共和党の次期大統領候補、弟ブッシュ氏が首位に 前大統領「出馬してほしい」(msn産経ニュースの記事より)
かつて西洋文明を取り入れるためアメリカに赴いた福沢諭吉が現地の人にこんな質問をしました。
「英雄ワシントンの子孫は今何をしているのか?」
英雄の子孫だけに今でもセレブなのだろうと想像していると、その答えは意外なものでした。
「彼の子孫が何をしてるかだって?ハハハ、洒落たジョークだぜ、カウボーイ。そんなことはグーグル先生にでも聞くこった」
これが本場の『でもくらしぃ』なるものかと福沢は敬服したと今に伝わります。
そんな米国流デモクラシーの伝統は今も健在でしょうか?
例えば、前々回の大統領選では民主党の大統領候補は黒人のオバマと女性ヒラリー・クリントンでした。
どちらが大統領になっても歴史上初のことです。
売れないハリウッド俳優あるいは女性や黒人でも努力と才能で大統領になれる。
さすがは民主主義の本場アメリカと思わせます。
しかし、よく考えてみると案外そうでもありません。
上記事にあるとおり、共和党はブッシュ・ジュニアの弟さんが大統領選の候補に上がっています。
合衆国大統領の地位をパパ・ブッシュから親子二代どころか更に兄弟の間でまでたらい回そうという魂胆です。
保守的な共和党だから古臭いところがあるのだろうかと言えば、民主党も負けてません。
そもそもヒラリーさんが夫のビル・クリントンからのたらい回しです。
恐らく暗殺されなければ、ジョン・F・ケネディの弟ロバート・ケネディも大統領になっていたでしょう。
ようはアメリカだって歴史を経て社会的な階級が固定化されてきているという話です。
世襲制を擁護するわけではありませんが、これが世の常のようです。
昔『出羽守(ではのかみ)』という表現がありました。
「どこそこの国では…」と何かと外国を引き合いにして日本をあげつらう人のことを言います。
確かに他の国のいいところは見習うべきですけど、それほど良いことづくめというわけでもなさそうです。