汗と涙の着物生活 

突如着物に目覚め、ついに着物作成に挑戦。着付けに涙し、とどまらぬ物欲に冷や汗の毎日。

折る文化

2009-11-24 | 考えたこと
ついこの間まで開催されていたサントリー美術館の「美しの和紙」展を見て、つくづく日本というのは「折る」という行為が高度に発達した国なのだな、と思った。
「折型」などという伝統があり、紙の折り方によって礼儀を表す。Wikipediaによると、鎌倉幕府や室町幕府は、この作法をつかさどる役所を置いたたそうだが、そんな国は他にあるのだろうか?

「折る」という行為は紙だけではない。着物でも、布を折るところが意外にもたくさんある。そして、いかに折り方をうまく行うかで着付けの良し悪しが左右される。

たとえば、おはしょり。
リサイクル着物を愛用している私のような人間は、身丈が一定ではないので、腰紐の位置によってこのおはしょりをどれだけ折り込むかで丈を調整する。よくあるのは、腰紐の位置が低すぎて、おはしょりがベローんと大きくなってしまう失敗。非常に子供っぽく見えてしまう(ただでさえチビなのに・・・)。写真はやや失敗例。

また、身頃で余った分を脇で折り込んで前から後ろに倒し、紐と帯で押さえる。こんなこと、着物を着るまで知らなかった。体にあわせて幅も厚みも造形的に作る洋服の国では、余った分を折り込んで調整するなんて創造もつかないだろう。

下半身の前身ごろも、大きかった場合は下前を前に折り込んで調節する(これを後のほうに巻き込むようにすると、足が開かなくなってしまう(涙))。

余った分を折り込んで、というのが日本文化のゆえんで、決してギャザーを寄せるようにしわにして調整したりはしない。そんなことしたら、着物がしわしわになってしまう。あくまで「折り目正しい」ことを目ざすのが、和の世界なのだ。


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