。

それにしても、
甲子園には慣れているはず、
そして逆境、アウェー感には慣れているはずの明徳義塾をもってしても、
『早実の球場を支配する空気』
にあらがうことはできなかったという事実、
ちょっとワタシには衝撃的です。

この空気をつくるのは、
やっぱり甲子園で作ってきた早実の歴史が、
そうさせているんだと思います。

王貞治さん、荒木大輔さん、そして斎藤佑樹さん。
それらの大先輩が作った【早実という甲子園のヒーローチーム】という空気、
そのものですね。

これぞ伝統の力と言ったら、
言いすぎですかね?

今大会に限って言えば、
昨日を見た限りでは早実の投手陣の不安は、
秋から解消されているとはいい難い状況だと思います。

だが。。。。。

なんだか快進撃、
期待できるのではと思ってしまいます。

あの日大三の小倉監督が対戦を最も嫌がる、
その早実の『早実力』、
今大会で遺憾なく発揮される可能性、
大いにありますね。

それにしても、
あの明徳・馬渕監督をして、
早実には野球の神様がついているなんて言わせるなんて。。。。。。。

びっくりです。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« WBCはアメリカが優勝 大相撲... | トップ | 大相撲春場所 稀勢の里負傷... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

高校野球」カテゴリの最新記事