今日は1月の3日。
学校はもちろん休み…。
そんな時に学校関係者には逢いとうない…
はずやのに
何の因果が重なったんか
勤務先の小学校・小宮山校長に誘われた。
(で…なんでか彼女である小泉も一緒に連れて来いって)
そもそもなんでそんな話になったんか…
は12月最期の勤務後に遡る。
『では 小宮山校長。お先に失礼します…』
『はいはい大谷先生よいお年を…』
『来年もご指導のほど…』
校長はオレが深々と下げ挨拶しとるんを遮った。
(まぁいつもの事やけど…)
『せや 大谷先生。』
『はいっ』
『自分…彼女おるんやったっけ?』
えっ?
いや…彼女はおる。おるけど…
そんな事公に公言しているでもなく…
いきなし話を振られたもんやからちびっとハズくなった。
『…大谷先生。おら…『あーおりますっ 一匹』』
テンパって小泉の事を一匹なんて答えてしもた(笑)
校長は『一匹ねぇー』とガハハハハっと笑った後
『3日…その一匹…彼女つれてうちに遊びにこないか?』
『えっ』
予想外の誘いに思ったより大きな声が出た。
『なんやーその嫌そうな声は』
『や…嫌とかやなくてその…驚いただけで…』
慌てて両手と首を横に振った。
『妻が…その最近韓国料理に凝っててなぁ。
来年のおせちは韓国風よー。なんてゆうんだが…』
『はぁ』
韓国風のおせちというのは聞いたことも観た事もない。
『たくさんの人に食べてもらって感想が聞きたいって言われて
学校の新米先生を連れて来いって…』
校長の奥さん曰く
若いひとならたくさん食べて意見もゆってくれるだろうという事らしい
韓国料理は嫌いやないけど…
校長の家に…
腕くんで悩んでたら ぬーんっと目の前に校長の顔が出てきた。
『頼むよ。大谷先生 このとおりっ!!』
★★★
学校の門をくぐった瞬間
カバンからスマホを取り出して小泉の名前を呼び出す。
何回かの呼び出しで電話に出てくれた。
『もしもしこいず『あーーーー大谷やーーーーーーー』』
名乗る前に名まえを言い当てられてもた(笑)。
『なぁ小泉 来年の3日暇か?』
『んーーーちょっと待って今スケジュール あ゛ーーーーっ』
『小泉っ』
『ごめん今手帳が落ちそうになってたから…えっと3日やんな』
3日3日と小泉の呟きが何回か聞こえて…
1分の沈黙の後
『3日なら大丈夫やでー❤』
『そしたらな…』
★★★
そんなこんなで現在に至る。
『大谷先生 さっ飲んで飲んで…』
『あーオレは今日彼女送るんで』
『なんやなんや そしたら小泉さんは…』
『はいっ。ちびーっとだけいただきます。』
目の前にあるんは
大量の韓国おせち(という名の創作料理)とキムチ…。
『大谷先生。どうかしら…』
『あっえっと美味しいです。このトッポギ…』
『それは…マカロニですわ』
なんで韓国料理にマカロニが入ってんねん。
白くて長いんはトッポギちゃうんかいっ(笑)
『大谷先生 小泉さんとの結婚はいつや?』
『『結婚っ!!』』
『あなた何聞いてるんですか!』
『いや…もし結婚するならオレが仲人を…』
『もーーーっあなたはすぐにソレなんだから…
大谷先生 小泉さんごめんなさいねぇー』
『い…いえ』
結婚か…。
考えてへん訳やないけど…
オレにとって結婚ってもう少し先にある気がする。
小泉は顔を真っ赤にして
『ま…まだですよ。あたし料理もなんもできひんし』なんて
校長夫妻に訴えとった(笑)
『ま…その結婚するときはオレに…』
『だからあなたは…』
校長夫妻を見てたらやっぱ結婚もええなぁって感じる。
けどあと少し…もう少しオレ自身に自信つけんな。
たくさんの料理を平らげて後片付けを手伝った。
食後のコーヒーを頂いたところで
オレらはおいとますることにした。
『もっとゆっくりしていってくれ』
『すみません…小泉明日仕事なんで…』
『そうか…。じゃあまた遊びに来てくれなっ リサちゃん』
『はいっ』
校長はいつの間にか小泉の事『リサちゃん』と呼んでいた
(オレなんかいまだに小泉呼びやぞっ)
『校長・奥さんごちそうさまでした。』
『じゃまた学校でな。大谷先生』
『はいっ』
玄関先まで見送ってくれた校長夫妻に軽く一礼して
オレらは家路を急いだ。
END
★★★
<おまけ>
『あーーーごめんなっ なんか…』
『えーそのごめんって(笑)なしやで』
『えっ?』
『あたし嬉しいねん❤』
くるりっと一回転しながら小泉は笑った。
『うれしい?』
『うんっ』
『何が『わからんの?』』
さて今年はどんな2人を
見せられるかなぁ