Der König Hat Eselsohren

10日目その3(Highfield festival)

もと来た通りに、パイプの下をくぐり、バックステージの出口から出てみると、既に結構な密集状態。

この人達、みんな、Sportfreunde Stillerが好きなのか。

前の方にいるくらいだから、結構なファンなのかも。
まさかここにいるちっこい日本人が、既に今日のセットリストを持っていることなど、彼らには知るよしもない(笑)
でも、こんなに良くして貰って、さらに終わってからも戻っていいだなんて言われると、明日も、明後日も、会場に着いたら電話していい?とはちょっと訊きづらい…。

ステージ上は、既に写真で目にしている、グリーンと黄色の、今シーズンのセットになっている。
程なくして、3人が登場。
出だしから大盛り上がりだよ!
つーか、マジで、周りの人達みんな、一緒に歌ってるんだから、かなり熱心なファンだ。


ごめん。


ついさっきまで、3人を独り占めしてました。単に日本から来てるっていうだけで…f(^ー^;

さっき練習していた、"7 Tage, 7 Nächte"の出だしがばっちり決まる。
"Komm Schon"から"Unterwegs"への流れも完璧!



もみくちゃにされつつも、何故かひとりでにステージに近づいて行ってる自分(笑)
や、わざとじゃないって。
後ろからとか、横からとか、押されてるだけだって。
ちっちゃいから、抵抗できずに流されちゃうだけだって。



さすがに一列目までは出られないけれど、最初はステージから全然外れたところにいたのに、最終的には、Floのかなり近くまで行った。
たった1時間のステージだったけれど、す~ごい楽しい♪
またもや、歌詞全部を憶えきるところまではいかなかったけれど、一緒になって歌っていると、気分がスッとする!
そうそう、これを味わいたいがために、わざわざドイツまで来てるんだよ!

ただし、足は踏まれまくって、ドロドロだ…。
革のスニーカーなのがせめてもの救いだ。拭けば何とかなるだろう。
もし布のスニーカーだったら、明日からパンプスで野外ライブなんていう、とんでもないことになるところだ。
さらには、ジーンズの裾も泥だらけで、明日以降絶対に穿けない。
明日から2日間は、スカートにレギンスだな。


バックステージに戻る前にトイレを探してみたけれど、長蛇の列で、これを待っていると次のバンドが始まりそうなので、柵の近くに戻ってFabianに電話する。




繋がらない…。




出ないのではなく、全く繋がらない。
呼び出し音が鳴らないまま、「後でお掛け直し下さい」というようなアナウンスになってしまう。
ホントに、何度かけても繋がらない。
こまったな~。

仕方なくRüdeにかけてみるけれど、こっちは出ない。

そうこうするうちに次のBlock Partyというバンドの演奏が始まった。
どうすりゃいいんだ?
このままバックステージに戻れないとして、帰りのバスが出る2時まで、あと3時間半もあるのに。
密集した中にいると平気だけど、そこからちょっとでも離れると、めちゃくちゃ寒い。

と、そこへRüdeがバックステージから出てきた。
手にしていたビールを、セキュリティに紙コップに移し替えられてる。
今回はすぐこっちに気付いてくれたけれど、別に迎えに来たわけではなくて、実はこのバンドを見に来たのだった(笑)
でも「このバンド、凄く良いんだよ」と、隣に立って、完全に一緒に見る体勢。
すぐに周りの人達がRüdeに気がついて、次から次へと、一緒に写真を撮っている。
う~ん、ちゃんと人気バンドなんだよね。不思議な感じだ~!
だって自分は、写真をねだられている合間に、2口くらいしか残ってはいなかったけれど「飲む?」と言って、Rüdeからビールのコップを手渡されてるんだもん…f(^ー^;

そろそろ演奏が終わる頃になって、「君の分のパスを持って戻ってくるから」と、バックステージに戻っていった。
が、Fabianが見つからないのか、なかなか戻ってこない。
何しろ、吐いた息が白くなるほどだ。
寒い~!!

ようやく15分ほど経って、Rüdeが戻ってきた。
渡されたパスはネックストラップがついていて、明らかにさっきのとは別物(笑)
と、
「俺たち、1時半にここを出るんだけど、バスに一緒に乗っていく?」
ん???もしかして送ってくれるのかな???

「荷物をまとめてきて、一緒にバスでアルテナに行く?」

えぇぇぇぇぇぇ??????!!!!!
突然の話で、一瞬、思考が停止する。
そりゃ、行きたいような気もするけれど、一体何をどうすれば?!

「男ばっかりの中だけど、ちょうどベッドが一つ空いてるから、よかったら一緒に乗っけてってあげるよ」
でも、荷物はホテルに置いてあるし、今からホテルに戻って、すぐさまチェックアウトって無理だよ!

Rüdeの言ってることをきちんと理解するために何度も聞き返すと、向こうもドイツ語と英語となんども繰り返し説明してくれる。

それでも言いたいことをうまく言えずにいると、
「今から一緒にアルテナに行くんでもいいし、明日、アルテナからオイペンまで一緒に行くんでも、どっちでもいいよ」
ま、マジで?!f(^ー^;

いや、でも、どうしよう?!

