
日当たりの良い場所の、その幸せの影と
ささやかな仕種を見逃さないようにと
幼き日の僕が小さな声で、
日に焼けた肌と転んでばかりの膝小僧と一緒に
言っているような音
日が当たる音は聴こえるわけがないのだけど
聴こえるかのようなそんな錯覚を
浅はかなのに厳かな日常の一こまとして受け取った
ほんの数分
日が当たるところに温度が生まれる時
そこに音楽が生まれて
僕は日の光をかぶるように生まれたばかりの音楽と
ほんの少しの間
寄りそったり戯れたり、くるまれたり包んだり
時々、君に似ている
良く日の当たるこの音楽を溶けそうになりながら
幸せの影のように確かめる