今回のエピソードを読みながら、改めてこの時代の歴史について調べてみると、なかなか興味深い事実が浮かび上がってくる。
日曜日の朝、ミサに参列するためガルティエは教会に向かう。するとそこにあの少女がいた。迷わず彼女の隣にスッと座るガルティエ。なかなか積極的。驚くジョルジェット。彼女を見つめるガルティエのまなざしがいい。
ミサが始まる前、第一王子の急逝が告げられる。どよめく人々。突然ジョルジェットは誰かに手首をガッと掴まれ柱に押しつけられる。見ればあの時のひと---。乙女がときめく壁ドン。池田先生が描く手の表情は、言葉以上に深い意味が秘められているといつも感じる。娘とはぐれた母親がジョルジェットの名を呼んだので、ガルティエは目の前の少女の名前を知る。そして自らもガルティエと名を伝え「いつかまた 必ず会おう ジョルジェット!」と言い残し去っていく。この言葉をずっと大切に胸に収め、生きていくジョルジェット。
ところでガルティエがロレーヌ公国を訪れた本当の目的は何だったのか?クレメンス王子に会ってどんな話をするつもりだったのか?王族たちの結婚は、周辺諸国の国益が絡むので、ガルティエは何か特別な外交使命を持って、ロレーヌ国を訪れたのか?Wikiによればクレメンス王子は天然痘で亡くなったとある。池田先生はキノコの毒に当たったと書いている。まぁ、どっちでもいいか。
もうひと組の恋人たちはマリア・テレジアとフランツ。フランツは亡くなったクレメンス王子の弟で、のちにテレジアと結婚し帝位を頂く。しかしこの結婚と引き換えに、ロレーヌ公国はフランスに併合されることとなったので、フランツの母は彼を相当責めたらしい。けれど当時は珍しい王族同士の恋愛結婚で、二人はハプスブルク家の黄金期を築いた。このエピソードにテレジアを登場させたわけは、後編で明らかになるのだろうか?
ロレーヌ公国---ジョルジェット、フランツ
オーストリア---マリア・テレジア
フランス?---ガルティエ?
3つの国を舞台に、後編はどうなっていくだろう?ジョルジェットは絵を描くのが得意なので、ふと宮廷画家のルブラン夫人を思い出したが、彼女はアントワネットと同時代の人なので、ジョルジェットと直接かかわりはない。しかし優れた技能を持つ女性がそれを武器にし、経済的に自立して自分の生きる場所を見出すことは、当時珍しくなかったと思う。ローズ・ベルタン嬢もその一人かと。もしかしてジョルジェットの娘が、ルブラン夫人?
傾きかけた家を救うため、泣く泣く恋をあきらめ、年の離れたお金持ちのヤモメ男と結婚---なんだか浪花節の世界だなぁ。
読んでくださり、ありがとうございます。
「歌姫さんはね、とても淋しがり屋さんの色っぽい女性なんだ。 ロシアに彼女をずっと支え続けてきた恋人を残して来てしまってね、オーディション二日目にして、ひどいホームシックにかかってしまった…。 アレクセイは気を使い、励ますため、ホテルの同室で一晩、二晩、明かしてしまった! 二人が一緒にチェックイン、チェックアウトする。普通なら気にかけない、しかし、女性は今、オペラ座で話題の歌姫!すぐにも嫌な噂が広まってしまった。
二人は愛人関係、男性は妻子持ち、女性はロシアに恋人がいるにも拘わらず!とね。運悪く、低俗な新聞が、記事にしてしまったんだ。
オペラ座関係者は、二人の事は信頼しているから、『そんな事は、放っておけばいい。』なんて、のんきな事を言っているが、真面目なアレクセイは許せない!と、歌姫がロシアへ帰った後も、パリに残り、身の潔白を証明しようとしたんだがね。頼みのオスカルは外務省から外交官へ役職が変わり、外交官として、今は、外国のフランス大使館に駐在中、一人、困り果ててしまったわけさ。本当に不器用な男だ!
まっ、ユリウスはそんな、アレクセイに惚れたんだろう。ハ、ハ、ハ、ハ、ハ、!」
ダーヴィドおじさんは、可笑しそうに笑っています。
かわいそうで、ドジな、お父さん。
「オスカルがアレクセイを放っておくはずがないよ。直ぐ、フランスのフィガロ社に勤める、ベルナールに力になってやってほしいと、連絡を入れてくれた。
オロオロするアレクセイを励ましながらも、ベルナールの取った行動は迅速で素晴らしかったそうだ。
フィガロ日刊紙の音楽面に先ず、歌姫の美しい声を紹介、そして、彼女の才能を見抜き、ロシアより呼び寄せた、アレクセイの音楽家としての素晴らしさを誉め称えた記事を載せてくれた。それも、写真入りでね。
内容は、30才にして、モスクワ音楽院を見事な成績で卒業。世界一の愛妻家。女性に対しては常に紳士的。
取り敢えず、アレクセイは名誉回復さ!
