私が幼少の頃・・・それもあまりに幼少すぎて、ほとんどもう記憶がない時代ではあるが・・・、ロンパールームというテレビ番組があった。
確か午前中に放送されていた、子供向け番組であった。
ちょっと調べてみたのだが、ロンパールームは、1963年の10月7日から1979年の9月28日まで日本テレビ系で放送されていたらしい。
だとすれば、かなりの長寿番組だったことになる。
正直、そんなに長く続いていたとは、意外だった。
番組は、今にして思えば、ちょっとした保育園のような番組だったような気がする。
幼児たちを遊ばせるコーナーがあり、その遊びコーナーの中で、私が当時見たことのなかった遊具が出てきた。
その遊具は、杖のようになっていて、杖の頭の方には馬の頭をあしらったものがついていた。
形としては、馬の頭があって、胴体は、頭からのびた棒だった。
なんだか、馬の頭の下に、いきなりまっすぐのびた背骨が一本伸びている・・そんな外観の遊具だった。
ちなみに、胴体部分には手も足もなく、もちろん肉もない。単に頭の下に棒が一本伸びているだけの遊具で、その棒の部分を子供はまたいで、さらに、またいだギャロップの頭近くの部分を手で持って、スキップしたりするのだ。
つまり、乗馬のマネごとをする遊具だった。
その遊具の名前は、ギャロップと言った。正式にはギャロップ木馬とでもいおうか。
で、子供たちがこのギャロップをまたいでスキップしながら、皆で歌う歌もあった。
それはまるでギャロップのテーマソングのようでもあった。
歌詞もメロディも、私は今も覚えている。
♪ さあ みんなでギャロップ ギャロップギャロップ
みんなでギャロップ 行きましょう
そんな歌詞だった。
この曲を、子供たちは先生(いうか、進行役)と一緒に歌いながら、皆でそれぞれギャロップをまたぎながら、スキップするのだ。
当時の私は、この光景を見ながら、幼少ながら、妙な遊びだなあ・・・と思っていた。
その遊具で遊んだことがないせいか、見ながら「こんな遊びをして、何が楽しいんだろう」・・そんな思いを漠然と持っていたように思う。
なにも股に棒をはさんでスキップしなくても、普通に何もはさまずにスキップしたほうが早いような気がしていた(笑)。
それはきっと・・・、ギャロップ木馬という遊具を、当時の私は現実世界では見たことがなかったからだと思う。
少なくても私の住んでる町のおもちゃ屋では売っていなかったし、ギャロップ木馬を持っている級友もいなかった。
もしかしたら大きなデパートなどに行けば売っていたのかもしれないが、幼少の私はデパートに連れて行ってもらった記憶が・・あまりない。
いや、連れていってもらったことはあるのかもしれないが、少なくても幼少過ぎて覚えていない。
なので、やはり私は、この遊具を当時実際に見た覚えはない。
仮に、当時ギャロップ木馬を私が持っていたとしたら、本来のギャロップ木馬の遊び方をしただろうか。
いや・・・きっと私は、あの形状からして、ああいう遊び方はしなかったような気もする。
きっと、杖として、ヒーローの武器のような遊び方をしたような気がする。
もしも今私が子供だったなら、あれを「魔法の杖」と見立てて、ドラクエなどに出てくる魔法使いになったつもりで遊ぶかもしれない。
で、杖をふりかざしながら、「ベギラマ!」「イオナズン!」などと叫んだかもしれない(笑)。
ネットで調べてみてもわかるように、ギャロップ木馬は今もある。実際にネットショッピングで入手することが今でも可能。というか、幼児のおもちゃとしては定番の遊具らしい。
だが、実は・・・ロンパールームを見ていた当時の私はてっきり、ギャロップ木馬はロンパールームが独自に開発した遊具かと思っていた(笑)。
なんでも、ネットで買えるギャロップは、馬のいななき音声が出る仕組みになっているものもあるらしい。
ロンパールームに出てきたギャロップ木馬もそういうタイプだったのだろうか。
まあ、今となっては確かめようもないが・・。
値段は・・・思ったよりもするんだね。もっと安いおもちゃかと思った。
ロンパールームでギャロップ木馬で遊ぶシーンが放送されてた当時、その遊びを面白そうに思った子供で、なおかつギャロップ木馬を持っていなかった子は、ハタキやホウキなどを代用して、ギャロップ遊びをしたらしい。
まあ、確かに代用できないこともない(笑)。
ただ、頭に馬の首が付いているかいないかの大きな違いはあるけど・・・。
ギャロップ木馬は、頭に馬の首がついていたという点が、ポイントだったんだろうね。
頭に馬の首がついていなければ、まんま「普通の杖」であり、棒きれでも代用できるし。
私は今までギャロップ木馬を触ったことがないのでわからないのだが、ギャロップ木馬の「馬の首」部分は、取り外し可能なのであろうか。
もしも取り外し可能であれば、馬の首を取り外してしまえば、文字通り普通の杖として使えるし、他のギャロップ木馬の「馬の首」パーツと互換性があれば、馬の首部分を何種類も買えば、何本分ものギャロップを買ったような気分に(笑)。
もっとも、そうするためには、馬の首にも何種類かが必要にはなるけど・・。
ともあれ、私にとっては、ロンパールームで初めて知ったギャロップ木馬であったが、当時の私には妙な遊具に見えたのは確かだった。
夕飯のおかずなどで出てきた焼き魚の、肉の部分を食べ終わり、骨と頭だけになった姿のようにも見えたから(笑)。
まあ、それだけ、幼少の頃の私は、そんな妙な感覚を持った子供だった・・ということで。
ギャロップ木馬さん、食べ終わった「焼き魚」の姿に思えて、ごめんね。
時間の外にようこそ。
当時私は、もっと安いおもちゃかと思ってました。
この記事を書くにあたって少し調べたところ、案外高価だったので驚きました。
お父様、かなり探したのですね。やはり、町の小さなおもちゃ屋では中々売ってなかったのでしょうね。
私が住んでた町のおもちゃ屋でも売ってなかったですから。
それにしても、何処のおもちゃ屋でも売り切れてたとは……。
正直、意外です。
やはりロンパールームの影響が大きかったのかもしれません。
馬の頭の部分が、あのおもちゃの売りだったんでしょうね。
あれがないと、ただの杖というか、棒みたいですものね(笑)。
なぜそんなに高価だったのでしょうね…。