Vばら 

ある少女漫画を元に、エッセーと創作を書きました。原作者様および出版社とは一切関係はありません。

王侯貴族が嗜んだビリヤード

2016-08-28 15:06:01 | つぶやき

 10月から東京で開催される「マリー・アントワネット展」の公式サイトに使用されている彼女の肖像画は、プチ・トリアノンの一室に大きく掲げられている。

↓  これがその肖像画。

↓  この肖像画は、1階のビリヤード台のある部屋に飾られている。アントワネットは身軽なシュミーズ・ドレスを着て、気のおけない友人とゲームを楽しんでいただろうか?

↓  ビリヤード台といえばパリ市内のカルナヴァレ博物館には、ヴェルサイユ宮殿を追われたルイ16世一家の幽閉先であるタンプル塔の一室を再現した展示がある。そこにも質素だが一台、ビリヤード台が置かれていた。プチ・トリアノンの台と比べるとはるかに小さい。「幽閉中にビリヤードをすることが許されていたなんて!」と、ちょっと意外だった。子どもたちを明るく元気にするため、アントワネットとルイ16世が遊び相手を務めていたと思う。

↓  こちらはラトビアにあるルンダーレ宮殿。別名「ラトビアのヴェルサイユ」とも言われる。ロココ様式の建築が見事で、多くの観光客が訪れる。ここにもビリヤード台がドンと置かれた部屋がある。

 ビリヤードの起源を調べてみると、紀元前400年ごろのギリシャにさかのぼる。野外で円錐形の石を、棒で突いて遊んだのが始まりとされている。やがて室内でも遊べるように改良され、14世紀になるとヨーロッパで大流行。1469年、ルイ11世は世界初のビリヤードテーブルを作らせた。ルイ14世は、医者の勧めで健康のためにビリヤードをした。やがてビリヤードは王侯貴族の嗜みとなり、続くルイ15世、16世もプレーした。

↓  この絵を見ると、女性もビリヤードを楽しんでいたことが分かる。

 ジャルジェ邸にも、ビリヤード室があったのではないだろうか?オスカルが気分転換にアンドレを相手に、キューを持って球に狙いを定める姿が思い浮かんでくる。二人がビリヤードに興じる姿はなかなかスマートでかっこいいし、よく似合う。相手の球を順番にキューで突きながら、よもやま話をしている姿が見えてくる。オスカルは時々ブランデーを軽く飲みながら、プレーしていたのでは?二人のどちらが強かったか?それはもちろん…。

↓  こちらは旧岩崎邸洋館(東京都台東区池之端)。明治29年、三菱第3代社長岩崎久弥が本邸として造らせたもの。

↓  洋館から少し離れた場所に撞球(どうきゅう=ビリヤード)室がある。洋館と地下通路で繋がっている。ビリヤードをするために、わざわざ別棟を建てさせた岩崎久弥。日本にもスゴイ人がいたものだ。

↓  かつてビリヤード台が置かれていた部屋。残念ながら今はもう、その台はない。明治期、ここに政財界の要人が集まり、ビリヤードに興じながら、政治経済産業を論じていた。ビリヤードは社交の1つでもあった。

 読んでくださり、どうもありがとうございます。



4 コメント

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奇遇、と言うか… (おれんぢぺこ)
2016-08-28 21:10:05
りら様、こんばんは。 スマホから初送信(不安持ちつつ)。。。

さて。過日の『鞄の中身』と言い、今回のビリヤードと言い、まるで私の心を
読んで下さったかのようなつぶやきをありがとうございます
しっかり参考にさせていただきました
自分で調べろって突っ込み来そうですが、本当に奇遇と言うか(厚かましく以心伝心と思ってます)私のアンテナが向いた頃、必ずと言って良いほど、りら様の所で
、その記事発見するんですよね
今後もどうぞどうぞよろしくお願いいたします
全くもって、他力本願(笑)
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おれんぢぺこさま (りら)
2016-08-28 22:11:19
 コメントをありがとうございます。
 
 スマホからの送信、きちんと読めますよ。大丈夫です。

 ビリヤードの記事が、おれんぢぺこさまの創作魂にインスパイアしたとあれば、これほど嬉しい褒め言葉はありません。いつも好き勝手に書きなぐっているので、おれんぢぺこさまのお言葉、とてもありがたいです。以心伝心でも奇偶でも、何でもいいです。他力本願、いいじゃないですか。(私、人生のほとんどを他力本願で生きてまいりました。)お役に立てて光栄です。こちらこそ今後とも、ぜひよろしくお願いいたします。微妙な心の機敏を、見事な文章で表現できる能力をお持ちのおれんぢぺこさま。今後もSSを楽しく読ませていただきますね。
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Unknown (マイエルリンク)
2016-08-29 22:11:44
りら様

りら様のアップしてくださったビリヤードを楽しむ貴族達の絵画を拝見しながら、フッと昔を思い出していました。
大学を卒業して社会人になりたての頃、当時プールバーが流行っていて、仕事帰りに友人と飲みに行った時など、何度かチャレンジした記憶があります。 会社の同期の友人が171センチのスレンダーでかっこいい女の子で、おまけに、昔からビリヤード経験があって、 ビリヤード台に軽く腰を乗せて、ワザととキュウを背中から通して玉を突いたりするんですけど、長い髪を片側に寄せて、長〜い脚をスッと伸ばして・・ 本当にカッコよかったんです。
今回、そんなことを思い出しながら、いつの間にか、彼女のすがたをオスカルさまに置き換えて妄想など・・・^^;


先程、おれんぢぺこ様のコメントを拝見して、
「ひょっとして、私の妄想の光景が、おれんぢぺこ様の作品で、もっともっと、何倍も素敵になって楽しましていただけるのかしら!」
と、1人で勝手に舞い上がっております。


りら様とおれんぢぺこ様のコラボ作品!
そんな夢のような作品に巡り会えたら、本当に幸せです。



マイエルリンク
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マイエルリンクさま (りら)
2016-08-29 23:57:35
 コメントをありがとうございます。

> ビリヤード台に軽く腰を乗せて、ワザととキュウを背中から通して玉を突いたりするんですけど、長い髪を片側に寄せて、長〜い脚をスッと伸ばして・・

 マイエルリンクさま、ビリヤードのご経験がおありなのですね。そして同期の方のお姿が何ともかっこいいこと!細身でロングヘア、長い脚の女性が、クールにプレイするさまを想像すると、わくわくします。きっとオスカルもアンドレと互角に勝負していたのではないでしょうか?

 おれんぢぺこさまが、どんなお話を書いてくださるか、私も楽しみに待ちたいと思います。大人のラブストーリーが生まれそうですね。
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