大相撲夏場所。
昨日大関に期待していると書いたら、
さっそく3大関が敗れるという、
まあ何と言いましょうか・・・・・・という結果。
我が家では、
ワタシが持ち上げると必ず・・・・なんていう逆神っぷりをよく言われていて、
昨日も「ほらっ書くからあ・・・・」
なんて”お叱り”を受けましたが、
まあ気にしないで行きましょう。
それにしても大関陣が情けないというよりも、
これは何場所にもわたり感じていることですが、
すでに照ノ富士を除く3人の大関と関脇、小結の役力士はもとより、
前頭上位の力士とは実力差がほとんどないという事が言えるのではないでしょうかね。
昨日貴景勝、正代、朝乃山に勝ったのは、
御嶽海、若隆景、明生の3人。
いずれも実力のある力士で、
突発的にたまたま勝ったというよりも、
しっかりと大関と「相撲を取って」勝ち切ったという感じでした。
見ていて本当に「どっちが大関だかわからんなあ」というような内容でした。
今後もそういった相撲が続くのかもしれませんね。
なにしろ、
関脇、小結に負け越さない実力者が揃っているので、
先場所二けた勝った前頭上位の力士が小結以上に上がれなかった事例が多発。
このあたりの番付の出世争いが、
ものすごくアグレッシブなことになっています。
今の幕内では、
照ノ富士の力が一人抜けていて、
彼が万全で相撲を取ることができれば、
横綱昇進への目安である「2場所連続優勝(あるいはそれに準ずる成績)」は、
軽く達成できそうな気がするんですがね。
早く横綱に昇進してほしい。
自分でも言っていましたが、
ひざの爆弾を抱える彼は「長く相撲を続けられる力士」ではないように思います。
それだけに「いまにかける」気持ちは強くて、
土俵上での気迫型の力士とは全く違うように見えます。
何とか今場所も、
ひざが最後までもってくれるといいのですがね。
さて、
そんな相撲が始まる前の日曜日。
ボクシングのビッグマッチが海の向こうで挙行されました。
5/8 米・アーリントン(DAZN)
◇WBC・WBA・WBO世界Sミドル級王座統一戦 12回戦
WBC&WBAチャンピオン WBOチャンピオン
サウル・カネロ・アルバレス(メキシコ)○ 8回終了TKO ● ビリー・ジョー・サンダース(英国)
◇WBO世界Lフライ級タイトルマッチ 12回戦
チャンピオン WBA5位
エルウィン・ソト(メキシコ) ○ 9回TKO ● 高山勝成(寝屋川石田)
現在のボクシング界でのスーパースター、
数階級で王座を保持するカネロことサウル・アルバレスが”稀代の悪童”ビリー・ジョー・サンダースと、
3団体の王座をかけての統一戦を行いました。
テキサス州アーリントン、
普段はNFLのダラス・カウボーイズの本拠地であるAT&Tスタジアムで行われたこの興行。
驚いたのは、
この日の観衆が7万人を超え、
多くの人たちがマスクをせずに大歓声を送っていたところ。
一昨年まで普通だったこの「大スタジアムの大歓声」が、
久々にこだましていたところです。
アメリカといえば、
今でこそワクチンの接種がある程度進みましたが、
とにかく世界最大の被害を被り感染者数、死者数ともにダントツで世界NO1の国。
まあ、州によってコロナ対策も違うので、
このテキサスの行状を見てアメリカ全土のことと判断してはいけないとクギを刺されましたが、
それでもこの日の7万人超の盛り上がり方、
ちょっと日本では考えられないなあ・・・・・って感じでした。
良きにつけ悪しきにつけ、
「これがアメリカだなあ」
なんて感想を持ちましたね。
この日はもちろんカネロの試合がメインでしたが、
その前のセミでも「日本のレジェンド」(何度も放送ではそう紹介されていました!!)高山勝成が、
Lフライ級の世界タイトルマッチに挑戦者として挑む試合が組まれていました。
高山といえば、
日本のリングに上がれず各国を放浪して世界戦を戦い、
何度か世界タイトルを手にしてきた男。
その後日本のボクシング界とも和解して日本のリングに上がり、
今度はプロを引退して「東京オリンピックを目指す」とアマ資格を再取得、
オリンピックを本気で目指していました。
そしてそれと同時(?)に、
高校にも入学してハイスクールライフを送っていたりする姿が紹介されていて、
「何ものにも縛られない、自分がやりたいことをやる人なんだなあ」と、
その生き方にチラッとうらやましさなども感じていたりしたものです。
そしてオリンピック出場の夢が破れると、
30代半ばにして再々転向、
またもプロになると今度は、
「37歳定年」というJBCの規則にも風穴を開け、
37歳で現役続行。
それでもワタシは「もういくらあがいても、ビッグマッチが組まれることはないだろうなあ」なんて思っていたら、
なんとなんと、
試合の3週間前にオファーが届いて、
