『西行物語屏風』(江戸時代 17世紀)
六曲一双 紙本金地着色 右雙
どこぞのお屋敷の片隅で、『西行』はのんびりとしています。
庭には茶の道具が用意されていますから、
梅を見ながら一句したためていたのかもしれません。
近づいてみます。
梅の枝がこちらのほうに張り出してきていて、
そこから花びらがはらはらとこちら側にも落ちてきます。
幹のようす、そして枝ぶりまでもがかなり写実的に細かく書き込まれています。
春の晴れた日ののどかさが本当によく表されています。
西行が一人でくつろいでいます、これはギリシャの彫刻でいえば、哲学者のポーズですね。
穏やかな時間が流れていくことが感じられます。