きっとその辺りで二人はバンドを始めたと思うんだけど、そこから先のことは話してくれなかった。
でも、笑顔で
「そうそう 昼飯何がいいか考えといてね。約束どおりデザートもおごるから」
あんまり高いものはおごれないけど、とカイさんは大笑いした。
ハンドルを握るカイさんの指の細さと白さ、美しさに俺はびっくりする…
目的地近くの駐車スペースに車を止めると、カイさんは左手の急な斜面を指さした。
「あっちを登って行くから。俺も初めての場所だから自信ないけど 」
そして、二人で車から機材のバッグを下ろした。
まだ昼間だけれど 、俺のには夜の練習も兼ねて、ライトなんかの夜用の機材も入れてある。
ところが、荷物を担ごうとしたところで、カイさんはとんでもないことを言い始めたのだ。
「ここは俺も初めてで、情報を調べただけなんだけど、かなり怖いところらしいんだよね… 」
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