しつこいようだがブームに乗りたい。
タピオカ、インスタ、ナイトプール、花椒、イイねダンス云々。
貧弱な私の脳内データではこれくらいしか流行り(ったもの)が思い浮かばないのだが、
ブーム、あるいはブームにうまく乗っている人というのはとにかく揶揄されがちであるが私はうらやましくってしかたない。
揶揄するなんてとんでもないこと。そう、最前線ひた走る彼らに対する私の嫉妬心はあまりにも醜い。
私だってイイねダンス踊りたい。タピオカ片手にさっそうと原宿を闊歩したい。
ナイトプールで写真をとってインスタグラムにアップしたかったなどなど。
そんなにやりたければ一人でやればイイだろ、と思うだろう。
別に一人でやるのは構わない。
だが、今までの経験則からそれらが一切様にならないから困っているのだ。
タピオカ屋さんに並んで、注文し、購入することはオトナなのでさすがにできる。
だが、そこからが問題だ。飲みながら原宿をぶらぶらするにも様になるにはそれなりに姿が決まっていなければそれはもう
タピッているとは言えない。
もさもさとした服装、野暮ったい大きなリュック。写真をとろうとスマホを探すも、どこに入れたか忘れあわあわとタピオカドリンクを右手左手に持ち替えながらリュックサックをかき回す・・・挙句、手ぶれ修正機能がある程度ついているはずなのにブレる写真・・・
これはタピッているとは言えない。
思えば、小学生高学年のころからそれなりに周囲のブームに乗ろうと頑張ってみては徒労に終わることが多かった。
あるときミルキーペンが流行り、親に土下座する勢いで頼み込んで買ってもらったのだが、それをうまく使いこなせない。
なぜだろう。友人たちはそのペンをもってしてノートをおしゃれに、いきいきと着飾らせている。
お手紙もミルキーペンでかわいく書いて、可愛く折ってくれるのだ。
でも、私にはなぜかそれらがどうしてもできない。
なぜだろう。なぜだろう。焦っても、どうしよもならずあえなくペンは筆箱の下に沈んでゆく。
やがて自室のペン立てに格納―と、いう名の放置―されたそれは、視界に入るたび私を責めるようだった。
流行ものをうまく使いこなせない。それが私である。
だからこそ、私は簡単にぼっちでも乗れそうなブームを逃すわけにはいかないのだ。
2019-10-25 17:58:29 初投稿
2019-10-25 22:26:38 修正