
激務が続く日々。襟を緩めてポロっと「ふーっ 疲れた。」と言うなりソファに座るオスカル。アンドレの前では素直に自分をさらけ出すことができる場面でもある。
↓ 会議場周辺の警備増強の命令を受け、「まったく!」とややお怒りモードのオスカル。思わずそばのソファに勢いよく腰をおろす。
↓ オスカルの座っているソファの、肘当て部分に腰かけアジビラを読むアンドレ。自分の身分と立場をわきまえているのか、決してオスカルの隣に座ろうとはしない。やがてオスカルは寝息を立てて眠ってしまう。
↓ オスカルのブロンドの髪に触れようとした時、突然彼女が目を覚まし一言「もう どこへも嫁がないぞ 一生」と呟く。オスカルが今後他の男のものになることはない…それがわかったアンドレは嬉し涙をこぼす。この時オスカルは照れ隠しもあり、寝たふりをしていたのかもしれない。
18世紀、人々はどんなソファを使用していたのだろう?なぜ複数掛けの椅子を作ったのか?
↓ 1760年製。ブナ材に金メッキを施し赤いビロードの布を張ったもの。
↓ 1765年製。ブナ材に金メッキ。模様入りのシルクを張ったもの。
↓ 1770年製。マホガニー材に金メッキ。シルクのダマスク織を張ったもの。
ソファはフランス語でcanapeともいい、意味は「人々が秘密を共有する場所」。一人掛けの椅子を寄せて、ひそひそ話をするより、ソファ(canape)に並んで座り密談をする方が、周囲に声が漏れない。もちろん男性と女性の並び、それも恋人(or愛人)同士。ルイ15世・16世の時代にみごとな装飾を施し、部屋の雰囲気とも調和するソファが数多く作られた。
↓ 1780年製。ブナ材に金メッキ。水玉模様のシルクを張ったもの。
↓ モスクワのKuskovo宮殿で使われたもの。
↓ ルイ16世時代のもの。フランス中部の町オービュソン(古くから絨毯・タペストリーの製造で知られる)のタペストリー生地を張ったもの。
↓ ルイ16世様式のソファ。19世紀のもの。
オスカルとアンドレはいったいどんなソファに腰かけていたのだろう?想いが通じ恋人同士となってからは、アンドレもオスカルと並んで座り、彼女をそっと抱き寄せくちづけを交わし愛を囁き、束の間甘いひと時を過ごしていたのではないだろうか?そんな時間をもっともっと彼らに与えたかった…と多くのファンは望んでいるはず。厳しい身分制度のもと、貴族と平民が並んで座ることなど許されなかった時代。彼らは最終的にそのタブーを乗り越えたに違いない。
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