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16年目突入。ビッグイベントに心躍らせながら、草の根のスポーツの面白さにも目覚めている今日この頃です。

ボクシング史に残る激闘 拳四朗とユーリ阿久井の世界統一タイトルマッチ

2025年03月14日 | ボクシング

3/13【U-NEXT BOXING2】  ~東京・両国国技館~

◇WBC・WBA世界フライ級王座統一戦 12回戦
 WBCチャンピオン            WBAチャンピオン
 寺地拳四朗(BMB) ○ 12R・TKO ● ユーリ阿久井政悟(倉敷守安)
              1分31秒
 
◇WBO世界フライ級タイトルマッチ 12回戦
 チャンピオン                       同級14位 
 アンソニー・オラスクアガ(米国) ○ 12R判定 3-0 ● 京口紘人(ワタナベ)
                 114-113、117-110、118-109


◇WBO世界Lフライ級タイトルマッチ 12回戦
 チャンピオン                 同級2位
 岩田翔吉(帝拳) ● 12R判定 0-3  ○  レネ・サンティアゴ(プエルトリコ)
        116-112、117-111、118-110

 

 

面白かったあ。

本当にどの試合も激闘でした。
3つの世界タイトルマッチがすべて最終の12Rまでもつれ込んで、
どの試合も激闘で・・・・・・堪能しました。


なんといってもメインの拳四朗vsユーリ阿久井の統一タイトルマッチは、
まさに「激闘」という言葉以外に表しようのない、
ものすごい戦いでした。

初回から両者が足を止めて打ちあう場面も多く、
両者の技術と気迫があいまった、
見ている者が思わず熱くなってしまうような素晴らしい戦いでした。

パンチの交換は毎ラウンド続いたのですが、
前半は見ている感じユーリ選手のワンツーが的確に拳四朗選手をとらえているように感じていました。
しかし中盤から拳四朗選手が巻き返したように感じられ、
最終ラウンドを迎えるにあたって、
「これはどっちが勝っているのか、全くわからんな」
という感じで見ていました。

迎えた最終ラウンドは、
ラウンド序盤に拳四朗選手の右が鋭くユーリ選手の顎をとらえ、
そこから乾坤一擲のラッシュ。

ユーリ選手も決して倒れることなく耐えていましたが、
既に棒立ちで拳四朗選手がパンチの乱れ打ち。

そして1分30秒を超えた時点で、
レフェリーが割って入りストップ。
拳四朗選手のTKO勝ちとなりました。


日本人同士の世界統一タイトルマッチは3度目という事で、
どの試合も盛り上がるのですが、
この試合はもう「今年度の最高試合じゃないの?」というぐらい、
素晴らしい試合でした。

最後は拳四朗選手の意地、そして経験が、
少しだけユーリ選手を上回ったということでしょう。

しかし。。。

両者とも、
ホント日本が誇るファイターですよ。
大きな拍手を送りたいですね。

拳四朗選手は、
もう自分に残されている時間はあまりないという事で、
「今後は自分がやりたい相手とやる」
という路線だそうです。

確かに、
もうすでに獲得できる栄光はほぼ、
獲得してしまいましたもんね。

予想される今後としては、
1階級上のスーパーフライ級に転級して、
”バム”ロドリゲスとか井岡一翔をターゲットにしていくつもりのようですね。

まあ、
バムは正直言って「強すぎる相手」だと思いますが、
やるってことであれば応援しますよ!

多分八重樫東が、
当時のPFPトップの、
ローマン・ゴンザレスに果敢に挑んで行ったような戦いになるんじゃないでしょうか。

八重樫は激闘で敗れましたが、
その戦いぶりは多くのボクシングファンの心をつかんで、
いまだに語られる【伝説のファイト】となっています。

ワタシは今さら井岡とやるよりは、
やっぱりバムとの対戦が見たいですね。

敗れたユーリ阿久井選手にも、
まだまだチャンスはそこら中に転がっていると思いますよ。

彼は今後の戦い、
どうするのかまだ表明してはいませんが、
このファイトで敗れたことは、
彼のキャリアにとって決してマイナスになることはないと思います。

再度世界チャンプを目指して、
再起してほしいなあと思っています。


そのフライ級戦線。
セミファイナルで行われたオラスクアガvs京口の試合も、
熱くなりました。

今完全にアップトレンドの真っただ中にいる”中谷の盟友”オラスクアガ。
強烈なパンチを持っていますから、
既に下り坂と思われていた京口との試合は、
ある意味「ミスマッチ」なんて声も聞かれていました。

京口は下の階級から上げてきた選手だし、
2階級制覇とは言ってもこのフライ級ではパンチの強さ、そして耐久力などの面において、
大きく差があると見られていたからです。

