今週の週めくりカレンダーの絵を見て、昨年秋の「わたしのマーガレット展」を思い出した。このイベントの目玉、史上初「オスカルとアンドレの等身大立像」が公開されることが、開幕前から話題を呼んでいた。
イベント会場を訪れ、この像を見たとき「2Dを3Dで表現するのは、難しいな。」と感じた。公表されているオスカルのプロポーション・サイズをもとに作ったであろう二人の像。平面を立体化する上で多少数値をいじくり、見栄え良くしたと思う。一番の難所はオスカルの顔。体よりもむしろオスカルの顔の出来具合が、この立像が成功か失敗かの決め手になる非常に重要なポイント。何度も作ってはやり直しただろう。人形は顔が命。
像にどんな素材を使ったか、触れることができなかったのでわからないが、風になびくブロンドの髪が、塊のように見えてしまう。そしてオスカルの顔。リアルな人間に近いというか、マネキンのようで、劇画のような神々しいまでの美しさ・華やかさを再現するのが難しい。もちろん製作者の方たちは、ファンに喜んでもらおうと一生懸命努力されたはず。それはよくわかる。改めて池田先生が生み出した少女漫画史上稀有なスーパーキャラクター・オスカルを、立体化する難しさを知った。
読んでくださり、ありがとうございます。
『お姉さん、ありがとうございます。』
私は薄目を開け、″お父さん、よかったネ!″と、ウィンクしました。
お父さんは私の手をギュッと、してくれました。
「病室で眠っているユリウスは、とても穏やかで幸せそうだった。 私は思ったの、″あぁ、昔の感情豊かなユリウスが帰って来てくれたと。」
″何かしら″と、取り出して見ると...これでした。
鍵、ユリウスの運命を狂わした帝国銀行の鍵でした。
ヤーコブがユリウスと一緒に運河へ投げ捨てた鍵は、流れていかず彼女の上着に引っ掛かり、再び、私達の元へ帰って来たのです。」
私は目を開けてその鍵を見つめました。
″おばさん?″
「なあに、ミーナ。」
″その鍵がお母さんの秘密にとても関係があってこれから、その悲しい秘密のお話しが始まるのね。″
「そうよ。」
そして、その始まりはロシア...白く、遥かな国
私よりも、ミーナのほうが詳しくてね。」
おばさんと目が合いました。
″おばさん、ロシアでは人々は皆、いつも争っていました。私の回りはいつも危険が一杯、怖い目にも遭いました。
お父さんは貴族なの。でもね、貧しい人々の幸せの為に、 多くの財産を独り占めしている皇帝やその回りの人々に立ち向かう為、革命家になりました。 でも、本当にそれが正しい道だだったか、いろいろ悩んで、・・・
そして、今は、革命家ではないの。″
私は、再び目を閉じて、おばさんのお話しを聞きます。
「この鍵はね。
その皇帝の人達が自分達に危険が迫り、国外へ逃げた時に困らない様に、いろいろな国のロシアと繋がりのある貴族の隠し財産として、多くのお金を銀行に預けたの。
ドイツではAで始まるアーレンスマイヤ家がその銀行の金庫の鍵を預かる事になりました。」
お父さんが尋ねます。
『お姉さん、その金庫の中に、ロシア皇帝の莫大な額のお金が眠っているということなんですね!』
そして、もう一人アーレンスマイヤ家の隠し財産を知る人物がいました。
潜りの偽医者ヤーン、彼もロシアのスパイだったのでしょう。 ヤーンは欲深く、その財産を手に入れようと、狙っていたのです。
そのヤーンの元にある日、産み月を迎え大きなお腹を抱えた女性が助けを求め訪ねて来ます。
その名は レナーテ、アーレンスマイヤ氏の愛人でした。
ヤーンはレナーテを利用する事にしました。」