蓬 窓 閑 話

「休みのない海」を改題。初心に帰れで、
10年ほど前、gooブログを始めたときのタイトル。
蓬屋をもじったもの。

『THE WAVE』ーー独裁とはどういうものか

2017年12月03日 | 映画

『THE WAVE』 ウェイヴ
写真はネットより

 「独裁」とはどういうものか。
 高校の授業で、教師が生徒たちに教えていこうとする。
 順番は覚えてないが、例えば規律が大事だとする。指導者も要る。
 制服も必要だ。私服でなく白いシャツにジーンズをはいてこい、と教師は命令する。
 このグループの名を「Wave」にしよう。
 ロゴを作って校内に貼ろう。校内にとどまらず、それは街の至るところに書かれていく。

 そういうことの一つ一つが生徒たちには楽しくてしようがない。
 Waveの人数は増えていき、そしてWave以外の人間には排他的になっていく。
 その長となって生徒たちを指導していく教師も、自分がとても偉くなったように思えてくる。

 その危険さを訴えようとする女生徒もいる。
 ビラを撒こうとする女生徒に「乙女の祈り気取りかよ」というセリフが出てくる。
 以前、ここでも書いた『白バラの祈り』という映画があった。
 大学生の女性がファシズムの危険さを訴えるビラを撒き、処刑された戦前の実話を映画化したものである。
 話が飛んだが、教師が独裁制の怖さを真に伝えようとしたときは、すでに遅かった。

 また聞きだが、THE waveはアメリカでの実話らしい。そしてドイツで制作された。
 『白バラの祈り』にしろ、この映画にしろ、ドイツに残る良心というものだ。
 昨今の日本は、過去の過ちや悪いことは「なかったことにしよう」と、
 つまらない映画ばかり作っている。

 特攻隊や空襲での悲劇で涙を流していては、被害者側の意識ばかりであり、加害者としての反省、悔いに基づくものがない。個人はそれでよいが、少なくとも天下国家を牛耳る者ならば、歴史を正しく認めるべきである。
               2014年08月23日 | 映画

 ほかのブログから再掲、再々掲かも。
 いま〇〇一強といえば、聞こえがよいが、
 ほぼ独裁の道を歩み始めている。
 黒を白といいくるめ、おべっか答弁、忖度、検査院の結果無視、隠蔽……
 党内に、良識派というものはないのか。
 昨夜の月
 
 そして被害者側に「いつまで言ってくるのか」「いつ水に流すのか」と言う人たちーー
 原爆を忘れ去られてもいいのか、沖縄の「ひめゆりの塔」は、基地は?
 拉致事件? 忘れてしまえ、いつまで言うのかと、独裁者金正恩は思っているだろう。


今朝の公孫樹 

 
←ツイートはプロフ窓下の鳩マーク


最新の画像もっと見る

10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
日本とドイツ (fukurou0731)
2017-12-03 21:10:52
つゆ様
こんばんは。
日本とドイツは同じ敗戦国ですが、歩んできた道は全く違います。過去の戦争のとらえ方が違います。
ドイツは今でもナチスドイツを反省していますが、日本は、過去の過ちや悪いことは「なかったことにしよう」としています。
大きくは政治家の思想の違いだと思っています。
返信する
ご卓見に共鳴 (卯木)
2017-12-04 07:43:16
 独裁に関する原因と推移、深く掘り下げて共感を覚えます。さらに日本政治の現況に言及しておられますね。コメントにならぬコメントですが、ご寛容ください。
返信する
Unknown (tonton)
2017-12-04 09:02:11
ほんとに怖いですね
この怖さをなんとも思わない人たちが居る
戦争なんかなるわけないじゃないと言う
いつテロが起きても不思議じゃないのに
徴兵制なんかなるわけ無いという

どういう教育を受けたら、阿部さんが好きになるんだろうと思っちゃう

マスコミは、自分たちに害が及ばない弱い立場の人しか責めないし・・・
ああ、こんなこと書いてしまって・・・^^;
返信する
fukurou0731さまへ (つゆ)
2017-12-04 14:55:17
政治家が劣化しているのではないでしょうか。
昔は、まだ戦争を経験した人たちがいたし、
道徳的にも、ブレーキを踏む人もいました。
自民なりに、最後はうまくまとめるものだと、
感心したものです。

今は、それこそ平和ボケした三世たちが権力と金に物を言わせて、好き放題という感じがします。
返信する
卯木さま (つゆ)
2017-12-04 14:58:56
共鳴してくださって、ありがとうございます。

これを書いたのは、3年まえ。
第三者として思うように書けました。

それがいまは……ほんとに怖いことに。
返信する
tontonさま (つゆ)
2017-12-04 15:06:13
そう、女性の多くは戦争になんかなるわけないと思っている、
男性は、だから安保が必要だ、憲法改正が必要だと、
思っているのでしょう。

もっともあの支持率さえ操作されているそうですし、
二大新聞が支持していますから。

ジャーナリズム精神も、どこへいったのか。
嘆かわしいですね。

返信する
Unknown (ミルフィーユ)
2017-12-04 21:58:48
ここ数年、、、~もっとでしょう、、、野党が育たなかったという年月でした。
10代の若い者は、国会答弁のTVニュースなど、声を張り上げていつまで堂々巡りでやってるの?と言います。
そうとしか見えないのでしょうけれど、言える事が大事なの、と伝えたら、それなりにわかった様でした。
情報も溢れていますが、どう拾うかも大切なことですね。
某新聞での情報操作以来、危うく洗脳されるところだったと、ぞっとしたことも。
返信する
ミルフィーユさま (つゆ)
2017-12-05 13:26:22
批判するのが野党の仕事なのに、
いつも批判ばかりしている、という批判が多いですね。
行政が数に恃んで、批判を素直に受け取らないこと、また、昔は自民のなかでも、長老がいて苦言を呈したものですが。
病的なものすら、感じてしまいます。
返信する
Unknown (虎猫)
2017-12-07 10:35:34
またちょっと、ご無沙汰して、追いかけて来ています。

安倍は、ヒトラーとダブる、とよく言われますが、
今の時代も、当時のドイツとダブりますね。

つゆさんのご意見に賛同します。
リアルの世界で出会う友人は、「類は友を呼ぶ」で、
同じ考え方の人ばかりですが、
こうしてネット上でも同じ考えの方に出会えると、
とてもホッとします。
返信する
虎猫さんへ (つゆ)
2017-12-07 11:38:18
わたしも、うれしいです。
今は体調上、交友は多くはありませんが、
なぜか同じ考えの人ばかりでした。

違う意見の人もいましたが、
お互いに、違うわね、で
本のこと、映画のことで共鳴する面も多く
交友関係にヒビが入ることはありませんでした。

先がないので、気がついたときは遅いのだと、
少しでも、知ってもらえたら、と思っているのですが……。
返信する

コメントを投稿