珍しくヴェルサイユに雪が積もった1789年2月上旬のある日、オスカルは自分の部屋で久しぶりにヴァイオリンを弾いていた。同じ曲を何度も何度も。
1か月ほど前、アントワネットから「折入ってお願いしたいことがある。」と私信が届き、久しぶりに参内した。近衛隊時代、毎日通ったヴェルサイユ宮殿。正門をくぐるとかつての空気、人々のざわめきがオスカルの体を包み込む。「ああ、懐かしい。私はここで15年近く王妃さまにお仕えしたのだ。ここは何だか第二の故郷のようだ。」衛兵隊に異動してからは、特別な招集や警備がない限り宮殿から足が遠のいていた。顔馴染みの近衛兵がオスカルに気づくと、さっと身を正し敬礼した。オスカルは微笑んで返礼した。
王妃がごく親しい人しか通さない部屋に特別に案内され、オスカルはロココ風の椅子に座ってアントワネットが来るのを待った。「この秘密の部屋は国王さまでさえ、許可がなければ入ることができなかった。王妃さまがお子さまたちをお生みになる前はポリニャック伯夫人が日参しては賭け事をしていたな。ローズ・ベルタン嬢が王妃さまの採寸をしたり、フェルゼンが人目を忍んでやってくることもあった。私はドアの向こうの小部屋で警備していた…。そんな日もあったな。」オスカルが昔を懐かしんでいると、ドアが開く音がした。
「オスカルは、いるかしら?突然、お呼びしてごめんなさい。」
オスカルはすぐに立ち、膝まづいてアントワネットの手の甲に軽くくちづけをした。
「王妃さま、お元気そうでなによりです。」
「衛兵隊はどうですか?もう慣れたかしら?近衛隊と違って、兵士たちを束ねるのはさぞ大変だと思いますが…。」
「仰せのとおり一筋縄でいかない者が多いです。けれどこちらがきちんと筋道を立て、心を割って話せば気持ちは通じます。そうやってじっくり時間をかけ、隊員たちと信頼関係を築きながら、どこに出しても恥ずかしくない隊にしたいと考えております。」
「あなたはどんな環境におかれても、立派に自分の任務を果たすことができる人です。衛兵隊はこれから変わっていくでしょうね。」
「ありがたきお言葉でございます。ところで王妃さま、今日はどのような御用で私をここへ?」
「そのことですが…お掛けになって、オスカル。あなたも知ってのとおりジョゼフの病状が…どんどん悪くなっています。もうそう長くないでしょう。今年の夏まで持つかどうか…」
「王妃さま…」
「近いうちに再びムードンへ、療養のため移すことになるかもしれません。」
「……」
「そしてもうここには…」
「王妃さま…」
オスカルは椅子から立って、アントワネットの手をしっかり握った。アントワネットは泣き出してしまった。
「ごめんなさい、取り乱した姿を見せてしまって…。」
「いいのです、王妃さま。この私に何かできることがございますか?」
「来月14日前後、あなたのご都合の良い時に、ささやかなヴァレンタイン・パーティを開こうと思うの。ぜひいらしてくださらないかしら?あの子に代わってお願いいたします。」
「ぜひ伺わせていただきます。お日にちですが、護衛の間にアンドレが控えておりますので、すぐに彼に確認してまいります。王妃さま、少々お時間を頂けますか?」
「この寒い時に、護衛の間でアンドレがずっと待っているのですか。だったら彼もこちらへ。」
「ありがとうございます。」
オスカルはアンドレを伴い、再び王妃の私室を訪れた。
「アンドレ、私の来月の予定はどうなっている?」
こういうときのため、従卒としてアンドレは常に小さな手帳を持ち歩いていた。地味だが仕立ての良い宮廷着の内ポケットから、濃い緑色の表紙の手帳を取り出し、2月の予定を確認したところ、
「14日は夜勤明けです。午前10時以降でしたら大丈夫です。」と答えた。
「夜勤明けでしたか。お疲れのところ、申し訳ないわね。オスカル、午後3時からパーティでどうかしら?」
「大丈夫です、王妃さま。」
「アンドレも一緒にいかが。ジョゼフはいつも『アンドレはいいなあ。いつもオスカルと一緒にいられて。』と羨ましがっているのですよ。」
「もったいないお言葉でございます。本当に私が同席してもよろしいのでしょうか?」