しかし昨日の試合は、
「やっぱり試合っていうのは、やって見なきゃわからんもんだなあ」
ということを強く感じさせてくれたファイトとなりました。

オラスクアガは初回から、
バズーカのようなパンチを振り続け、
「こら、一発当たったら終わりだな」
という予感めいたものを感じさせてくれました。

しかし京口は、
歴戦の勇士そのままに、
オラスクアガの強烈なパンチを見切って、
時折懐に入っていいワンツーを叩き込むなど、
素晴らしいアジャストした戦いを見せてくれました。

なぜ京口が世界の2階級を制覇できたのかを、
このリングの上で強烈にアピールしてくれた戦いでした。
素晴らしい戦いだったと思います。

前回拳四朗との統一世界戦に敗れてから、
何か迷走しているようにも見えた京口。
すでに30代も半ばに差し掛かり、
まだ”あの頃”の力を維持しているのかは懐疑的でしたが、
昨日はホントボクシング人生の集大成のような戦いでした。

しかし試合は、
終盤にかけてどんどんオラスクアガが圧力を強め、
「見栄え」という面でも上回ったか、
判定は結構差がつく感じで、
オラスクアガの手が上がる結末でした。

オラスクアガにとっては、
反省点もあるとは言うものの、
得難い経験ができたという意味で、
凄くいいファイトになったのではないでしょうか。

今後の活躍、
中谷とともに、
気になるボクサーですね。

京口は、
多分引退という事になるのかな?

しかし「語るべきファイト」を残して静かにグローブを置く、
何ともカッコいいエンディングのような気がします。


もうひとつの世界戦は、
初防衛戦に臨んだ岩田が、
プエルトリコのテクニシャン、レネ・サンティアゴにいいようにあしらわれて、
まさかの王座陥落となってしまいました。

これは意外でした。

強打の持ち主である岩田ですが、
技巧のある相手に対しては、
つかまえるだけの技術を持ち合わせていなかったなあ、
というのが印象ですね。

会場には、
岩田の出身校である立教小学校の後輩たちが100人以上も駆けつけて声援を送っていましたが、
それに応えることはできませんでした。

捲土重来を期して、
また一からの出直しになります。


最後に、
この日デビュー戦を迎えた、
2021年のアマ世界選手権、バンタム級の金メダリスト、坪井選手のファイトがありました。

いやあ、
坪井選手、
凄い選手ですね。

アマを主戦場にしていたので、
すでに29歳(?)になっているという事で、
残された時間がそう多くはないと思うのですが、
すぐにでも世界チャンプまで駆け上がっていける逸材に見えますね。

アマの時の彼の試合を見たことはないのですが、
昨日の試合を見ていると「こりゃ、モノが違うわ」って感じです。

ものっ・・・・・・・・・・すご~~~~く、
楽しみな選手が出てきました。
もちろん、応援していきます。


ということで、
ワタシは現地には参戦しませんでしたが、
ユーネクストで最後まで熱く観戦できました。

先月のアマプラの試合の時のも思いましたが、
「やっぱり、ボクシングって、おもしれ~なあ」
という事をまた思った夜になりました。

いま日本のボクシング界は、
やっぱり「黄金時代」の真っただ中ですね。


それなのに。。。。


今朝各局のニュースを見ていても、
この話題が全くなかったのはなぜ???

大谷とドジャースの来日の陰に隠れるのはまあしょうがないんだけど、
バドミントンの試合の2回戦(?)とか、卓球の試合とか、
そんなことの後ろに持ってこられるようなもんじゃなかったですよ、昨日のボクシングは。
何しろ世界統一タイトルマッチだったんだから。。。。

こういう扱いしているから、
ボクシングがどんどん世間と離れて行っちゃうんだよ。
ちょっとは考えなさいよ、地上波の各局は。。。。


とひとしきり愚痴を言って、
締めさせてもらいます。

ああ、コーフンした夜だったあ。



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2 コメント

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まさに激闘でした! (hanahana)
2025-03-16 02:11:07
両者、意地と意地のぶつかり合いという言葉がぴったりの内容でしたね。
いやあ、凄かった。

お互い一歩も引かず、初回から12Rまでずっとパンチの交錯であっという間の12Rでした。

今回、自分なりに採点しておりましたが、どっちにつけていいのやら難しいラウンドばかりで
昔のようにイーブンがあってもいいだろうにと、つくづく感じました。(イーブン肯定派なので)
結局、11R時点では1ポイントユーリが取っていました。
常に圧力をかけていたのはユーリの方だったという印象です。
有効打もユーリが多く感じましたが、しかし拳四朗もこまめにジャブをあてているので、
どっちに採点が転んでもおかしくない内容で、ホント素晴らしい試合でしたね。

