あぽまに@らんだむ

日記とか感想とか二次創作とか。

キャベツをさがせ!(トマニアス)

2020年05月12日 | 創聖のア◇工リ〇ン関係

 

 

これは2005年6月16日に書いた「創聖のアクエリオン」の二次創作SSです。

CPはマイナーな「トーマ×アポロニアス」です。※逆CPがメジャーでした。

然もアポロニアスは創られた天翅という俺設定で展開していきます。

腐的表現有りなので、大丈夫な方のみ下へスクロールしてご覧下さい。

↓↓↓↓

 

 

 

 

 

 

 

 

<キャベツを探せ!>


トーマが突拍子も無い事を言う事に、アポロニアスは慣れつつある。
しかし、今朝、情事の後に言われた台詞に、暫く振りに呆けた。

「子供が欲しい」

ベッドの中で上体を起こしたまま、アポロニアスは無表情で固まっている。
相変わらず頭の中はパニックに陥っているのだろう。
色んな事がグルグルと渦巻いているに違い無い。
天翅族は子供という概念は無い。
高天翅は生命の樹から産まれ、低天翅はプラーナの花から産まれる。
アポロニアスのような創天翅は、高天翅や大天翅から創り出される。
いずれも子供の姿の幼年期で産まれ、羽化して育ち青年期になる。
その為、親と子という関係はないのだ。

「…生命の樹から、最近天翅が産まれないから心配なのか?」

天翅族全体の子供の意かと思い、アポロニアスが恐る恐るトーマに聴く。
背を向けベッドに腰掛けているトーマの表情は見えない。
しかし、返ってきた言葉でアポロニアスは更に混乱する。

「翼、私の子供を産んで欲しい」
「無理だ!」

最近覚えざるを得なくなった突っ込みを間髪入れず入れる。

「私が幾ら創天翅でもそんな機能はない」

アポロニアスは何とか自制して真面目に答える。
情事の後が気持ち悪いので、ベッドの中でもぞもぞと身じろぐ。そして気付く。

「…トーマ、私の服が無いのだが…知らないか?」

イヤな予感がしてアポロニアスはトーマの顔を見ようと肩に手を置く。
するとトーマは輝かんばかりの笑顔で振り向いた。
アポロニアスにとっては愛しい恋人の顔だというのに何故か禍々しい気がする。
思いたくないのに思ってしまう程、凄い笑顔なのだ。

「君のお腹に負担が掛かるといけないから、新しい服を用意しておいた」
「私の話を聞いていなかったのか?(怒)」

アポロニアスの表情は変わってはいないが、声は明らかに怒っている。
しかしトーマは満面の笑顔を崩さない。それもかなり怖い。

「腰巻も冷えるといけないから少し長めにして…」
「だから、私は子供など産めないし、産むつもりもない!」

するとトーマはしゅんとして上目遣いになる。
アメジストのような瞳が哀しみに曇る。

「私を愛していないのか?翼……」
「……ぐっ…、……そういう訳では……」

言葉で愛を表現するのが、羽なしの都市を壊滅させるより遥かに苦手なアポロニアスは、
首まで真っ赤になって俯いてしまう。
そんな可愛い恋人を認め、策略家の前線指揮官はほくそ笑む。

「じゃぁ、産めるね」
「…なっ…だから…」
「ヨハネス様に機能をつけて貰う手筈は整えてある」
「……!!!」

アポロニアスは完全に固まった。

「ヨハネス様も久し振りに乗り気で、半陰半陽にするのもいいと言っている位だ」
「子供が出来たら育児休暇とやらを貰わないといけないな。
妊婦に戦争など行かせられないからね」

何処でそんな羽なしの文化のような情報を手に入れてくるのか知らないが、
アポロニアスには男性型天翅としてのピンチである。
女性機能まで付けられては、余計に狙われ易くなる。
円卓の13席の1人になったアポロニアスに手出ししてくるのはモロハ位だが、
今の実力では肘鉄のみで防御出来るし問題ない。
しかし、複数の天翅から好色な視線を向けられるのは耐えられない。

「可愛いだろうな。君に似れば紅い髪、私に似れば銀の髪になる。
男の子と女の子どちらでも美形になるのは分かっているが、やはり私としては…」

トーマは浸りきっている。
…今しかない。
アポロニアスはそろりそろりとトーマのベッドから身を起こす。
服が無いなら自室の予備が何枚もある。シーツを身体に巻きつけ、窓に手を掛ける。
大きな翼を広げ、一息に大空へ舞い上がる。

「あ!翼!ヨハネス様の処に行かないと!」
「誰が行くものか!そんなに子供が欲しければキャベツでも探せ!」

目尻に涙を一杯浮かべて怒鳴るアポロニアスは乙女並に可愛い。
アポロニアスこそ何処の羽なしの国の童話を読んだのだろうか。

「翼~~!!」

トーマの絶叫がアトランディアの城に響き渡る。
アポロニアスはまた、トーマの愛を受け入れるべきでは無かったのでは?
…と後悔したのであった。


<了>

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トーマは女性的な聖天翅でしたが、私は寧ろ男っぽい人だったのではと思います。
まあ、嫉妬に狂うとか執着するのは、女性っぽかったですけど。

 

 

 

 

 

 


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