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先日放送開始された、パリピ孔明というドラマを見てみた。
これは、過去にはアニメ化されていたこともある、コミック原作の作品。
三国志の諸葛孔明が、なんと令和の日本の渋谷に転生してくる話だ。
この作品の存在は知っていたが、私はアニメ版は見たことがなかった。
なので映像作品として見るのは、ドラマ版が初めてだ。
諸葛亮、字は孔明。
中国の三国志時代のメイン人物にして、事実上三国志の主役級の人物。
三国志は中国の歴史物語ではあるものの、その人気は日本でも抜群である。
特に孔明の人気は圧倒的で、日本では日本の歴史上人気人物である織田信長や坂本龍馬などに匹敵するほどの人気がある。日本と中国の関係がギクシャクしようと、三国志人気、孔明人気はかわらない。
諸葛亮というと、一般的なイメージとしては、不世出の天才軍師として、伝説的な人物。清廉潔白で、忠義の人であったことも有名。
神がかりな智謀を持ち、軍師としてはもちろん、政治家としての評価も揺るぎない。
ゲームのような能力値で例えると、あくまで個人的なイメージだが、
知力S+、政治力S+、軍略S、人望S+、容姿A.、寿命B、義理S+、統率S.、武力C.、創意工夫S+、人事B、情報収集力S、個人の資産B.、妻の容姿C.
などの能力値は与えられるスーパーマンである。
まさに、非の打ち所がないような聖人。
三国志時代は、孔明は味方はもちろん敵からも畏怖の念を抱かれていた。
結果的に孔明死後に一時的ではあったが中国を統一した司馬炎には「もし自分の配下に孔明かいたら、天下統一は苦労はしなかったであろう」と言わしめ、孔明のライバルと言われた司馬懿には「孔明は天下の奇才」と言わしめた。
歴史家の陳寿はその歴史書に孔明について「孔明は公正無私の人物で、たとえ親族であっても罰を犯したら必ず罰し、たとえ政敵であっても功績のあった人物は必ず賞した。そのため民からは慕われ、孔明の統治に不満を持つ人はいなかった。」と記している。
孔明が結婚した女性は、器量が良くなかったらしく、民からは「孔明様の嫁選びは真似してはいけない。じゃないと醜女を押し付けられることになる」などと言われていたらしい。
だが、孔明は妻は器量で選んだのではなく、妻の才能に惚れ込んだらしい。
孔明の発明した木牛は、元は妻が発明したものだったという説もあるほど。
また、そんな妻を孔明は愛して大事にしたらしく、生涯側室を持たずに妻一筋だったらしい。もっとも、一説によると、孔明の妻は、わざと醜女のふりをしていただけ‥という話もあるらしいが、真偽のほどはわからない。
孔明の暮らしぶりは質素で、国を代表する政治家だったにも関わらず、死後に資産を調べたら、質素な暮らしぶりであったことか判明している。
たいがい、国の要職につく人は、資産をため込んでいたりすることが多いが、清廉潔白な孔明にはそんな要素もなかった。
ほんと、どれだけ聖人なんだよ!と感嘆するくらい。
ちなみに、孔明には、後の時代に描かれた絵姿が残されているが、当時はまだまだ写真などない時代。なので、孔明の死後に、後世の人が憶測で描いたもの。なので、実際の孔明がどんな容姿の人なのかはわからない。
ただし、当時実際に孔明に会った人によって書かれた記録によると、孔明は身長185センチだったとも、190センチ以上だったとも言われており、どちらにせよかなりの高身長な人だったのだろう。
顔は美形だったという記録はないが、「はなはだ優れた容姿で、威厳があった」という記録は残されてるらしい。
三国志演義によれば、孔明の顔は冠玉のように白かったらしい。色白だったのだろう。少なくもブサイクでは、なかったはずだ。