最後の最後に、まさに拳四朗の真骨頂ともいえる逆転KO!
ここ最近はこのような、一気に形勢をひっくり返し、畳みかける試合ばかりで、新たな激闘王といってもいいのではないでしょうか。
そういった経験をつんできたかどうかの差が表れた結果だと思います。

いやあ先日の堤VS比嘉戦も凄かったですが、今回も凄かったなあ。
ホントに凄かった。という言葉しかありません。

さあ、次は新たな怪物、バム戦でしょうか。
すぐにとはいかないでしょうが、もうバム一択でしょうね。

まめちち様も八重樫-ロマゴン戦を思いましたか。
やはり彷彿させますよねえ。
今からワクワクが止まりません。



あと京口は結果は残念でしたが、久しぶりにいい試合が見られました。
動きも良かったですね。
得意の辰吉直伝の左ボディを交えたコンビネーションなんかホント綺麗だなと思います。

ただ、フライ級の壁でしょうかね。

倒すところまではなかなか難しいような印象です。まあ相手がオラスクアガなので。
しかし敗れても清々しい、やり切った感じのいい表情でした。
スリップのようなダウンも、万策尽きてこれ以上やっても・・・みたいな、なんかすべてを受け入れているように感じました。

おそらくこのまま引退でしょうかね。
大好きなボクサーでした。



PS

坪井選手、いいですねえ。この先楽しみにですねえ。
フィニッシュになったコンビネーションなんか凄いですねえ。
余裕というか、もうすでに風格さえ漂っていました。
その気になりゃもっと早い段階で仕留めれたと思います。もったいぶってたか?

井上がデビューした時と同じ「こりゃあすごいわ」感を感じましたね。
(井上は世界初挑戦でさらにその上をいく「こりゃあすごいわ」感でした。とくに1、2R!。圧倒的に圧倒してます。そんなコンビネーションある?みたいな。)
返信する
Unknown (まめちち)
2025-03-17 07:34:00
hanahana様、コメントありがとうございます。
hanahanaさん、今回もホント、面白かったですね。
拳四朗選手はずっと見てきた選手なので好きな選手なのですが、今回は若干ユーリ阿久井選手に肩入れして見ていました。

なんか、佇まいというか、そういうところが好きな選手なんですよね。
それにしても両選手のファイティングスピリッツ、そして技術など、本当に素晴らしいところばかりの試合でした。
拳四朗はやっぱりどつき合いに来るんだろうなあと思っていたら、やっぱりその通りでしたね。
かわいい顔指摘の強さは天下一品ですから、その面目躍如ってことでしょうか。

しかしユーリ阿久井選手のワンツーが何度も拳四朗選手の顔面にヒットして、その都度大きく顔面が揺れているように見えて、ユーリ選手が「見栄え」の面でも序盤はリードしていたように見受けられました。

中盤から終盤にかけて、拳四朗選手が「さすが」というところを見せて反撃を開始し、最終回まで手に汗握る攻防になっていましたね。ワタシは最終回を迎えるにあたって、両者ともにまだまだスタミナは残っていて、判定決着になるだろうと半ば「確信」していました。そして、その判定は、本当にどっちかわからない、そんな感じでしたね。

願わくば・・・・・ではないですが、
あとから聞いた判定では2者が1点差でユーリ阿久井選手有利とつけていたので、最終ラウンドに拳四朗選手が取っていれば、両社にダメージのない「引き分け」だったのになあ。。。。。そんな風に思いました。

勝った拳四朗選手は次の展望が開けていますが、敗れたユーリ阿久井選手はまた一からの出直し、これは正直、きついですね。
昨日のドヘニーみたいに、敗れた次戦にダイレクトでどっかのタイトルマッチ、組んでくれないかなあ。。。。ドヘニーと違って、実力はチャンピオン急なのは誰もがわかったと思うので。

拳四朗選手は、バムとの対戦希望をぶち上げましたが、個人的にはちょっとバムは強すぎるんじゃないの?と思わないでもないです。
もとより一クラス上の選手なんだし。

しかし常に強者を求めていくという、拳四朗のその姿勢は、一番ボクシングファンをうならせるところですけどね。

井岡との試合は、なんだかもうお腹いっぱいで(井岡について、ですが)、見たい気持ちは沸いてきませんね。
いずれにしても、この稀有なボクサーのキャリアの締めが、輝くものでありますように。

京口については、書いた通りです。
そして坪井に対する期待は、ものすごく大きいですね。

*昨日朝から、ドヘニーとニック・ボールの試合見ていましたが、感想はというと、「ある意味怖い選手であるのは間違いないけど、井上尚弥の相手としては、正直ちょっと役不足感もありますね。まあでも、上のクラスの選手で、さらに耐久力がありそうですので、怖い選手であるのは確かですけどね。
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