四季の山を歩き、思い、創造する。
凌 手記
修善寺 サンカクスタンド 出張シノギングの様子
昨日と打って変わって今日は寒い。しかも朝から風速9m/sの強風が吹き荒れている。ここは湯ヶ島温泉町。それなら朝風呂と行きたいところだが、シノラー志願者の皆さんがお待ちである。さぁ、お仕事、お仕事~。
日陰の駐車場で身体をガタガタ言わせながら凌とシノギングについての説明を一通り終えた後、ツユハラヒ、クナイ、アグラスカート、ハンモックなどのお試し品をお渡しする。ツユハラヒは薄い布一枚だが防風性が高いので風と寒さを凌ぐにはうってつけの道具だ。
あまりに寒いのでコンパスの基本的な使い方を確認してスタート。地形図の見方は山に入ってからやることとしよう。
ぞろぞろ、ぞろぞろ。こう見えて車にはちゃんと気を付けています。
寒い谷の道からようやく日の差す尾根の末端に着いた。ここで現在地を確認。
踏み跡を利用しつつ尾根に乗る作戦だ。
尾根のど真ん中で低山小道具研究家の森勝氏から地形図のお話し。山の中で実際に周りの地形と地形図を見比べてみる。難しい読図本を読むよりもこっちの方がスッと頭に入るはず。
422mの小ピークに向けてわかりやすい尾根を辿る。
寒くて風の強い日のシノギングにはツユハラヒが役に立つ。実際にこういう環境で使ってもらうとこのアイテムの企画意図がはっきりわかってもらえるはず。
急な傾斜を直登するのは凌流であり凌の美学でもある。
ちょっと開けた気持ちのいい場所。束の間でもあたたかい日差しがありがたい。
巨大な露岩の近くにあった大小の祠。
ここで森勝氏から油の木の説明。油の乗りはいまひとつだったが、それでもよく燃える。
シノギングイベントでは参加者の皆さんに実際に地形図を見ながら凌いでもらう。先導するのは緊張するだろうが、こうすることで地図読みの面白さを実感してもらえるはずだ。
422mを通過後、ちょっとした地図読みをこなし、その後も読み違えることなく475mの三角点に到着。
今日がどれだけ寒いかって?この着こなしを見たらわかるでしょ。素敵なプリントのカスタマイズ!ありがとうございます。
気が付くとお縄に。
こっちもお縄に・・・。
いそいそと新作ロープワークの準備をする森勝氏。
見よ、この顔を! 秘技、垂直滑車でクッカーを上げ下げしてニンマリする森勝氏。
風が強すぎるので「マッチ一本火付け術」を「メタルマッチとコットンで火を付ける」に変更。
わずかな日差しだがありがたい。
日陰でもアンダーキルトを付けてアグラスカートを掛ければあたたかい。
思い思いのスタイルで昼休憩。
ドラえもん?
ウインナーを焼くわんぱく。
寒かったくせにしっかり二時間休憩して(笑)先頭を後退して続きを辿る。
現在地がわかりにくくなりそうな微妙な地形。地形図とまわりの地形を比較して現在地を絞り込んでいく。
再び尾根を辿り、
開けたところで再び現在地確認。そう、地図読みの上達はこまめな現在地確認から。
眼下に集落の家屋を発見。小さい堰堤を横切ると真新しい神社に飛び出た。シノギングらしい終わり方だ。
冬枯れの山を見ながらスタート地点へと戻るシノラーたち。こう見えて車にはちゃんと気を付けています。
最後に決して笑ってはいけないやつで〆
今回の出張シノギングに参加して下さったみなさまありがとうございました。
始めから終わりまで強風に吹かれた「風を凌ぐ」シノギングは寒かったけど、思い出にはっきり残ることでしょう。
週末にもかかわらずこのイベントの開催にご理解とご協力をいただいたサンカクスタンドさん、同行してくれたSのMJ氏、S氏ありがとうございました。
シノギングの情報は書籍では入手できず、ネットでもほぼ入手できません。少しでも興味を持っている人はぜひシノギングイベントに参加してください。この手記に書かれていることはシノギングのほんの一部です。実際に参加することでシノギングのいろいろを知ることができます。
凌は美学
いつ何時でも所作、立ち居振る舞いを美しく
いつ何時でもあたふたせず、まごまごせず
道具に踊らされず
凌ぎ
美を追求すべし
今年の出張シノギングはこれでおわり。
