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pcDuino3 nano の SPIを使います、のその後のダイオードの順方向電圧

2021-01-01 11:34:36 | pcDuino

タイトルの通りです。

前回の投稿でpcDuino3 nano用に製作したカーブトレーサシールドをPythonで動かします。

まずはpcDuino3 nanoのPython2.xからSPIを使えるようセットアップを行います。

次にシールド上のDACとpcDuino3 nano内蔵のADCを利用するプログラムを作成し、その後、実際に何種類かのダイオードを使って順電流If-順電圧Vf特性を測定します。

 

***** SPIの用意 *****

...はここの解説の通りです。

全くの受け売りですが、一応日本語でも書いておきます。

PythonからSPIを利用するには2つのソフト、Python-devとSPI-pyをインストールする必要があります。

 

(1)Python-devをインストールする

Python-devはubuntuのリポジトリにあります。

デスクトップからSynapticを起動して(パスワードはubuntu)、Python-devを探してインストールするか、コンソールを開いて

 

apt-get install Python-dev[Enter]

 

とタイプしてインストールします。

Python-devが何をするものなのかは知りません。

でもきっと必要なんでしょう。

 

(2)SPI-Pyをインストールする

SPI-PyはGithubにあります。

PC Duino3 nanoの Webブラウザで以下のアドレスを開きます。

 

https://github.com/lthiery/SPI-Py

 

"Code"の部分をクリックし、表示された選択肢の中から"Download ZIP"をクリックします。

 

以下の場所にZIP形式で保存されます。

 

/home/ubuntu/Downloads

 

LXTerminalを開き

 

cd Downloads[Enter]

 

でダウンロードフォルダに移動します。

 

unzip SPI-Py-master[Enter]

 

でダウンロードしたzipファイルが解凍されます。

 

cd SPI-Py-master[Enter]

 

で解凍されたフォルダに移動し

 

sudo python setup.py install[Enter]

 

でインストールされます。下の画面を参考にしてください。

 

***** インストールが完了したら *****

あとはPythonから

import spi[Enter]

と打てばSPIが利用できます。

 

***** プログラムの説明 *****

こちらにPythonのソースを置いておきます。コンソールから

 

python Main.py[Enter]

 

と打って実行するか、SpyderなどのIDEで読み込んでMain.pyを実行してください。

実行すると順電流Ifを0から1.2mAまでスイープさせた時の順方向電圧Vfの値がだらだらっと表示されます。

ファイルに保存したい場合は

 

python Main.py >ファイル名[Enter]

 

と打つと、テキストで保存されます。

例えば

 

python Main.py >TestData1.csv[Enter]

 

と打てば TestData1.csv という名前で保存されます。

その間10秒くらい、画面には何も表示されませんので、あわてずに待っていてください。

 

***** 実験 *****

次の4種類のサンプルを用意して順方向電流If vs 順方向電圧Vf特性を測ってみました。

 

(1)  赤色LED                OSR5JA3Z74A

(2)  小信号用ダイオード  1S2076A

(3)  小信号用SBD          SD103A

(4)  抵抗                      10kΩ +/-0.1%

 

(3)はショットキーバリアダイオードです。(4)の抵抗は回路の動作確認用です。たまたま部品箱に高精度のものがあったので使いました。

測定の様子はこんな感じです。

 

結果をMS-Excelで読み込んでグラフにしたものが下の図です(Gnumericを使うと思った?)。

 

まず10kΩ抵抗ですが、電流が低いところでは順方向電圧Vfが理論通り一直線に上昇していますが、3Vに達したところで飽和しています。

これは今回電源電圧の制約が非常に厳しい中で設計したため、仕方がありません。

次に赤色LEDのOSR5JA3Z74Aですが、順方向電圧Vfはおよそ1.7~1.8Vとなりました。

データシートによるとVfは2.1V(typ)ですが、これはIf=20mAの時の値ですので、今回の測定結果は妥当なところです。

1S2076AとSD103Aは構造の違いが良く表れています。1S2076Aは一般的なPN接合のダイオードでVfがおよそ0.6Vなのに対し、SD103AはショットキーバリアダイオードなのでVfが0.2~0.3Vと低くなっています。

なお、両者とも今回の測定電流は小さいため、データシート記載のVfより低めの値となっています。

 

というわけで、あけましておめでとうございます。

ダイオードの電気的特性を測りたい時にpcDuino3 nanoは有益であるということが証明されたところで、今年もよろしくお願いいたします。

 

おわり

 



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