AR(エーアール)どうぶつ病院ブログ

川崎市登戸にあるARどうぶつ病院

院長やスタッフの日々のブログです

病院が伝えたいことを日々綴っていきます

● ARどうぶつ病院です。腫瘍コラム第4回「腫瘍治療のいろいろ①」

2018-10-24 16:45:54 | 腫瘍コラム

ARどうぶつ病院の盛田です。最近は昼夜の寒暖差が激しく、空気も乾燥してきてますね。今時分からウイルス感染が増えるので、皆様もインフルエンザの予防などを検討してみてはいかがでしょうか。

ワンちゃん・ネコちゃんに関してもケネルコフやネコカゼなども増える時期ですので、咳や元気・食欲の低下などありましたらかかりつけの病院様に相談されてはいかがでしょうか。

さて、今回のコラムは少し難しいので2回に分けてお伝えしようと思います。

腫瘍は治らない病気という認識が多く、腫瘍と言われた場合、この先につらく苦しい治療生活しか見えなくなりお先真っ暗になるようなイメージを持たれる方が多いように感じられます。

確かに悪性腫瘍は進行状況により、手遅れとなることもありますが、すべてが治らないものではありません。また、治らなくても痛みや苦しみを和らげることが出来ますし、腫瘍の進行を遅らせて少しでも楽しい生活を長く送るようにできるかもしれません。

上記の治療法はその治療の性質を表しており、

①完全に治すための治療を根治療法(こちらを提示できることは腫瘍を専門にする医者として非常にうれしいです)。

②根治はできないけれど出来るだけ痛みや苦しみを取り除いてあげる治療を緩和療法といいます。

また、根治療法を行う際、どうしても目に見えない病変(まだ検出できない転移病変や腫瘍周囲の浸潤病変)に関しても徹底的にたたくため行うのが補助療法といいます。

腫瘍に携わる医者であれば今後の生活を左右することから根治を簡単に伝えられないため、出来る限りの治療と術後の追跡検査や補助治療を行います。

この追跡検査や補助治療を行わない場合、一部の腫瘍では再発や転移のリスクは格段に上がることがあります。

なので、腫瘍を確定診断し、根治治療をした際は必ず術後/処置後の治療計画などを確認しましょう。

また、腫瘍の種類や進行度合いにより、提示できる治療法は変わっていきますので、お医者さんとよく相談したうえで、自分の家族であるワンちゃん・ネコちゃんの性格にあった最善の治療方法を考えていきましょう。

 

腫瘍は難しいですね…でも現在では腫瘍細胞のメカニズムが少しずつ解析され、それにより新しい薬も少しずつ出てきております。

外科手術以外でも根治治療になる治療方法が出てくれば…切に願います。

ドラマ「白い巨塔」財前の手紙より

「これからのガン治療の飛躍は手術治療以外のガン治療の発展にかかっている~(中略)~遠くない未来に癌による死はこの世から無くなっていることを信じている。ひいては僕の屍を病理解剖の後、君の研究材料の一石として役立ててほしい。屍は生きる死なり。」

名言です

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