西武球団は昨日、
保有する西武ドームはネーミングライツにより、
来年度は『西武プリンスドーム』になると発表しました。
グループ会社であるプリンスホテルが、
ネーミングライツを買い取りました。
西武ドームのネーミングライツと言えば、
最初がインボイス、
そして次がグッドウィルと、
何だかいわくつきの名前が連続して、
どうもいいイメージがありませんでしたが、
プリンスの名がつくと、
なんだかほっとするというかなんというか、
悪いイメージはありません。
まあ、
立地が立地ですから、
西武ライオンズの試合と夏場のいくつかのコンサート、
そして『世界らん展』ぐらいしか、
年間の大きなイベントの予定はありませんからねえ。
その『宣伝効果』がいかほどなのかは、
知る由もありませんが。
しかし、
西武球団とプリンスホテルがコラボと聞くと、
古~~い西武ファンであるワタシなどは、
西武ライオンズ創生期に、
プリンスホテルという社会人野球チームがあったという記憶が、
鮮やかによみがえってきます。
まさに日の出の勢いだった西武グループ。
その彼らが野球界に打って出たのが1978年。
翌79年から西武ライオンズは始動するのですが、
その時同時に立ちあがったのが社会人野球の【プリンスホテル】。
堤オーナーが情熱を傾けていたアイスホッケーの世界でも、
西武鉄道と国土計画という2チームを持ち、
両チームで優勝争いをさせるという戦略でスポーツチームの運営を行っていた堤氏が、
形の上で少し違いはあるものの『完全に日本プロ野球界を制圧する』ために作り上げたシステムだったと言えるのではないでしょうか。
立ち上げから華やかだった西武ライオンズとプリンスホテル。
プリンスホテルには、
アマチュア球界から選手、指導者を”ぶっこ抜き”の状態で集め、
都市対抗での優勝のみならず、
『西武ライオンズへの選手の供給』
も視野に入れていろいろとやっていました。
野球界で『〇〇を画策した』
なんていうと、
いっつも西武かプリンスの名前が挙がっていたなんていう時期でした。
やっていることはまさに『えげつない』ことではありましたが、
『巨人一極』
という長年の流れに風穴を開け新時代を先鞭をつけたという意味では、
一定の意義はあったのではないでしょうかね。
その『えげつなさ』は、
あの手塚治虫氏の『レオ』という、
子供にとっても大人にとってもとても親しみやすいチームロゴとスカイブルーのチームカラーが、
見事に中和してくれていたと思います。
”内実”は別にして、
非常にさわやかなチームイメージを振りまいていましたものね。
そういう意味でも、
今考えても、西武というグループの戦略には、
感心させられるものがありますね。
そんな『プリンスホテル』ですが、
石毛、中尾、金森、住友、村中など、
まさにワンサカと大学球界のキラ星達を入社させてチーム作りを行いました。
冗談ではなく、
『数年彼らを鍛え上げれば、プロ球団以上のチームになる』
とまで言われていたものです。
世は社会人野球全盛時代。
社会人野球のレベルは圧倒的に高く、
プロ野球への選手の供給源として、
機能していた時期でもありました。
プリンスホテル ⇒ プロ
という流れは、
本当に激流の様に太~~い筋でした。
もともと『西武ライオンズへの選手供給源』と考えていたからか、
昭和55年にはドラフト1位指名の高校生2人(高山、川村)がプロ入団を拒否して、
いずれもプリンスに入社。
数年後に西武ライオンズに入団するという様な『力技』もありました。
プロで活躍した選手としては、
石井丈(元西武)、石井浩(元近鉄→巨人)、宮本(元ヤクルト)
などもプリンスの出身です。
念願だった都市対抗野球にも、
1989年に優勝しています。
この年は、
くしくも西武ライオンズが5連覇を目指したものの3位に沈んだ年(その後90年から5連覇=要するに、10年間でただ1度だけ優勝できなかった年)で、
その年プリンスホテルが『西武グループの野球での優勝の穴を埋めてくれた』ともいわれました。
そんなプリンスホテルですが、
その89年ぐらいをピークに、
社会人野球の衰退と歩調を合わせて、
段々と先細りしていってしまいました。
堤オーナーも野球への情熱をどんどんなくしていた時期でしたので、
西武ライオンズともども『黄金期からの衰退』という道をたどってしまいました。
そして2000年に休部。(実質廃部)
歴史からその姿を消したのでした。
プリンスホテル自体も苦しい経営状態が続きましたが、
ようやく再開発等が軌道に乗り始め、
西武グループも今年再上場。
そして『プリンス』という名前が小さくではありますが、
野球界に戻ってきたとワタシは受け取っています。
小さいけれども、
嬉しいニュースでした。
さあ、
時代に取り残されつつある『ライオンズ』が再び輝きを取り戻せるか、
グループの総力が問われていると思います。
ファンとしては、
『学校のOB』のような目線で、
うだうだと言いながらも、
見守っているところです。
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