「もちろん。オスカルとあなたを正式に御招待させていただきます。」
「それでね、オスカル。1つお願いがあるの。なかなか外に出られないあの子のために、あなたはヴァイオリン、私はハープで一緒に演奏したらどうかと思うの。」
「それは…。果たして満足のいく演奏が私にできますかどうか、いささか心配ではあります。けれど王太子殿下が喜んでくださるのなら、ぜひ王妃さまと一緒に演奏させていただきます。」
オスカルは深々と頭を下げた。
「近衛隊時代、あなたはいつも私を警護するお役目をしていて、一緒に演奏することなど一度もなかった。けれどあなたのヴァイオリンの腕前は、私の耳にも届いております。あなたが忙しいことは重々承知の上でのお願いです。どうか息子のため、力を貸してください。」アントワネットは膝をかがめてお辞儀した。
「面(おもて)を上げてください、王妃さま。こちらこそ私ごときに、このような貴重な機会を与えてくださり光栄でございます。王妃さま、演奏曲はもう決めていらっしゃるのですか?」
「ほほ…実はもう考えています。フランスに嫁ぐ前、ウィーンの王宮で作曲家のグルック先生から、ハープ演奏を習いました。先生は2年前に亡くなられましたが「精霊の踊り」というハープとフルートのための名曲を遺しました。今回私がハープのパートを、あなたがフルートのパートを演奏したらどうだろうと思います。私の楽譜をお貸ししますので、家で弾いてみてください。何か不都合があるようでしたら、遠慮なくおっしゃってね。」
「わかりました。ところで王妃さま、今日は王太子殿下にほんの少しでもお会いすることができるでしょうか?」
「それが2日前から熱を出して、ずっと寝ています。」アントワネットは悲しげに下を向いた。
「そうでしたか。早く良くなるといいですね。そうしたらまた、馬に乗せてあげたいです。」
「ぜひそうしてやってください。あの子が望むことは何でも、やれるときにしてあげないと、どんどん選択肢が少なくなっていますから…。」
「王妃さま…」
「今は、子供たちが生きがいです。」
(そしてフェルゼンも…)とオスカルは思ったが、それは言わないほうがいいと思い胸に収めた。
「王妃さまは変わられた。」部屋を出ると、アンドレがぽつりとつぶやいた。
「ああ、お子さまたちがお生まれになる前はご自分の置かれた立場をよく理解できぬまま、あまり深く物事を考えず行動に移すこともあったが、この頃はすっかり落ち着きフランス王妃としての誇りと自覚を持っておられる。私だったら…10代半ばで愛のない結婚をして他国に嫁ぎ、世継ぎを生むことを期待され、人形のように生きる人生は耐えられない。誰が王妃さまのこれまでを責めることができよう。」
「オスカル…。今俺たちにできることは、王太子さまに楽しい時間を過ごしていただくことだ。そのためなら俺も自分にできることを考えよう。」
アントワネットから演奏の申し出を受けて以来、オスカルは時間があればグルックの「精霊の踊り」の練習に励んだ。哀愁を帯びた主旋律をオスカルが弾く。ゆったりとしたテンポで主旋律と伴奏が絡み、美しいハーモニーを奏でる。ジョゼフ殿下は喜んでくださるだろうか?ああ神よ、どうか若い王子の命を守りたまえ。
2月14日。
オスカルとアンドレは、夜勤を終え午前9時頃帰宅した。着替えて少し遅い朝食をとり、オスカルは部屋に戻ってヴァイオリンの弦の張り具合を確認し「精霊の踊り」を弾いた。アンドレは馬車に馬を繋ぎ、宮殿に向かう準備を始めた。午後2時、二人は屋敷を出て宮殿に向かった。
「わぁオスカル、来てくれたんだね!アンドレも!僕は昨日からわくわくして、夜中に何度も目が覚めました。」
ベッドから上半身を起こし、ジョゼフは2人を歓迎した。背骨がでこぼこしている王太子のために、アントワネットはダマスク織のクッションを2つに折り、背中にあてがった。
「これでオスカルたちの顔がよく見えるわね。」
「モンセニュール、お久しぶりでございます。今日はとても御加減がよろしいようで安心しました。」
