「は?」
その時のカイの驚きと不満の入り混じった複雑な表情を、 俺は一生忘れないだろう。
「簡単 ? 俺は、20年間我慢してきたのに、 簡単?」
「じゃあ 高校1年の時から俺のことを…?」
「いいじゃん、その辺は 」
それじゃあさっきの俺の言葉に、怒ってしまうのも無理はない。
「簡単 って何だよ?」
本当に、言ってはならない言葉を言ってしまった。
「いや、俺の頼みに比べればってことさ 」
「ああ、そういうことね。 じゃあ オミの頼みは? 交換条件は?」
「戻ってきて、また 。礼霊ずにも」
「にも、 っていうのはどういうこと? 」
「俺の人生と、礼霊ずに戻ってきて、っていう意味 」
カイは照れたような笑みを浮かべた
さすがにここまでくれば帰ってきてくれるだろう。
しかし カイは、
「…そんなこと言って、昼はいいけど夜は大変だぞ…」
「何だよ、夜って 」
そして お互い、頬を赤らめてしまった。
「そう言うオミの方はどうなんだよ 」
「やだ、言いたくない 」
「じゃあ俺、帰らない 」
俺はカイの作戦にはまってしまい、つい言ってしまった。
「いや、その…マグロとか、えーと殿様マグロとか、陰口叩かれてたみたいだけど…」
殿様マグロって…さすがのカイも目を丸くしていたが、その次にはその目は怒りをぶつけてくる。
その呼び名は誰につけられたものなのか、そしてそれを体験させたのは誰なのかと…
「その相手は華ちゃん? 華ちゃんなの? 」
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