私がビートルズに熱中した頃は中学2年の頃。
クラスでビートルズのことはよく話題に登ってた。
で、私が初めて買ったビートルズのレコードはLPでは「オールディーズ」、シングルは「レット・イット・ビー」だった。
この、「レット・イット・ビー」のシングルには、少々面食らった。
いやなに、レット・イット・ビーという曲に困ったわけではない。だいいち、そんな筈はない。
問題なのは、そのB面に入っていた曲だった。
その曲こそ、「ユー・ノー・マイ・ネーム」という曲だった。
なにしろ、数あるビートルズの曲の中でも屈指の珍曲であり、迷曲でもある。
クラスには私の他にもこのシングルを持ってた奴がいて、そいつは「あの曲(ユーノーマイネーム)は腐ってる!」だの「聴きたくない!」だの、「レコードを、放り投げたい」「バカにされてるみたいだ」だの言って、下手したら怒りだしかねない勢いだった。
それほど評判が悪かった。
当時、ビートルズの曲をたくさんは知らなかった私は、ビートルズには「ヘイジュード」「レットイットビー」「ヘルプ」などの名曲を求めていた。
実際、彼等の曲はほとんど名曲に聴こえた。
だから、シングルのB面にも期待したし、彼等ならその期待に応えてくれる筈だった。
そう思ってシングル「レットイットビー」を買ったわけだ。
そうしたら・・・あの曲「ユーノーマイネーム」ときたもんだ(笑)。
肩すかしをくらった気分で、どう考えても真面目に曲作りしてるとは思えなかった。
あっけにとられた・・・そんな心境だった。
で、しばらくして、私はLP「レットイットビー」を買ったのをきっかけに、そのシングルは売ってしまった。
「ユーノーマイネーム」はLPには入っていなかったので、もう戸惑うことはなかった。
だが・・・・。
その後、ビートルズの曲のほとんどを知るようになると、私がビートルズに求めるものが変わってきた。
私がビートルズが好きなのは、色んな理由があるが、その理由の1つに「彼らの幅広い音楽性」に惹かれた・・ってのがある。
私が彼等のアルバムで「ホワイトアルバム」が一番好きなのは、その理由が大きい。
色々なタイプの音楽を吸収して自分らの音楽に取り入れ、実験精神もあり、中には遊び的な要素には彼等の貫禄すら感じた。
そうなってくると・・・・かつて「????」だった「ユーノーマイネーム」の記憶が蘇ってきたもんだ。
で、許せる・・を通り越して、好きになっていってしまったのだ。ユーノーマイネームを。
あんなに異色なビートルズナンバーは無い。
あの曲に対抗できるビートルズナンバーは、ある意味では「レボリューションNO,9」くらいかもしれない(笑)。
もっとも、「ユウ・ノウ・マイ・ネーム」と「レボリューションNO.9」では曲調も狙いも全然違うのだが(更に言えば、後者の曲は、「曲」として捉えていいのか?という問題もある)。
ともあれ、そう考えると、もしこの珍曲が正規のアルバムに収録されるとしたら、おそらくホワイトアルバムしか入る余地はなかっただろう。
少なくても「レット・イット・ビー」というアルバムには入れられるような曲ではなかった。
まあ、だから、シングルのB面に収めるだけ・・・という手しかなかったのだろう。
きっと、ホワイトアルバム制作中には、まだこの曲は完成していなかったのだろう。
今では、あのシングルに収められたバージョンは、もう持ってはいないけど(アンソロジー2に収録されていたのは、シングルとは別バージョンのようだった)、あの曲はお気に入りだ。
ファンにとっては、そのミュージシャンに何を求めるかによって、そのミュージシャンの曲の感想は異なるんだよね。
この「ユー・ノウ・マイ・ネーム」の印象など、その良い例かもしれない。
あの曲では、解散寸前の自分らビートルズを、あの曲で自ら壊してみせたのだ・・という分析や評論がある。
彼等がそういう意図であの曲を発表したのかどうかは、実の所は分からない。
実際、そうとうおちゃらけているし、ふざけているようだし、レノンあたりの壊れっぷりなんか相当なもんだ。
聴きようによっては、ただの遊び曲だ。
でもね・・良いんだよ、あの曲。遊び心に溢れていて、良い。楽しい。好き。
確かに名曲ではないかもしれない。珍曲なのは、確かだ。
未だに、ビートルズを語る時に無視されがちな曲でもあるし、あまり評価もされていない。
でも、そんなの関係ない。
個人的に好きになれたのなら、それは個人的に「良い曲」なんだ。
聴いてて笑えるし、この曲でビートルズはナンセンスソング(コミックソング??)も作ってしまっていたってことになる。まったくもう、なんちゅう幅の広さよ!
