電気の苦手なアコースティック・ギタリストに贈る…

アコースティック・ギターの音色は好きだけど,電気の分からないギタリストの一助となれば幸いです.

電源の重要性

2010-08-08 23:44:17 | 電子工作
むかぁし,昔のお話です.

intelというアメリカの大きな会社からCeleron300というCPUが発売されました.

カスタマイズを中心としたPC雑誌に大きく取り扱われ,全国でも品切れの続く商品でした.

セカンドキャッシュを内蔵したPentiumが上位機種でしたが,

セカンドキャッシュを持たないこのCeleronの売価が

Pentiumの半額近くと言うことも手伝ったのですが.

何が凄いかって…!!

マザーボードによって決められる基本周波数の逓倍率を変更することで,

Celeron300がCeleron450として動作するのです.

…当時は一喜一憂したモノでした.(汗)


さて,本日の本題ですが…,

とあるオークションを見ていると「120/9VACのアダプタでも大丈夫だよぉ~!」なる記述.

芸術をこよなく愛する電気屋さんとしては我慢できずに書き始めちゃいました.

その出品者はDATなど「モータがあると大変だけど…」と業者から伺ったそうです.

確かにモータがあるとわかりやすいでしょうが,

モータによる不都合は入力電圧不足の制御系が悲鳴を上げているから起こるのです.

そりゃ120V欲しいのに100Vで辛抱しろと言われているのですから,悲鳴も上げるでしょう.

83%の入力で100%入力と同じ仕事をしろと言われるのですから,ストライキですネッ!

大量生産された製品ですから安全率は取ってあるでしょうが,

前述のCPUのお話も,その安全率を削って動作させているわけです.


私の現場でも120/9VのACアダプタでLEXICON LXP-5を動作させることがあります.

…モータは入ってません.(笑)

そこから出てきた音は小音量では「動いてるぅ」と思われますが,

音量を上げていくほど破綻している現状を明らかにしていきます.

ヘッドルーム(大入力に対する余裕とでも言いましょうか)の余裕が無くなったり,

特にリバーブ成分の消え方が本来期待されるモノと違っていたり.

せっかく高額なLEXICONのリバーブを選んだのでしたら,私としてはこだわって欲しい.

LEXICONの技術者も思うに違いありません.

120Vと100Vなら,新品のアルカリ電池とくたびれたマンガン電池くらい変わるんじゃないかな?!

その違いが分からない耳の持ち主ならある意味,幸せかもしれません.

また,「そこが良い」とおっしゃるなら話は別です.



無くても生活していける“嗜好品”ですからねぇ!