
新宿の思い出横丁のラーメン屋でバンコクからモバイルでタイモードに。フランス語を話しているギャル二人。中国人と思われる賄いさん、日本のサラリーマンが一斉にこちらを視る。カウンターの中国人は特に不思議そうに、いや怪訝そうな顔をして話の内容を探っている様子。バンコクは公安のスパイは至る所にいて見張っている。いや彼らが知られてはイケないものがあるようだが、同じ目付きがここにあるとは思わなかった。外に出るとタイ人の観光客が世界残酷物語を撮ったヤコペッティのような未開人を観る顔付きで思い出横丁を撮影していて、こういう時代にタイ映画の特殊性やフェチを拡散して何になるのだろうと疑問が頭を掠める。バンコク映画祭でのタイ観光局のヤラセ・汚職問題が発覚して、まあ当然かなという感じ。それにしてもホテルの会場はタイだか香港だか分からないような業界の雰囲気に嫌気がさしているが、香港の配給会社オーナーの親戚という美しい女性とのビジネストークでいろいろな世界を垣間見る。でもそれがどうしたと言うのだ。そういうことに引きつられてタイ映画を紹介しているではないし、真摯でピュアなものが一欠片でもなければ精霊のないバンコクの夜のようで、未熟さや彷徨こそ歓迎され評価されるべきである。
「Bangkok on 1977」というYoutubeの映像はこういう目に気が付かなかった頃の懐かしい空間にTunngのCansという曲がピッタリする。「Here come another one」という歌詞の「Here come」がどう聞いても「Mekong」に聞こえて「メコンはもう一つの・・」と全体の歌詞もピッタリとハマる。Tunngはイギリスのフォーク・エレクトロニカに分類されるグループで、ともかく歌詞が冴えている。ボブ・ディランが社会風刺を唄ったが、Tunngらは聞き手がどのように受け取っても解釈できるような多角的な方向性を有効性を見いだせる貿易のアジェンダのような歌詞が今風なのだ。あのピーター・ゲイベルが民族性をビジネスにした音楽で、これがサード・ワールドだと歌舞伎役者のようにミエをはったが、あれは国連が民族の一体を訴えるパロディにしか思えないエンタメだ。
タイのフォークというとカラバンやカラバオのように軍政に全然反対しなくなったグループが有名で、そういえば日本の水牛楽団など一度もバンコクの集会で演奏したのを見たこともない。それでも今でも命がけで反政府の歌を辻説法のようにギターを片手にどこからもなく現れて演奏している無名のシンガーが沢山いる。仲間なのか、何か叫び声が聞こえて普段着のバイクタクシーのような格好をした公安が来るとバタバタと慌てて仲間と一緒にどこかに消えて行くのを何回も目にしている。彼らが恐れるのは91年のスチンダ軍事政権の時のようにロイヤルホテルに立て籠もった反王政派の市民多数を後手に縛り目隠をして、銃で頭を撃ち抜く位は朝飯前というのは知っているからで、刑務所の中では何があっても外部に漏れることはない。
このタイ軍部による殺略の映像は残っている。というよりつい最近までは屋台で売られていたが、「遺体はどこに?」という疑問。山林に捨てられたとか、ウワサはあるが2-3年前に軍港のあるサタヒープの海底にコンテナが発見され中に多数の死体が確認されたそうだ。この時にあのパンクバンドのように髪の毛をピンクとグリーンに染めた有名な女性検死医が、あのあのクーデターの反対派の死体とは無関係という結果を発表した。しかし、「ではその死体はどこから来たのか?」という問いには「知らない」との答え。だが、テレビの映像の間には一瞬、狼狽えた表情は見逃せない。6000万といわれるタイの総人口だが、すべての軍や王政に関する批判は封じられて、日本へ観光だけでは飽きたらず地方の詳細な情報を求めに来るようになってもタイのあの時の被害者への家族の説明も、ましては補償など何もなく、人々はすべては快楽を先取りして問題の先送りで、この閉塞感は日本にも上陸したのか感性に響いてタイ人を見かけるたびにラーメンも落ち着いて食べられないのは困りモノだ。
https://www.youtube.com/watch?v=xjcmECfHj6w
Cans by Tunng
Here comes another one
Faster than the one before
Here comes another one
Faster than the one we saw before
Another bus another plane
Weve done this all a hundred times before
Lets stitch another one
First one to the ceiling gets the floor
Bright lights block out the sun
No time to sleep all time to turn
Because there goes another one
Stand on the edge and watch it turn
And if you find you feel you're falling through the floor just put your hand out in the dark and feel the bones inside you singing out again
A pint of this will take your legs off at the knees and pull your spine out to a cord and leave it glowing on the floor inside the rain
All decisions pleasure made
Lift up our bodies in the air
Just to feel another one
Fall out of the tube and hit the air
Let's all march into the sun
Friends we remain for friends we are
Walk towards the sleeping sand
Bolted together like we are
And in the morning we'll turn on t.v.
And watch the news and eat cornflakes
As continents divide
It's fine if we are by our side
And in the evening we'll turn off t.v.
And watch the stars
And crack open a can or two
And it's all fine if we are by our side
Here comes another one
Faster than the one before
Faster than the one we saw before
https://www.youtube.com/watch?v=xjcmECfHj6w&t=141s
Link: http://www.vagalume.com.br/tunng/cans.html#ixzz3YyYZO4Lw
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