劇場公開で2回、今回のカウチムーヴィで3回めの鑑賞である。カンヌ映画祭グランプリ。
旧蓬窓閑話より 2013・1.30
中国の寒村に日本兵と通訳の男2人が袋詰めにされて投げ込まれていった。
どう扱うかで村じゅうが大騒ぎ。
笑いを誘われる場面につられて観ているうちに、事態は深刻になり、すさまじい展開となる。やがて国民党政府と捕虜となった日本兵たち、そしてあんなに一生懸命日本兵の面倒をみた村の男は…。
驚いたのは、中国駐屯中の日本兵の日常がリアルなことである。村の家の鶏を盗みに入ったり、軍楽隊が毎日?演奏して通ったり、なにやら牧歌的な感じすら受ける。
カラーだと思いこんでいたが、今回白黒であることにびっくり。 10年まえに観たときは、話の内容がカラフルな印象だったからだろうか。
戦争を見たこともない日本人が作る昨今の戦争映画とは大違い。
日本人は、駐屯する日本兵の姿は聞いたか坊主でしかなく、駐屯されていた中国側は、現実に毎日見ていたわけである。
その裏側にあった暗く重たい現実を姜文監督(兼主役)は見事に描いてみせる。
中国本国では上映を禁止された曰くつきである。(現在可能)
香川照彦の熱演ぶりに拍手。
そして香港映画で活躍しているという日本軍隊長役もお見事!
半沢直樹より20年まえから香川照之のファンdeath !
補足*deathは、ドラマの中での香川のセリフ
日中戦争で中国全土を荒らし回っていた日本軍兵隊は日本鬼子(リーベンクイズ)と呼ばれていた。