「だってママン・レーヌが『14日はオスカルとアンドレが来ます。』って教えてくれたから、僕はこの日をずっと楽しみに待っていたんだ。今日はゆっくりしていってくれるよね?ママンが僕の大好物のマカロンをたくさん用意してくれたんだ。ぜひ一緒に食べてね。」
「ありがたき幸せにございます。」
「ジョゼフ、オスカルとアンドレにあまり無理なことを言ってはだめよ。」
「そんなこと、言っていないよ。僕、本当はお馬に乗りたいけれど、今は冬だから我慢するね。風邪をひくといけないでしょ。」
「殿下、春になりましたら私とオスカルが馬乗りにお連れしますよ。その時のために、これをご用意いたしました。」アンドレはベッドに近づき、持参した小箱をジョゼフに差し出した。
「何なの、これ?ちょっと重いね。アンドレ、開けてもいい?」
「もちろんでございます。」
ジョセフは嬉しそうに薄い水色の包み紙を破いた。
「ガサガサ音がするね。何だろう?あっ、これは!アンドレ、これアンドレが作ったの?」
「はい、鍛冶屋仕事の心得が多少ありますので、殿下のためにお作りしました。春になったら、ここに足を掛けて馬に乗りましょう。」
アンドレは、ジョゼフの足の大きさ・幅に合わせ、子ども用の馬蹄を作ってプレゼントした。
「ありがとう、アンドレ。嬉しいな。早く春が来るといいな。アンドレ、絶対にお馬に乗せてね。」
「もちろんでございます。」
「殿下と共に遠乗りできるのを、このオスカルも楽しみにしております。」
「僕もおかあさまの言うことをよく聞いて、春までに少しでも元気になるようにするね。」
アントワネットはジョゼフに背を向けた。オスカルは彼女が息子に気づかれぬよう、涙をぬぐっていることに気づいていた。
「モンセニュール、私からもプレゼントを用意しております。」
「オスカルからも?何だろう?」
「私のプレゼントは目に見えるもの、形あるものではございませんが、心をこめてこの日のために準備してまいりました。殿下、しばらくの間お耳をお借りすることはできますか?」
「僕の耳をオスカルに貸す?」
「はい。お母さまと私で殿下を音楽の世界にお連れいたします。」
アンドレは持参したヴァイオリンケースの蓋を開け、オスカルに渡した。アントワネットはジョゼフのベッドの真正面に置いてあるハープに移動し、腰掛けるとポロロンと音を確かめた。その傍らにオスカルが立つ。それぞれ譜面台に楽譜を置き準備が完了した。アンドレが譜面めくりを務める。
「今日はお母さまがまだジョゼフくらいの年の時、ウィーンでハープを教えていただいたグルック先生の曲から『精霊の踊り』を演奏しますよ。聞いてちょうだいね。」
アントワネットとオスカルは、目と目を合わせて合図し演奏を始めた。そう広くないアントワネットの私室。静かに流れるハープとヴァイオリンの音色。ルイ・ジョゼフは瞬きするのを忘れたかのように、母とオスカルの姿をじっと見入っていた。おかあさま・オスカル・アンドレ…みんな大好きだよ。これからもずっと僕のそばにいてね。いつまでもいつまでも、ずっとだよ。ああ、このまま時間が止まってくれないかな。
アントワネットも時折ジョゼフにちらっと視線を向け、息子が自分たちの演奏に集中して聞き入っていることに喜びを感じた。オスカルとアントワネットは小節の節目節目で目を合わせ、互いの音を確認しながら演奏を続けた。1つ1つの音符がハープとヴァイオリンから飛び出し、精霊となってこの部屋で舞っているようだ…アンドレはそんなふうに感じた。
オスカルもアントワネットも、ジョゼフの病気のことはしばし忘れ、グルックの抒情あふれる音楽の世界に惹きこまれていた。おそらく来年はこの部屋にいる4人が全員揃ってヴァレンタインを迎えることはないだろう…誰もが口にこそ出さないが、心の中でそう思っていた。幼いジョゼフですら、自分の命がそう長くないことをなんとなく悟っていた。だから音符の1つ1つを聞き逃すまい、お母さまとオスカルの表情をしっかりとこの目に焼き付けておきたいと感じていた。誰もが真剣にこの時間、この曲と向き合っていた。演奏が終わった時、アントワネットとオスカルの額にうっすら汗が浮かんでおり、しばらく何も言うことができなかった。
「ジョゼフ、どうでしたか?」
