あのマサ斎藤が逝ってしまいました。
享年75歳。
何といっても記憶に残るのは、
アントニオ猪木との巌流島の決闘。
宮本武蔵・佐々木小次郎よろしく、
二人のプロレスラーが観客もいない巌流島で、
”昭和の決闘”
を行ったのも、
もう30年以上前の話。
しかし、
あの頃のプロレスは、
本当に熱かった。
マサ斎藤と猪木が戦った87年、
既に二人がレスラーとしての曲がり角に来ていたと同時に、
プロレス自体も「熱狂の70・80年代」を過ぎ、
「いったいこれから、どうしていくのか?」
を模索していた時期だと思います。
楽しくも予定調和の世界の広がる「プロレスの世界」が、
アントニオ猪木が提唱するストロングスタイルで、
ちょっぴりその姿を変えたのがこの時代。
そしてこれから、
「予定調和」に飽き足らなくなったファンは、
より真剣な勝負へとその足場を映して、
それがUWFから総合格闘技、そしてK-1という、
新たな格闘技の波を生んでいくのです。
しかし、
近年にはまた、
「あの頃のプロレス」の空気が懐かしくなったか、
新たなファンが「ザ・プロレス」を楽しむ空気が生まれて、
またまたプロレス人気が盛り返してきています。
そんな時代の移り変わりを感じるとき、
ワタシはやはり、
70年代~80年代の新日本・全日本の2大団体が覇を競っていた時代のプロレスを、
思い出してしまいますね。
マサ斎藤は、
ワタシはアメリカから帰国して長州力らと『維新軍』を組んでいた時に知り、
その何とも言えない「強い姿」に声援を送ったものです。
猪木や藤波、
長州や様々な外国人レスラーがリング狭しと暴れまわり、
解説席には山本小鉄さんがでんと居座り、
その横で古館がマシンガントークを繰り広げる。。。。
そんな「金曜夜8時」が、
大好きでした。
もちろん土曜日の馬場さんを、
若干の笑いを交えながら見るのも、
ゆるく温かい空気が流れて大好きでしたけど。
そんなプロレスの中で、
あの”巌流島決戦”だけは、
なんだか異様な光を放っていて、
胸にざわざわとしたものを抑えられない、
そんな感じでした。
もちろん実況があったわけではなし、
紙の媒体でその結果、経過を知るに至ったのですが、
いずれにしても猪木とマサ斎藤、
両プロレスラーに、
光のようなものが宿る感じを抱いたのを覚えています。
ワタシもまだ若かったこともあって、
こんな演出にも、
なんだかコロッと行っちゃっていました。
(猪木、おそるべし)
そんなマサ斎藤さんも、
あのモハメド・アリと同じパーキンソン病を患い、
長く闘病生活をしていたのでしたね。
そしてついに、
リングに戻る夢かなわず、
75歳の生涯を終えました。
「大ヒーロー」ではないものの、
懐かしくその雄姿を思い出せる、
光を放つレスラーでした。
また一つ、
昭和の思い出が霞のかなたへと去ってしまいました。
平成も最後となる今年、
スポーツ界でも芸能界でも、
ビッグネーム、思い出の人の訃報が多すぎる。
もうなんだか、
ココロがついていけません。
昔を思い出して・・・・・涙。
ワタシもなんだか、
年を取ったものですね。
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