秋紀 芳慧 (Yoshie Akinori)

EXPERIENCE in YOKOHAMA (japanese only)

2月8日から一週間を横浜で過ごしました。

 

 

cassette100

TPAM(国際舞台芸術ミーティング)プログラム『cassette100』は、フィリピンの作曲家ホセ・マセダ1971年の作品です。作曲された100パートをオープンリールに録音したものをダビングしたmp3プレーヤー(作品発表時はカセットプレーヤー)を持った100人が一斉にプレイボタンを押して会場を歩き回って環境をも使って演奏する作品です。

2月9日に、神奈川芸術劇場にて恩田晃さんからホセ・マセダの解説、ANTIBODIESCollectiveのカジワラトシオさんのcassette100の説明ののち、同じくANTIBODIESCollectiveの東野祥子さんの演出で三時間以上の三回のリハーサルをパフォーマーが10人10組に分かれて行い、パフォーマーの動きやセットを調整しました。

10日は通しのリハーサルを一度やり、18時30分から1回目の演奏スタート。400人くらいはいるかと思われる神奈川芸術劇場KAATアトリウムで100人のパフォーマーがそれぞれmp3プレーヤーもしくはラジカセを持って10組のグループが5階まであるアトリウムを行ったり来たりしながら観客の間を縫って演奏します。グループごとに振付もされていて、とても見応え、聴きごたえのある演奏だったと思います。19時30分からの2回目はさらに音が揃って聴きやすい演奏になったようです。

写真は同じグループのメンバー。グループのリーダーはANTIBODIESCollectiveのもっしゅさん。みんなで記念撮影です。下はその日の演奏のyoutubeです。

 

 

 

5台のピアノのための音楽/2台のピアノと4本の管楽器(ホセ・マセダ)

翌日は同じくKAATで『5台のピアノのための音楽/2台のピアノと4本の管楽器(ホセ・マセダ作曲、1993/1996)』を聴きます。高橋アキ高橋悠治、他3人の5台のピアノ曲はキレッキレの現代ピアノ曲。わかりやすいメロディらしきものがリズミックに分解されてバラバラになっていたりしているがどこかに調律されている感じ。続いての2台のピアノと4本の管楽器もこれまたバラバラっぽいけどきちんとどこか調律されているキレッキレの音楽。ホセの頭ん中はどんな感じでなっているのだろうと考えてしまいます。なんかめちゃすごい。



大野一雄舞踏研究所での稽古

さらに大野一雄舞踏研究所の稽古も受けてきました。普通の宅地の中にある稽古場は、自分がそれまで勝手に抱いていた偉い孤高のダンサーというイメージを思いっきり裏切ってくれました。稽古はその日集まった20人くらいを前に大野慶人さんが「存在しているだけでもう作品です」という言葉から始まり、終わりのベートーベンの「月光」をみんなで繋いだ手を離して踊るまで、凝縮した一時間半でした。稽古場で体験した些細な出来事が全て衝撃的で、その一つ一つをここに書いてもうまく伝えられません。芸術を名声を得たり自分のエゴでやることをしなかった人の凄さをまじかで体験したことはとても大きな経験でした。


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