『おはよー』
『あーおはよう』
『今日ってむっさ寒ぅない?』
『寒いなぁ もう5月やのに。
こんな日にカーディガン着てくるん忘れたら最悪やんっ』
あはははははは…
とある堺の通学路
5月というのに肌寒いそんな朝
みんな学校指定のカーディガンを着込んで縮こまっていた
ただ…
ひとりのアホを除いては
『しゃ…しゃぶいっ へくしゅん』
そのアホとは想像通りの小泉リサ(笑)
リサは制服のブラウスのみやってん
まぁ救いなんは半袖やなかった事だけ
『あたしのアホアホアホっ』とリサは呟く
昨日教室にカーディガン忘れて…
もう一枚予備であるはずのんはおかんがクンリーニング屋に持って行った
学校指定以外のを着てくるというのもできひん
今は この寒さに我慢 という選択肢しかなかった。
『はぁ…けど学校行ったらカーディガンあるもん』
『よっデカ女おはようさんっ♪』
リサが振り向くと カーディガン姿の大谷。
『お…おはようごじゃ…っくしょんつ!!』
『わっ おまえ汚いっつばとばすなっ』
『とばしてへんっくしょんっ』
寒さのあまりくしゃみの連発
そんなリサを大谷はまじまじと見つめた
『なぁ…小泉 さむないん?』
『しゃ…くしょんつ!!』
リサの返事はくしゃみに変わる
『なんでそんな薄着なんか知らんけど…オレのん貸したるわ』
『え…ええの?』
『オレ 体鍛えとるし…』
リサは自分の方が背がでかいから…と言いかけてやめた
たまには人の親切素直にうけんな(笑)
大谷からカーディガンを受け取って袖を通すと
ほわんっと暖かくなった。
『あったかー 生き返るぅ』
『おまえ大袈裟やな(笑)』
『大袈裟やないよ。大谷のぬくもり…(はっ!!!)』
『オレのなんやて?』
『な…なんもない。大谷ありがとー』
リサが頬をなぜ染めたんか?
鈍感王子大谷にはわからんかった。
まだ恋が動く前のお話
end