警察署の駐車場。いつも夜になると不思議な霊気が漂ってくるのは事故車からか。たぶんここに死体が挟まれただろう運転席とハンドルの間のわずかな隙間。ガラスは割れて外気とホコリにまみれた車中からはかすかな血の匂いが。こういう高級車やトラッックがなぜか引き取り手のないまま放置されている。署内の取り調べ室は蛍光灯のくせにやけに暗い印象。もう仕事がたまらなく嫌だと顔に書いてある小役人顔の係官。隣では浅黒く汚く、 . . . Read more
何か入り口の方で賑やかになったなと思っていたら突然保健厚生相が部下を従え事務所に入ってきた。タクシン首相の懐刀として彼女は政権発足後わずかにして全国であっと言う間に喫煙規制を導入して愛煙家やレストランのオーナーを恐怖のどん底へ陥れた張本人である。あれよあれよとタバコのパッケージはガン末期の患者の写真が義務つけられ、メディアでは喫煙シーンはお酒と並んで禁断のものとなった。といってもここは省内なので年 . . . Read more
タイ映画の高い水準を示す作品の一つ。1942年、旧日本国軍がジャワで印刷した新札の一部が地方の有力者グループ(自由タイ運動)に強奪される。戦後、そのお金の在処を探そうと有志が同じボートでそれぞれの事情を抱えた問題や欲望への解決するための旅をするストーリー。難病の両親への薬代、恋人のため戦争がもたらした日常の変化のなかを人間にとってお金とは...を真摯に描いた作品。Satangというのはもちろんタイ . . . Read more
私の年代ではドタバタというと敬愛する筒井康隆の作品を連想するが、この映画はかなりあの懐かしい時代の意味のないドタバタをホラーというオブラートで包み、しかもアフリカというブラックジョークでタイよりも低位とされる第三世界を巻き込んだどうしようもない代物。この作品の背景に見え隠れするのはやはりブードゥ教なのか、それともタイでの「ブッシュマン」のヒットの柳の木の下の鰌を狙ったものなのか、制作会社に聞いてみ . . . Read more