あぽまに@らんだむ

日記とか感想とか二次創作とか。

スカイ・クロラ The Sky Crawlers(2008年)

2016年12月11日 | 映画関係









何で知ったのか思い出せませんが、ずっと観たいと思っていました。
今日時間が出来たので、何か映画を観ようと思い、「崖/の上/の●ニョ」と悩んだ挙句、期間限定かもしれないという危機感から「スカイ・クロラ」を観る事にしました。
何故、そこまで観に行こうと思っていたかと言いますと、全てはHPを開いた途端流れる物悲しいテーマソングが原因でした。
ハープ主体の哀しい運命を思わせるメロディ。そして物語。
「攻殻機動隊」「イノセンス」「アバロン」、色々と押井監督の映画は見て来て失敗は無かったので、その分期待もありました。
きっと、今迄観た事のない映画を見せてくれるだろう。
そう思い絶対に観に行こうと思っていたのです。
予定が押して更に道に迷いはしたものの、何とか15分前に映画館に到着。
夏休み、お盆というのもあって家族連れやカップルで大賑わいの中、何故かいい席が取れて一安心。

ネタバレが少し含みますので、大丈夫な方のみ、下へスクロールして御覧下さい。↓↓↓↓



























<スカイ・クロラ感想>






済みません。
初っ端から泣いてました。
実写かと見紛うような空中戦の後、HPで流れているテーマソングが流れて来るんです。それだけで泣けて来ちゃいました。
それ位、切ないメロディなんです。



アンニュイな雰囲気の基地での生活と死と隣り合わせの緊迫した空中戦の繰り返しの日々。
その中で主人公、優一(ゆういち)は次第に「キルドレ」の意味を知る事になります。
死なない限り年を取らず永遠に終わらない毎日。
初めて逢ったのに昔から知っている気のする上司、水素(すいと)。
彼女は何を知っているのか。



それでも……昨日と今日は違う
今日と明日も きっと違うだろう
いつも通る道でも 違うところを踏んで歩くことが出来る
いつも通る道だからって 景色は同じじゃない




ティーチャーと呼ばれる不敗のパイロットは、大人の男だと言う。
彼の機体を見て生き残った者はいない。
そして優一はある決意を秘め基地を飛び発つ。彼が選んだ道とは。



物語の中、主人公優一は結構グサグサ心に突き刺さる言葉を視聴者に投げ掛けてきます。
それは彼を取り巻く「大人達」をしばしば絶句させます。
それは平和慣れした今の私達に向けられたようで、どきっとします。
私が一番胸にずしりとした言葉を紹介します。
憤慨し、本部に乗り込む水素に向かって上司が「子供だな」と呆れて言うんです。
それを聴いた優一が不思議そうに逆に問い掛けます。



「でも、明日死ぬかもしれない僕達が大人になる必要があるんでしょうか」



これは現代の私達全てに当て嵌まる気がして、泣きそうになりました。
私もそうですが、大人に成り切れていない人の多い事か。
明日、親に殺されるかもしれない。
子に殺されるかもしれない。
通り魔に殺されるかもしれない。
物価が上がっても給料は上がらず病気になり、飢えて死ぬかもしれない。
税金が高くて一家で心中しなければいけないかもしれない。
平和で何不自由ない生活だと皆思い込んでいるかもしれませんが、私達を取り巻く世界は今危機に瀕しています。
気付かないのは死んでいるのと同じ事です。
先ずは気付かなければいけないのです。
そして昨日と違う今日を生きてみようとこの映画は言いたいのだと思うのです。
私達は彼等のように哀しいキルドレではないのだから。
人はいずれ大人にならなければいけないのです。




興味の湧いた方は、出来れば公式HPの押井監督のインタビューを読んだ上で観に行って頂きたいと思います。
「スカイ・クロラ」は大人も子供も観て欲しい作品です。
そして彼等の精一杯の生を見届けて下さい。




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2016/12/11 8年前ですが、結構際どい事書いていて自分ながら吃驚です。
価値観は変わってませんが、同じ事を今も掲載出来るのかなと苦笑してしまいます。





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