● ARどうぶつ病院です。この時期の病気について。

ARどうぶつ病院の盛田です。
暦の上では今から二月中旬までが一番寒い時期と言われております。
この時期は気温だけでなく、湿度も下がります。



上記論文にもあるように、寒く乾燥している場合、一般的にウイルスはより長く感染可能でいられます(ウイルス活性がある)。
加えて環境中が乾燥することにより鼻腔・口腔内の粘膜も乾燥してしまい粘膜面の正常な免疫機能が働かなくなるため、ウイルスや細菌感染が成立しやすくなるのです。


http://sawagikyou.holy.jp/nature/kiken/yobou/v_06_shitsudo/v_shitsudo.htmlより

この仕組みが冬に風邪をひきやすい原因の一つです。
動物でいえば猫ちゃんのウイルス性鼻気管炎やカリシウイルス感染症、ワンちゃんのケネルコフといった病気はこの時期に流行ることが多いと思います。
症状はクシャミ、鼻水、咳、涙等が多いですが、軽症な場合、ご家族がみていない時に症状が出ていることもあります。
このような場合は病気の発見が遅くなり、より重篤な肺炎などを引き起こし、最悪死に至ることもあります。



なので、咳やくしゃみだけでなく、食事量の変化、散歩や遊びたがるか(運動量)も良くみてあげて、
「最近食欲が落ちた」とか、「動きたがらない」など、異常があった際はすぐに病院で検査してもらってください。
また、可能であればおうちの方のインフルエンザ予防も兼ねておうちに加湿器を置いて予防することをお勧めします。
湿度の目安は50-60％あればよいかと思います。

寒い冬もこの時期を越えれば…春はもうすぐです。