まさかまさかの、この日の世界タイトル挑戦となったのです。
世界のリングでアウェー戦を戦う
そんなこと、
高山は屁とも思っていないようで、
ホント落ち着いていて頼もしいたたずまいを見せ、
この日のリングに淡々と上がっていきました。
もちろん体も全く作っていない状況の中、
3週間でアメリカに渡航して世界タイトルマッチ・・・・・・
相手を研究する間なんてないに等しく、
「まともな試合になるはずもない」
なんて言われていましたが、
そこはさすがにベテランの味。
というか、
「俺はどこでも、だれとでも、いつでも戦う」
という高山ならではのサバイバル精神というか反骨精神というかが、
存分に発揮されたファイトとなりました。
全米どころか全世界が注目するカネロのセミという事で、
本当に高山の名前も世界のたくさんの人の脳裏に刻み付けられたことでしょう。
試合は高山らしい、
ブランクを感じさせない速さと手数の勝負に持ち込みましたが、
9Rに少し連打を浴びたところでレフェリーストップ。
残念なTKO負けとなってしまいました。
しかしこの判定には、
陣営のみならず観客も「え~~~~~っ」とクレームの声しきり。
「試合を止めるの、早すぎるよ~」ってことです。
そこで高山。
「まだ俺は、こ~んなに元気だよ~」
とばかりリング上で高速のシャドーボクシングを始めたのには、
なんというか嬉しくなっちゃいました。
「あ~高山だな~」
って感じで。
惜しくも敗れたものの、
得たものも大きかったでしょうね、高山としては。
何しろ観衆が7万人超。
そしてテレビの視聴者は、
どのくらいあったのかもしれません。
こんな大舞台でのファイト。
苦労を重ねてきた自由人高山への、
ボクシングの神様からの粋なご褒美だったんじゃないでしょうか。
という事でひとしきり高山を楽しんだ後、
いよいよメインのカネロのファイト。
サンダースも決して弱いボクサーではないので、
「さてどうなるのか?」
という期待は大きかったですね。
前半は予想に反して(?)、
サンダースもまずまずの動きを見せて、
カネロに決定的な一打を与えませんが、
いかんせん「どうやって勝つつもり?」って感じの試合ではありました。
そんなことを思っていたら、
8Rに強烈なシーンが。
カネロの強烈な右を食らったサンダース、
そこからは全く動きも止まり、
何とかゴングに救われてこのラウンドは乗り切ったものの、
コーナーに帰るともう完全に戦意喪失。
何せカネロのこの強烈なパンチは、
サンダースの目を破壊、
多分複雑骨折だろうとのこと。
9Rのゴングが鳴ってもサンダースは立ち上がってファイティングポーズを見せることはなく、
このビッグファイトは、
8R終了でカネロの戦慄のTKO勝ちに終わりました。
ま~おっそろし~~~~
村田諒太も少し前は、
自分の持つWBAミドル級王者の上に、
スーパー王者としてこのカネロが君臨していたのですが(その後カネロはこのタイトルを返上)、
ファイトしていたらどんなことになったのか。。。。。。
考えるだけでも恐ろしい。
カネロはこの勝ちで通算56勝1敗2分という戦績。
ま~すごいですわなあ。
このファイトを見ても明らかなように、
今のところ”敵”は見当たりません。
そしてプロモーターはもとより、
本人も陣営も、
見栄えのするビッグファイトしか、
今後はやらないでしょうね。
そういう意味でも、
村田に出番が来るとは、
とても思われません。
さすがはパウンド・フォー・パウンドで第1位の選手ですね。
しかしそのカネロをして、
「自分を除いたPFPは・・・・」
という質問に対しては、
3人の「猛者」のうちの一人に、
井上尚弥の名前を挙げています。
やっぱり井上も、
いまや「Monster INOUE」として、
世界にその名をとどろかせているという事ですね。
とにかく、
松山英樹がマスターズに優勝したのと同じぐらいのインパクトのあるファイターですよ、
井上尚弥という選手は。
その井上の次のファイトは、
ラスベガスで6月19日です。
6/19 米・ラスベガス(ESPN)
◇WBAスーパー&IBF世界バンタム級タイトルマッチ 12回戦
チャンピオン IBF1位
井上尚弥(大橋) マイケル・ダスマリナス(フィリピン)
負ける要素は、
今のところ全くありません。
バンタム級の4団体のチャンピオン統一を狙う井上尚弥。
またも痛快なKO劇で、
我々ファンを酔わせてくれることでしょう。
この試合にスパッと勝って、
次のビッグマッチ路線へ、
突き進んでいってほしいと思っています。
それにしても、
カネロはすごかった~。
サンダース、
さすがにあそこまで痛めつけられちゃ、
日頃の悪童振りもどこへやら・・・・・という感じでした。
お大事に。
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