かといって、こんなチャンスは滅多にない!!
アルテナのホテルだったら、帰ってからすぐにメールでキャンセルすればいいし、アルテナからオイペンは特に格安の切符がなかったんで買ってないし、乗換が3回もあって大変だし…。
「明日、アルテナからオイペンまでがいいな」
「じゃあ、そうしよう!」

ははは~♪大変なことになったぞf(^ー^;

「明日、スーツケースはどうすればいい?」
「会場まで持っておいで。バスに入れておけばいいよ」
明日の会場って、山の中腹だよな…。ま、なんとかなるか。

楽屋に戻ると、今度はPeterが同じことを訊いてくるので、こっちが答えるより先に、Rüdeが、アルテナからオイペンまで一緒に行くことになったよ、と答える。
楽屋の中には、さっきとは違って、スタッフがずらり。
ひとりひとり紹介してくれるけれど、さすがに名前は憶えられない。

程なくして、Peterとスタッフ達は最後のThe Killersを見に行くから、といって出て行った。
Floは先にバスに行ってるのか、さっきから姿が見えない。
再びワインを注いで貰って、少し暖まったところで、RüdeもThe Killersを見に行くというので、一緒について行く。
ひとりで2時までバスを待ってるんじゃ、さすがにきついけれど、この分だと1時半近くまで彼らと一緒にいられそうだ。

歩くだけで靴が脱げそうな、まるで田んぼのようなぬかるみの中を歩いていき、群衆の中にいると、やっぱりRüdeは写真責めにあっている。
微妙に絡みがちなヤツがいたんで、さらに場所を移動するけれど、あいにく目の前に大きな人がいて、全くステージが見えない。
「全然見えないよ」というと、「じゃあ、観やすいところにいこう!」

なんと。

PAのやぐら!!
笑っちゃうことに、Peter達も既にここに来て観ている(笑)
写真こそ撮らなかったけれど、ここからの眺めはまさに壮観だ!!
凄い!!
ステージも、群衆も、一望の下だ!!
でも、曲はちょっと上の空。
ステージを眺めながらも、なんて凄い夏休みになってしまったんだろうと思う。
まさかこんなところで、こんな風に、彼らと一緒にライブを見ることになるなんて。

途中でRüdeは楽屋に戻っていき、1時過ぎになって、Peter達も楽屋に戻るという。
「もっとここにいる?」
「や、戻るよ」
セキュリティに挨拶しながら、やぐらの周りの柵から出る。

Peterが、
「手を繋ごう」
えぇぇぇ??!!
はぐれないように、手を繋ぐって?!
これって、現実?!
人生って、こんなに驚くようなことが起こるものなのか?!
もとはと言えば、「せっかくだから、入り待ちでもしてみようか♪」と半分冗談で言ってたことだったのに。

楽屋に戻ると、みんな荷物をまとめて、出発の準備をしている。
荷物をまとめ終わったRüdeが、「じゃ、また明日」と言って出ていこうとするので、「このパスはどうすれば?」と借りていたバックステージ・バスを見せると、「これはここだけのパスだから、明日まで持ってなよ」
も、もらっちゃった?!f(^ー^;
Peterも出ていったところで、スタッフが「どうする?ここに残っててもいいよ」というけれど、そろそろライブも終わりそうなのでバス乗り場に移動することに。

バックステージから出たところで、ライブも終了。
人が出口に流れ始める。
ほとんどの人が左のキャンプ場へ行く中、ぽろぽろと右手のバス乗り場に向かう人に混じる。
あと30分。寒いなぁ。
湖面に霧が立ちこめている。

バス乗り場に所在なく立っていると、なんか、見たことのある人が。
Fabianとその彼女だよ(笑)
「何度も電話かけた?」
「うん」
「Floとか、みんな、俺に電話かけたみたいなんだけど、全然かからなかったんだよね。バックステージには戻れた?」
「Rüdeが来たからね」
「じゃあ、よかった」
Fabianが、
「バスでみんなと一緒に行かないの?」
というので、明日、アルテナからオイペンまで乗せて貰うことになった話をすると、
「一度乗ったことがあるけれど、窓が全然なくって、変な感じだよ。潜水艦みたいなんだ」
と苦笑い。

バスに乗ると、さすがに睡魔に襲われる。
爆睡したおかげで、あっという間にHauptbahnhofに到着(笑)
といっても、もう2時半なので、Fabianを探して挨拶する余裕もなく、タクシーに乗ってホテルに帰る。

部屋に戻って、まずは明日の電車の時間を確認すると、
「7時27分じゃん…」
ヘタしたら、昼も夜も何も食べられないかも知れない、と思って、出発を早くしたんだった…orz
7時くらいにはチェックアウトするつもりじゃないと。

逆算して。

起きられるのか?5時半に?
つーか、そもそも、普通だったらあそこで行くとは言わないだろう?男ならともかく(笑)
と、一瞬思ったものの、それは考えないことにした。
実際のところ、こういう場合についていかないように、親にしつけられてきたと思う(笑)
常識的に考えて、これは普通行かないだろう。
でも、今までと同じく、ここはゴーサインなのだ。自分の心のどこかで。
や、もしかしたら、冗談で、乗せていって貰えば、と言われてたからかも知れないがf(^ー^;
でも、大体において向こうも誰が、一緒に連れていこう、と言いだしたんだか。

とりあえず、ティッシュとトイレットペーパーをがんがん使って、スニーカーの泥をひととおりこすり落とし、シャワーを浴び、アルテナのホテルにキャンセルのメールを送って、4時。

もし、明日のライブに来る予定の人からメッセージが来ていたら、とは思ったけれど、見ないことにした。
だって、またずっとバックステージにいていいってことになったら、会えないし。
帰り際に、「じゃ、ツアーバスに乗るんで」とはさすがに言えないし(笑)

本当は、他にも色々とやりたいことはあるし、いっそのこと徹夜して、明日の電車の中で寝ても…と思わなくはないけれど、どう考えても電車の中の4時間より、ここのベッドで1時間半の方が良さそうだ。
何しろ、明日、Sportfreundeの出番は22時半なのだ。
少しでも休んでおかないと、体が保たない。

最近は、3時間寝ないと目が覚めないんだけど、一か八か賭けてみよう。

起きられたら乗る。
起きられなかったら、9時台の電車に乗る。


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