「ママンもオスカルも最高でした。この曲、何だか哀しいけれど、ずっと聞いていたい。」
「喜んでいただけて、私も嬉しいです。ところでモンセニュール、今日は特上のマカロンをいただけるのを楽しみにしてきました。」
「僕もだよ。今日のためにパティシエさんが新しいのを作ったんだ。」
「ではお茶の用意をいたしましょう。」
アントワネットが侍女たちに指示を出すと、彼女らはお茶とお菓子を持ってきて、慣れた様子でテーブルに並べた。アンドレはテーブルと椅子をなるべくベッドに近づけ、ジョゼフが大人たちと同じ目の高さで会話できるようにした。
「あら、アンドレは今日はお客さまなのですから、そんなことなさらなくてよろしいのよ。」
「王妃さま、どうも私はこうしているほうが落ち着くのです。」
「アンドレはいいなあ。いつもオスカルと一緒にいられて。僕もオスカルのそばにいたい。」
「殿下、私のそばにいますと、いろいろと厄介な用事ばかり言いつけられて大変でございますよ。」
「でもアンドレはちゃんと言いつけを守っているんでしょ?」
「はい。8歳の時から逃げずに私のそばにずっとおります。」
「もしかしてアンドレはオスカルが好きなの?」
「えっ!」予想外の質問にオスカルもアンドレもドキッとした。しかも王妃の御前。
「ジョゼフ、大人をからかってはいけません。アンドレは従卒という大変なお役目を果たしているのですよ。」
「何だかよくわからないけど、とにかくアンドレはオスカルのそばにずっといられて幸せだね。」
「モンセニュール、新作のマカロンとはこれでございますか?」
あわててオスカルが話題を変えた。
「うん、そう。アプリコットの果汁とジャムで味付けしたんだって。食べてみて。」
サクッとした食感と、甘酸っぱいアンズジャムの風味が口の中で見事に調和する。
「さすが宮廷お抱えのパティシエは違いますね。今度うちでも作ってみます。なかなかこう上手く焼き上がらなくて、ばあやがいつも苦労しています。」
「よろしければ、ばあやさんにもお味見していただけるよう、お持ち帰りを用意しますね。」
「王妃さま、お気遣いありがとうございます。」
「ママン・レーヌ、お父さまやお姉さま、シャルルにも早く食べさせてあげたいね。」
「ええ、そうね。今日3人はパリに出かけています。戻ってきたら一緒に食べましょう。」
楽しい時間は瞬く間に過ぎ、陽はすっかり西の空に沈んだ。
「素敵なヴァレンタインを殿下と共に過ごすことができ、本当にありがとうございました。今日のことは忘れません。殿下とのお約束、春になったら必ず果たしますよ。」
「オスカルもアンドレも本当にありがとう。ママンとの演奏、また聞きたいな。二人ともいつでもここに来てくださいね。アンドレ、蹄鉄をありがとう。」
「殿下、気に入っていただけてこちらも嬉しいです。何か欲しいものがありましたら、何なりとお申し付けください。」
「ありがとう、アンドレ。今度は男同士で話がしたいです。」
「よろしいですよ。ぜひいたしましょう。」
王太子のためのヴァレンタイン・パーティはお開きとなった。4人にとって忘れられない1789年2月14日の午後。
同年6月 4日、午前1時。ジョゼフ王子は7歳8カ月でこの世を去った。
同年7月13日、チュイルリー宮殿前でアンドレが、翌14日、バスティーユ攻撃でオスカルが戦死。
怒涛の1789年が過ぎていった。
写真はプチ・トリアノンにあるアントワネットのハープです。
SSを拝読し、久しぶりにCDを取り出し、「このフルート主旋律パートをオスカルがヴァイオリンで受け持ち弾いていたのね♪」と想像しながら この「精霊の踊り」を聴き直していると、アントワネットの私室でのミニコンサートの心温まる情景が目の前に浮かんでまいりました。
奏者が互いに目配せして相手の呼吸・息遣いを読み取る様子などとてもよく描写されていらっしゃいますが、りらさまも何かアンサンブルの演奏のご経験がおありでしょうか? オスカルとアントワネットの心からのプレゼント演奏は病床のジョゼフへの最高の贈り物となりましたね。音楽は辛いことや悲しいことを乗り越えさせてくれる魔力がありますね。