そして、なんといってもファッションである。孔明のファッションは、大昔から現代までイメージが共通しており、綸巾(かんきん)と呼ばれる独特の帽子をかぶり(孔明のイメージが強いので後に諸葛巾と呼ばれるようになった頭巾)、トレードマークとも言える白い羽扇を持ち、道士が着るような白い道衣を身にまとっていた。
諸葛巾と呼ばれる独特の帽子、白い羽扇、着物のような白い道衣。この3点セットが孔明のファッションであり、孔明が絵で描かれたり、ドラマに登場する時は、上記の3点セットのファッションで描かれる。
戦場に出る時は、普通は軍服を着て参陣するものだが、孔明は上記のファッションで参陣していたらしいので、普通の武将とは明らかに異質なファッションであり、目立っただろうし、ある意味それが孔明のカリスマ度をあげていたのかもしれないし、孔明の美学でもあったのかもしれない。
オシャレにもこだわりがあったということになるのかもしれない。
つらつらと私の知る孔明像を書いてきたが、なんにせよ傑出していた偉人であるのは間違いない。
長い歴史を誇る中国の歴史の中で、真の偉人と呼べるのは孔子と孔明のみと言われてるほどの人物なのだ。
話題つくりで、孔明は政治家としては偉大だったが、軍略はさほどではなかった‥‥などとする説もあるが、国が傾くような敗戦はないし、犠牲が出がちな撤退戦では被害を出さずに無事に撤退している。
ライバルと言われた司馬懿にしても、孔明と正面切って戦うのは避けていた。
たまに戦ってみると、局地戦では司馬懿は孔明に負けている。
結果的に、司馬懿は孔明と戦うのは避けて、持久戦にもちこみ、孔明が過労死したことで決着がつく形になった。
孔明が過労死したのは、あまりに孔明が多方面で傑出した才能がありすぎ、様々な仕事を1人で抱え込みすぎたから。
孔明の欠点といえば、それくらいであろう。だが、それって、欠点になるのか?
いや、国の統治ということを考えると、1人で様々な仕事を抱え込みすきるのは、やはりリスキーなのだろうね。今の世では過労死という概念もあるのだから。
多方面で優秀すぎたことこそ、孔明の弱点だったという、皮肉な結果ではあるのだ。
日本でも絶大な人気のある三国志、そして孔明。
だがそれは中国の歴史上人物であることを考えると、日本では実写ドラマや実写映画は作りにくい。中国の歴史ドラマになるからね。
でもこれだけ日本でも人気あることを考えると、日本で孔明を主役にした作品を作るとなると、コミックか、アニメか、パロデイドラマか、あるいはタイムスリップドラマにするしかない。
パリビ孔明は、転生ドラマという、一種のタイムスリップドラマであり、パロデイでもある。
こういう形でしか、孔明を主役にしたドラマは日本では作れない。歴史大河ドラマなど無理。
でも、だからこそ、日本では孔明主役のドラマは、ない。
その意味で、孔明を主役に日本製ドラマで製作するパリビ孔明は、けっこう新鮮には思えた。
日本で制作されるドラマで諸葛孔明を演じる機会など、そうそうあるものではないと思えるので、孔明役の向井理さんは貴重な役を貰ったことになるのでは?
この作品がきっかけになって、三国志を知らない人が1人でも多く増え、三国志や諸葛亮に興味を持つようになってくれれば、三国志ファンの私としては嬉しい。三国志って、本当に面白いのだから。
作品中では、三国志ファンのツボをつくような要素もある。
その意味では、三国志ファンとしては、見ててニヤリとさせられる箇所もあり、楽しい。
「泣いて馬謖を斬る」「五丈原での陣没」「宿敵・司馬懿」「三顧の礼」「石兵八陣」など。
三国志を知ってると、「あ、あれね!」と思い、より楽しめるとは思う。
と、ここまで書いて、重箱の隅をつつくようではあるが、ドラマ「パリビ孔明」で孔明がかぶっている帽子、ちよっとデカすぎないか?(笑)
思わずコックさんの帽子を思い出してしまった(汗)。
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