自宅で過ごす時間がまだまだ続きそうな予感の今日この頃です。
運動不足にならないように、ストレッチや軽い筋トレをするようにしています。
さて、恵まれない境遇で育った女の子が成長して、夢のような幸せを掴むというのが、たいていのシンデレラストーリーの定番ですが、《落窪物語》では、主人公の落窪の君(女君)は、実母が他界しており、父の再婚相手(つまり継母)の北の方から、まるで召使いのように扱われています。
北の方の実の娘たちや、その配偶者の着物を縫うように言われたり、女君の実母の形見の鏡箱を取り上げられてしまったり、家人全員でどこかへ出かける時も、一人だけ留守番に置いていかれたりと、仲間はずれにされるのは日常茶飯事です。
北の方は、自分たちの着物を女君に縫わせて着飾るものの、女君には自分たちの着古したボロボロの着物しか与えず、そのため、女君が初めて男君に会った時、あまりの自分のみすぼらしさに女君は恥ずかしくて、一言もしゃべることができませんでした。
年頃の娘の気持ちを汲み取った男君は自分が来ていた上衣を脱いで残して行ったのです。
このエピソードから、当時、衣服が貴重なもので、入手しやすいものではなかったことが分かります。
衣服は今のように、服屋さんで買うのではなく、女君のように縫物の上手な家人が布を裁ち、仕立てなければなりませんでした。
ですから、腕の良い家人がいると、衣服の仕上がりが見事で、そういう着物を身につけていることは殿上人の中でも、鼻を高くしていられることの一つでもあったようです。
ところで、継母の北の方から冷たい仕打ちを受けていたヒロイン、女君をさらなる試練が襲います。
中納言家の人間にはバレないように、こっそり女君のもとを訪れていた男君ですが、ある夜、二人が語り合っている姿を北の方に見られてしまいます。
身なりの立派な男君を見て、北の方は自分たちの娘たちの夫よりも身分の高そうな男君と付き合っている女君が憎らしくてたまりません。
女君が身分の卑しい男と良い仲になっているという嘘をでっち上げ、中納言に言いつけます。
それを真に受けた中納言は腹を立て、女君を納屋に閉じ込めてしまえと命じます。
さらに北の方は、自分の叔父で、やぶ医者の典薬助に女君を妻とするように言うのです。
突然、暗い納屋に閉じ込められ、年寄りの典薬助に夜毎言い寄られるというピンチに陥った女君を、男君は何とか救出しようと苦心します。
ヒロインが苦境に立たされるほど、そこから救われた解放感や喜びはひとしおというところですが、それにしても、女君の身に降りかかった災難はかなりのものです。
納屋の戸には鍵がかけられ、女君の味方の召使い、阿漕も自由に出入りすることはできません。
女君に忠実な阿漕は、夜毎納屋にやってくる典薬助から身を挺して女君を守ります。
そんな阿漕の働きが功を奏して、女君は貞操を守ることができました。
しかし、もうすでに女君と夫婦気どりの典薬助は、早速、歌を詠んで送ってきます。
第13位に選んだ歌は、その歌に対して阿漕が女君に代わって詠んだ歌です。
☆第13位☆
枯れはてて 今はかぎりの 老木には
いつかうれしき 花は咲くべき
《落窪物語》巻の二より 阿漕の歌
典薬助の歌は、「世間では老木と馬鹿にされるが、もう一花咲かせたい」というような内容でしたが、阿漕はその望みを打ち消すような歌を詠んでしまい、典薬助を怒らせはしまいか、内心ビクビクしながら渡したのですが、当の本人は返事がもらえて、単純に喜んだようでした。
ちなみに、次の晩は、女君が納屋の中から栓をして、典薬助が中に入れないようにしたため、典薬助は戸の前で長い間居座ったせいで、お腹を冷やし、下痢をしてしまったというオチがついています。
(今も昔も、下ネタは人気のようで。。。)
運動不足にならないように、ストレッチや軽い筋トレをするようにしています。
さて、恵まれない境遇で育った女の子が成長して、夢のような幸せを掴むというのが、たいていのシンデレラストーリーの定番ですが、《落窪物語》では、主人公の落窪の君(女君)は、実母が他界しており、父の再婚相手(つまり継母)の北の方から、まるで召使いのように扱われています。
北の方の実の娘たちや、その配偶者の着物を縫うように言われたり、女君の実母の形見の鏡箱を取り上げられてしまったり、家人全員でどこかへ出かける時も、一人だけ留守番に置いていかれたりと、仲間はずれにされるのは日常茶飯事です。
北の方は、自分たちの着物を女君に縫わせて着飾るものの、女君には自分たちの着古したボロボロの着物しか与えず、そのため、女君が初めて男君に会った時、あまりの自分のみすぼらしさに女君は恥ずかしくて、一言もしゃべることができませんでした。
年頃の娘の気持ちを汲み取った男君は自分が来ていた上衣を脱いで残して行ったのです。
このエピソードから、当時、衣服が貴重なもので、入手しやすいものではなかったことが分かります。
衣服は今のように、服屋さんで買うのではなく、女君のように縫物の上手な家人が布を裁ち、仕立てなければなりませんでした。
ですから、腕の良い家人がいると、衣服の仕上がりが見事で、そういう着物を身につけていることは殿上人の中でも、鼻を高くしていられることの一つでもあったようです。
ところで、継母の北の方から冷たい仕打ちを受けていたヒロイン、女君をさらなる試練が襲います。
中納言家の人間にはバレないように、こっそり女君のもとを訪れていた男君ですが、ある夜、二人が語り合っている姿を北の方に見られてしまいます。
身なりの立派な男君を見て、北の方は自分たちの娘たちの夫よりも身分の高そうな男君と付き合っている女君が憎らしくてたまりません。
女君が身分の卑しい男と良い仲になっているという嘘をでっち上げ、中納言に言いつけます。
それを真に受けた中納言は腹を立て、女君を納屋に閉じ込めてしまえと命じます。
さらに北の方は、自分の叔父で、やぶ医者の典薬助に女君を妻とするように言うのです。
突然、暗い納屋に閉じ込められ、年寄りの典薬助に夜毎言い寄られるというピンチに陥った女君を、男君は何とか救出しようと苦心します。
ヒロインが苦境に立たされるほど、そこから救われた解放感や喜びはひとしおというところですが、それにしても、女君の身に降りかかった災難はかなりのものです。
納屋の戸には鍵がかけられ、女君の味方の召使い、阿漕も自由に出入りすることはできません。
女君に忠実な阿漕は、夜毎納屋にやってくる典薬助から身を挺して女君を守ります。
そんな阿漕の働きが功を奏して、女君は貞操を守ることができました。
しかし、もうすでに女君と夫婦気どりの典薬助は、早速、歌を詠んで送ってきます。
第13位に選んだ歌は、その歌に対して阿漕が女君に代わって詠んだ歌です。
☆第13位☆
枯れはてて 今はかぎりの 老木には
いつかうれしき 花は咲くべき
《落窪物語》巻の二より 阿漕の歌
典薬助の歌は、「世間では老木と馬鹿にされるが、もう一花咲かせたい」というような内容でしたが、阿漕はその望みを打ち消すような歌を詠んでしまい、典薬助を怒らせはしまいか、内心ビクビクしながら渡したのですが、当の本人は返事がもらえて、単純に喜んだようでした。
ちなみに、次の晩は、女君が納屋の中から栓をして、典薬助が中に入れないようにしたため、典薬助は戸の前で長い間居座ったせいで、お腹を冷やし、下痢をしてしまったというオチがついています。
(今も昔も、下ネタは人気のようで。。。)
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