『わっっ…』
いまにも泣きそうな空が本気で泣き出した
結果
オレは頭からつま先まで見事にずぶ濡れ。
アパートまでは持つと信じとったから
傘なんて持ってへんかった。
チッ…っと舌打ちしながら
階段をあがり濡れた布バックから鍵を出そうとした
そん時 突然ガチャっとドアが開いた。
『大谷っ おかえ…『ただい…』あーーーーー!!!!待ってて』
小泉はオレの姿見てあわてて部屋の中へと戻ったんで
閉まりかけたドアをあわてて抑えて玄関へ滑り込んどった。
『大谷 大丈夫…はいっ これ…』
『あっ 悪いな。ありがとう』
バスタオルを受け取りずぶ濡れの体を拭いた。
『ほんまびしょ濡れやなぁ…それって水も滴る…んーなんやったっけ?』
『なんやったっけって?ほらオレの顔みてみっ』
『顔?』
小泉は首を傾げながらオレをじーーーっと見る。
じーーーーーーーーー
じーーー
じー
『あっ わかったっ!!中学生っ!!『ってなんでやねんっ』』
こんなアホな事言い合えるんもこいつやからやろな。
部屋に帰って中からドア開けて待っててくれてるんって
なんかええなぁって思うねん。
『で?なんやったっけ大谷』
『もう わからんならそれは置いといてくれ』
『えー』
『えーやないっ 部屋の隅っこへ置いと…ハックション!!!』
『あかん アホな事ゆうてたらアホな大谷が風邪ひいてまうっ』
なんて失礼な発言はあったものの
『勝手にやけどお風呂沸かしといたから早くあったまったほうがええよ』
『おぅ ありがとうそうさせてもらうわ』
今年は夏めっさ暑かった。
10月になってもそこそこ暑い日が続いてこのまままた夏になる?
なんて思っとったら急に寒ぅなった。
ついでに台風が同時に2つ。
そんで今日のこの雨。
天気予報無視して傘も持たんかった自分が悪いと自覚しながら
オレは冷えた体を温めるべく風呂に入ることにした。
★★★
『ふぅ ええお湯やった。』
風呂から出てきたオレが目にしたのは
キッチンで何やら格闘中の小泉。
手にリンゴを持って格闘中。
口を尖らせてリンゴを手の中でクルクル…
一つながりになった皮が流線型の螺旋を描いとった。
『へー 小泉ってリンゴ剥くんうまいやんけ』
『ひえっ!!!!』
オレが風呂から上がってきとんのも気づかんぐらいに集中しとったみたいで
いきなし声かけられたせいで
小泉のリンゴは あと少しの所でぷつっと皮が切れてしもた。
『あーーーーーー大谷っ』
『あ…』
『あとすこしやったのにぃ!!!』
切れてしもた皮とリンゴを持ちながら
恨めしそうにオレを睨んだ。
そんな秋の一日。
END
あたしもラブコン大好きです\(^o^)/
これからも更新楽しみにしてます!!
コメントありがとー