怒涛の1789年でしたが 当初は このような穏やかで幸せな時間も流れていたのですね・・・グルック先生もジョゼフもこの後の悲劇的結末を知らずに逝けたのは ある意味幸せだったのかもしれません。この時のオスカルのアンドレに対する気持ちはどうだったのでしょう....ジョゼフの何気ない言葉に敏感に反応してしまうあたり、そろそろ自分の気持ちに正直にならないと...(#^^#)って思うのですが。
>約10年前、自律神経失調症、特に不眠症がひどく何とかならないものか...と藁をも掴む思いで購入したのが
まいさま、大変な思いをされましたね。今は毎晩よく眠れるでしょうか?「精霊の踊り」は、悲しげなメロディで、病床で聴く幼い王子にはどうだろうと思ったのですが、アントワネットのハープの先生→グルックの代表作→ハープとヴァイオリンのコラボ と考えた時、この曲が一番しっくりくるかなと思い選びました。
私自身、音楽特にクラシックはまったくわかりません。アンサンブル演奏などは、したことがないのです。芸術にせよ、スポーツの団体競技にせよ、誰かと一緒に何かするときは、互いに呼吸を合わせたり、アイコンタクトをするのは当たり前のことですよね。
以前、トルコの古代遺跡エフェソスを訪れた時、病院の隣に野外劇場があったのを覚えています。古代から病気療養のため、演劇の効用が認められていたことに大変感銘を受けました。人は薬物や外手術だけでは完治しないのだと。芸術には、病気の人の心を癒す薬にも似た効果があることに感動しました。
>ジョゼフの何気ない言葉に敏感に反応してしまうあたり、そろそろ自分の気持ちに正直にならないと...(#^^#)って思うのですが
1789年2月のオスカルとアンドレ。1月にオスカルは自らの肖像画を描かせ始めています。自分の行く道が定まりつつある頃です。前年にジェローデルとの縁談は白紙に戻しています。アンドレへの想いに気づき、どんどん深まってきた頃ですね。
2日続けてのSS、ありがとうございました。どちらも力作で、読み応えがありました。ショコラも、あんな感じでアンドレがオスカルの体調や気分に合わせて微妙にレシピを変えてたかもしれないなぁと想像しています。
精霊たちの舞、YouTubeで聞いてみました。心に染み入る、切ないけれどとても厳かな気持ちになれる曲でした。写真のハープはアントワネットが実際に弾いていたものなのですね、カーテンと椅子の生地がまた彼女らしくて素敵です。
ジョゼフは、幼くして亡くなりましたが、家族に看取られある意味幸せでしたね。シャルルの劣悪な環境下での非業の最期は、言葉になりません。
SS最後の方の文章を読むと、胸が詰まり、曲が一層心に染みてきます。
話は変わりますが、バレンタイン、娘は男子は敵だと思っているようで、本命チョコはまだまだ先のようです(母としては手ぐすね引いて楽しみに待ってるんですが)。
友チョコは10人未満ですが、テレビを見てると数十人分用意する子もいるようで、驚きます。
>心に染み入る、切ないけれどとても厳かな気持ちになれる曲でした
病弱で幼いジョゼフ王子には、ちょっと合わないかなぁとも思ったのですが、もともとハープはそれほど大きな音が出る楽器ではないので、静かな曲がいいかなと思い、これにしました。
>カーテンと椅子の生地がまた彼女らしくて素敵です。
ロココはすべてが浮世離れしていて、調べていくと面白いです。このプチ・トリアノンのハープと調度品は今見ても「センスがいいなあ。」と思います。
>ジョゼフは、幼くして亡くなりましたが、家族に看取られある意味幸せでしたね
アントワネットの子どもたちは、それぞれ苦難の道を歩みましたね。マリー・テレーズはただ一人、天寿を全うしたとはいえ、心にトラウマを抱えたまま生きていたのではないかと思います。シャルルは本当に悲惨でした。それを思うと、ジョゼフはmarineさまの言うように、幸せだったかもしれません。
>娘は男子は敵だと思っているようで、本命チョコはまだまだ先のようです
まだまだ先…その「まだまだ」は、そんなに遠い未来ではないと思います。もしかして来年は…?学校でお友達とチョコを交換して、女の子はこの時期、楽しみがあっていいですね。