Vばら 

ある少女漫画を元に、エッセーと創作を書きました。原作者様および出版社とは一切関係はありません。

「ベルばら」の面影を追う

2015-02-27 23:05:29 | つぶやき

 「おにいさまへ--」「オル窓」を読んでいると、ついつい絵の中に、オスカルやアンドレの面影を追ってしまう。辺見武彦にアンドレを見ようとする。ユリウスに、どこかオスカル的な部分がないか探そうとする。全然別作品なのに、オスカルやアンドレに会えることを期待している自分。今はもうないけれど、10代の頃はこんな気持ちで「オル窓」を読んでいたから、ユリウスが次第にオスカルと全然違うことが分かり、読むのをgive upしてしまった。作品に対し、申し訳ないことをしたと思っている。

 辺見武彦は、「あぁ、もしアンドレの左目が失明していなかったら、こんな顔立ちだったろうな。」と思いながら読んでいた、ユリウスはブロンドの髪をした男装の麗人なので、オスカルとの共通点があることを期待して読み進めていた。蕗子さまの髪型はアントワネットそのまま。1789年7月14日以降も、オスカルとアンドレに会いたかった自分。

 「オル窓」第1部のユリウスはとても威勢がよく、音楽学校ではモーリッツやクラウスにも食ってかかる。しかし物語の比較的早い時期に、ヤーン先生殺害で罪を背負ってから、次第に活発さが失われ、記憶喪失とともにまるで別人の風貌になっていく。オスカルが自分の信念を貫き、革命に命をかけて戦ったのとは対称的。今ならユリウスはユリウス、オスカルはオスカル、両者は男装していても、まったく違うキャラだということが、よくわかる。

 「おにいさまへ---」「オル窓」を、今度はなんの思い込み知識を持たず、読み返したい。

 読んでくださり、ありがとうございます。



8 コメント

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☆今夜はさむ~いです☆ (鈴蘭の精)
2015-02-28 00:42:49
りら様のつぶやきから、一人一人、作品に対しての思い入れ、読み進め方は色々ある事、でも
それがとても素敵な事だと、思いました。
私は、リアルで読んでいないので、物語の続きを次号に待つワクワク感を体験出来ませんでした。
オスカル様とアンドレを現在に置き換えて、辺見氏と薫の君に重ね合う、二人を身近に感じる事ができ、ロマンチックです^^。

そして今、年月を隔てて又、違った読み進め方をする。 新しい発見が沢山有りそうです~♪。
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鈴蘭の精さま (りら)
2015-02-28 01:09:11
 コメントをありがとうございます。夜になり、冷え込んできました。鈴蘭の精さま、風邪などひいていませんか?「オル窓」は第1部と第2部前半は、リアルタイムで読んでいたのですが、次第にユリウスが、私が勝手に思い描いていたオスカルのような女性ではないことが分かり、読み続続けるのを断念しました。10代前半で理解するには難しすぎました。連載が「セブンティーン」に移ってからは、次第に雑誌を買わなくなっていきました。

 鈴蘭の精さまは、どのような思いを感じながら、池田先生の作品を読んでいらっしゃいますか?どのように池田先生の作品と出会いましたか?
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。☆。少女漫画が好き 。☆゜ (鈴蘭の精)
2015-02-28 23:07:28
私の手元にあるのは、ベルばら、オル窓のみです。おにいさまへ、短編、外伝はすべてお友達に借りて読みました。 そして、先生が声楽の道へ進まれ、歴史物を書かれるようになってからは、かなり長く遠退いていました。ただ、最後の少女漫画オル窓だけは、特別な存在です。人生の不条理を描かれた内容の犠牲になった様なユリウスは弱々でダメダメでもいとおしく幸せになってほしいヒロインです。 オル窓はきっちりした結末を出さない終わり方のお陰で私の中には窓の悲劇を無視した幸せなお話しの創造の世界が広がっています。 昨年のベルばら復活により池田ワールドに帰って来ました。 りら様のブログにも巡り会えた訳です。
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鈴蘭の精さま (りら)
2015-03-01 01:18:10
 コメントをありがとうございます。私も「ベルばら」や池田先生の作品と離れていた時期がありました。時折「ベルばら」が無性に読みたくなる時もありましたが、本格的に復活したのは、3年前からです。池田先生が声楽の道を歩まれると知った時、もうこれからは漫画を描かないのだろうかと、がっかりしました。

