
カナダはイースターのお休みの真っ最中です。イースターは別名、復活祭。
イエス・キリストの復活を祝うお祭りで、イースター(Easter)という英語名は、ゲルマンの春の女神(Estera)から来ているそうです。
イースターは春分の日の後の最初の満月の次の日曜日と定められていて、毎年、日にちが変わります。11日の土曜日が満月なので、12日の日曜日がイースターサンデーという訳です。
写真は2004年のイースターに訪れたプリンスエドワード島の風景。
春の女神は一体何処に?と言うくらい、春の気配の欠片もないような寒さでした。
寒風吹きすさぶ道ばたにはまだ雪が残り、針葉樹の濃い緑色以外、森の木々は葉っぱを落としたままだし、海は海でこのように流氷(流雪?)が浮いてます。
氷に島の赤い土が付着してピンク色に染まっているのが、不思議な美しさでした。
グリーンゲイブルズも閉まっていて、ロブスター漁はまだ解禁前。観光客もまばらなPEIですが、島の自然は妖精に出会えそうな気分になる程、神秘的に見えました。
カナダの東部では、イースターの時期である4月中旬というのはまだまだ冬の続きのような季節で、本格的に春になって植物が目覚めるのは4月の終わりから5月にかけてです。
『赤毛のアン』では、第二十章にメイフラワーと共に訪れる島の春が印象的に描かれていますね。
the beautiful, capricious, reluctant Canadian spring、
”美しく気まぐれで、渋々と訪れるカナダの春”...何て言い得ているのかと思います。
The maples in Lovers' Lane were red-budded、
「恋人の小径」のメープルの蕾が赤らみ...この”赤らんだメープルの蕾”、まさに今、モントリオール市内の街路樹のメープルがこの状態です。
「I'm so sorry for people who live in lands where there are no mayflowers,(メイフラワーの咲かない国に住んでいる人たちをかわいそうに思うわ)」とアンが思い入れたっぷりに言うメイフラワー。
メイフラワーは、プリンスエドワード島の対岸のノバスコシア州の州花で、残雪の下で花を咲かせる事から、逆境に負けない強さが開拓者魂を象徴する花として愛されているそうです。
春の訪れを告げる花、メイフラワー。今年のカナダ東部は暖冬だったので、プリンスエドワード島ではそろそろメイフラワーが咲き始める頃でしょうか。
写真・文 藤本紀子