あらためてビートルズの懐の深さを実感する。
あれほどの実績をあげた彼らだから許される曲なのかもしれないが、よく聴くと、これって中々凝っているんだ。
思い切ったリズムチェンジ、曲調の変化。
いやはや、なかなかどうしてどうして。
遊びで凝ってるのかもしれないが、彼ら自身が楽しんでいるのがよくわかる。
しかも!解散間近で、人間関係がバラバラだった時期に、これだけ楽しんで演奏してるってのが、ファンとしては嬉しい。
この曲、もしライブで演奏したら、場所によっては大受けしたかもしれない。
その意味では、珍曲でありながらも、欠かせないレパートリーになった可能性だってある(笑)。
特に、小さなライブスペースで酒でも飲んでリラックスしながら、この曲を生で聴けたら最高だったろうな・・とも思う。
まあ、ビートルズ相手にそんなこと思っても仕方ないけど。
ユー・ノウ・マイ・ネーム。
こんな楽しい曲、そうは無いよ。
もしこの記事を読んで、この曲を聴いてみようと思った方。
聴く時、ビートルズの曲とはいっても、ある種の覚悟(?)は持って下さい(笑)。「イエスタディ」「レット・イット・ビー」「ヘイ・ジュード」のような曲を期待するような気持ちでは聴かないほうがいいでしょう。
好き嫌いは出るかとは思いますが、リラックスして楽しんで聴いてしまうのがコツ(?)。
この「ユウ・ノウ・マイ・ネーム」。友達がカセットテープにダビングしてくれた時は「何だこの曲は」と思いました。
でも、何度も聞いていくうちに好きになりましたビートルズのシングル盤B面って案外そういうもんじゃないんですか?僕の友人が言ってましたが、シングル盤A面のようにヒットを意識する必要はない。あるいはアルバム収録曲のようにアルバムの特色を気にする必要もない。彼らが思ったように作っている。そう思います
大晦日に突然お邪魔して失礼しました。良いお年をお迎え下さい。
時間の外にようこそ。
ユウノウマイネームを初めて聴いた時は私もとまどいました。
なにせ、A面曲は超名曲レットイットビーでしたから、落差に驚きました。
ふざけてると思いました。
でも、時間がたち、長年ビートルズを愛してると、あの曲はナンセンスソングとして楽しめるようになっていき、今では好きな曲です。
レットイットビーは普段でも耳にすることが多い曲ですが、ユウノウマイネームはテレビやラジオでも耳にることはほとんどないので、新鮮であり続けてます。
そうですね、確かにシングルのB面は自由に作れる場所でしょうし、そういう意味では貴重かもしれませんね。
とはいえ、さすがビートルズ、B面の曲にも良い曲は多いですよね。
今年僕が最初に聞いた曲はこれです。
https://www.youtube.com/watch?v=eyV3zCq1OHM
まさにロックンロール
>ユウノウマイネームはテレビやラジオでも耳にることはほとんどないので、新鮮であり続けてます。
そこなんですよ
>B面の曲にも良い曲は多いですよね。
ジョージが書いたこの曲もいいですね~
https://www.youtube.com/watch?v=iCV2N--rxBA
初めて青盤(アナログ盤)で聴いた時に感動しました
レノンのその曲は、ビートルズ曲の中でもトップクラスにタイトルが長い曲ですよね。
私が1番好きなビートルズアルバムはホワイトアルバムなんですが、その曲はいまだにタイトルを覚えきれてません(笑)。
ロックしてる曲ですよね!
オールドブラウンシューは、私は「ヘイジュード」という企画盤LPで入手しました。
確かアメリカで制作されたコンピレーションアルバムでしたが、日本盤も発売されてたのです。
CD化されたどうかはわかりませんが(笑)。
僕も同じです
>その曲はいまだにタイトルを覚えきれてません(笑)。
バンガロウビルもタイトルを覚えきれません
>「ヘイジュード」という企画盤LP
後期の曲ばかりかと思ったら「Can't buy me love」「恋する二人」から始まるので驚きました
僕もあのLPを持っています。マッシュルームカットの時代とは随分外見が違う4人の姿もいいですねー!
>CD化されたどうかはわかりませんが(笑)。
今のところ見ていません。アメリカ盤のアルバム「HELP!」等は入手出来ましたが。
バンガロウビルも長いタイトルですよね。
あと、ポールの「ホワイドントウィー~」も長くて(笑)。
アルバム「ヘイジュード」はアメリカ版のビートルズアルバムに収録されなかったシングル曲を中心に収めたアルバムだったようです。
選曲された曲に統一感がなかったです(笑)。