ベルナールによると、へとへとになって、ドイツへ帰って行ったそうだ。
ハハハハハ・・・・・・。」
ダーヴィドおじさん、笑いすぎよ。
「ユリウス、君はアレクセイの妻だ。 疲れて、傷ついている夫を励まし、勇気つけることが出来る。今の君なら。
さあ、アパートへお帰り、ミーナと一緒に。
アレクセイが君の帰りを待っている。
それから、一番大切な事を忘れていた。
君達三人が移り住む国、家が決まった。
明日、午後からマリアと二人で、アパートへ訪ね、説明する。アレクセイに伝えておくれ。
そして、できたら、夕食をご馳走してくれるかい?
ユリウスの手料理を食べてないのは僕だけなんた。
噂のシチューをお願いするよ!」
私とお母さんは、アーレンスマイヤ家を後にしました。
お外の空気はとっても気持ちいい!
今は、11月、真っ青なお空は高くて、すーっと、そよぐ風も、気持ちいい!
葉っぱの色も、赤、黄、緑にオレンジ・・・
『このまま、お父さんのいる、暗~いアパートに帰るのは、もったいない!お散歩しない?』
目が合うと、お母さんも賛成みたい!
ちょっと、寄り道ねって、私の手をひいて、どんどん歩いていきます。
『何処へ、行くの?』
そこは、広い公園でした。
それが、ここ!
でも、声がでない・・・。
アレクセイ、でもあの時は、クラウス・ゾンマーシュミット、彼との想い出を語ってやることが出来ない…。
でも、きっと、ミーナのお父さんは、ここの想い出 を話しているよね!
だって、あんなに生き生き演奏していたから。『皇帝』を!ヴァイオリンを!野外コンサートで!大勢の前で!
その時はね、お母さん。観客の一人!でも、見つめていたのは、お父さんだけ。
ヴァイオリンを演奏する姿が素敵で、胸がキュンキュンしたんだ…。
ミーナ、何故黙っているの?何か話して!お願い。
ユリウスは娘の目を見つめ訴えるのでした。
「お母さん、お父さんから聞いているよ。モーリッツって人の意地悪で、ホールが使えなくなり、諦めていたお父さんを泣きながら訴えた言葉、お父さん全部覚えていた!
『舞台の上でしか、きみらの音楽はないの?!
舞台なんて劇場なんて、単なるいれま物じゃないか!!
きみらがほしかったのは、聴衆の魂でなく、
最高の演奏の瞬間でもなく、ただの立派ないれ物だったのか!?』
「お母さんの夢」 「娘、ミーナの夢」
「同じ!」
「お父さんが」 「アレクセイが」
ここ″ケプラー記念碑公園で再び、『皇帝』のコンサートマスターを務める事。
ドイツに永遠の平和が訪れたら、又、三人でここに帰って来ること、レーゲンスブルグ、ふるさとへ。
『今、アパートにいる、ヨレヨレお父さん、はやく立ち直ってね!!』
PS、最終話のネタバレをしてしまいました。でも、まだまだ、先のお話しです。
鈴蘭の精より
アレクセイの夢は、政治や革命理想に燃えることでなく、音楽で人々に平和を訴えることなのでしょうか?先をゆっくり楽しませていただきます。
「何だか、疲れたから、隣の部屋で横になる。」とか、なんとか言って。
お母さんは優しくお父さんの背中を摩りながら、私に『大丈夫よ。』って、目で合図しながら、隣の部屋へ連れていきました。
私は、台所に独りぽっち。
ポシェットから、リュドミールの手紙、そして、明日、おじさんとおばさんが来られた時にお部屋に飾るため、拾ってきた綺麗な落ち葉、ドングリをテーブルの上に並べました。
赤、黄、オレンジの落ち葉を丁寧に音楽の辞書に挟み、押し花にします。
ドングリは、お皿に入れます。その横には、お母さんが生けた、秋桜の花が・・・。もうすっかり、お部屋の中も、秋ね。
やっぱり、お家が一番好き!
そう思いながら、リュドミールの手紙を何度も読み返します。 そのうち、眠たくなり、夢の世界へ入っていきました。
『あ~っ、このお台所、ラベンダーの香り、お母さんの香り・・・、気持ちいい!』