 「オル窓」は10代前半で読むには難しすぎました。だからセブンティーンを途中まで読んで断念。しかし大人になって読み返すと、まるでパズルのピースが1つ1つ埋まっていくように「あぁ、こういうことだったのか!」と納得する場面が多かったです。

 鈴蘭の精さまは、どんな幸せなお話を考えていらっしゃいますか?鈴蘭の精さまの心の中で、ユリウスはアレクセイと、平和な時代に娘と一緒に幸せに暮らしているのでしょうか?オスカルとアンドレにも、もう少し長く幸せな恋人の時間を持たせてあげたかったなあと、いつも思います。
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。☆゜未来につながるお話しです。☆゜ (鈴蘭の精)
2015-03-01 09:17:47
ミハイロフ一家三人、スイスで*幸せ*に暮らしています。 ♪サウンド オブ ミュージック♪
みたいでしょ!
詳しい内容は恥ずかしいので、内緒です。

もし、何年か先に、オル窓第5部が描かれる事があっても、又、違う*お話し*が楽しめると思い、嬉しいです^^。
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鈴蘭の精さま (りら)
2015-03-01 11:57:48
 コメントをありがとうございます。ミハイロフ  一家三人が平和なスイスで幸せに過ごす---素敵ではないですか!三人とは、ユリウス・アレクセイ・娘でよろしいでしょうか?ご近所にはジャルジェ一家三人が暮らしていたりして---。時折、ホームパーティを開いて、互いの家を行き来する。すみません、私の妄想が膨らんでしまいました。

 池田先生が「オル窓」の新作エピも描いてくださるといいのですが、音楽活動もされているので難しいかなぁ。気になるのは、やはりユリウスの娘でしょうか?
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「おにいさまへ」大好きです (ミント)
2015-03-02 17:58:44
この頃の絵大好きです。
そうです、りらさまのおっしゃるように、オスカルの面影おっていました。
強烈な思い出は番外編だけでは癒されませんでしたものね。大作の間ですが、一枚一枚の絵を飾っておきたくなる少女漫画の金字塔のような作品だったと思います。
コミックも出版が少なかった当時、下宿していた京都の街中を1日かけて本屋さん巡りをして探したことを思い出します。いつまでもこの絵柄で書いていただけると思っていましたので、エロイカの時は大ショックでした。
(そんなわけにはいかないと今になっては思いますが)間の作品を読んでいないわけではなかったですが、売り文句がベルばら登場人物も云々でしたから…。
BSは音楽が故羽田健太郎さんという豪華なものでしたね。絵柄はエースをねらえとあまりかわらなかったような?気もしましたが。とても思い出深い作品です。
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ミントさま (りら)
2015-03-02 21:13:09
 コメントをありがとうございます。「ベルばら」後半から「オル窓 ウィーン編」にかけて、池田先生の画風が最も華やかで、美しかったように思います。昨年「わたしのマーガレット展」を見て、「オル窓」の絵は、十分大人になった今、とても惹きこまれます。漫画を飛び越して、芸術作品のようにさえ思えました。「おにいさまへ」も同じです。一枚の紙の上に、こんなにも豊かで華麗な世界が広がっているなんて!これを描くのに、どれくらいの時間をかけたのだろうと思いました。

 やがて池田先生は少女漫画から、もっと大人の鑑賞にも堪え得る漫画の世界に入っていき、画風も変化します。「エロイカ」はとてもリアルにナポレオンを描いていますよね。晩年はハンプティ・ダンプティのような体型ですし---。

 BSの「おにいさまへ」は、手塚プロが制作に関わっていた記憶があります。ハネケンさんの音楽、懐かしいです。出崎さんがプロデューサーでしたね。女子高もの、ソロリティという独特な世界---完全に昭和の香りいっぱいの少女漫画でした。なぜか最近無性に、このころの少女漫画を読みたくなります。
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