
これはもう・・なんて言ったらいいのか・・。
この曲に出会ったのは、私が大学の頃だ。
この曲で歌われているのは、大学時代の風景。大学時代にこの曲と出会った私にとっては、歌の歌詞のいくつもが自分の大学時代の色んな場面にリアルタイムでオーバーラップして聴こえたものだった。
ハマショーの歌にはいい曲は多いが、この曲は特に私にとって特に親近感と共感の湧く曲であり、大好きな曲であり、思い出の曲でもある。
大学時代この歌を聴きながら、歌詞に対して「うんうん、あるよね~」なんて思っていたものだ。
特に、歌詞の中の
「ノート片手に 教室を出て行く君に声をかけた土曜の昼下がり」
のあたりなどは、心当たりもあった。好きだった女の子はもちろん、それ以外の女の子たちの姿も浮かんできた。
おそらく、大学生活で、それと似たような記憶がある人は多いのではないだろうか。
当時、大学生活を題材にした自作曲を私も作っていたのだが、ハマショーのこの「さよならにくちづけ」には何やら共通するものを感じ、それゆえに「さよならにくちづけ」には思い入れが入った。
その自作曲は、大学入学したばかりの頃に歌詞の前半を書き、1曲として完成したのは大学卒業の時。
なので、卒業時に自分の大学生活をふりかえって思ったことを込めた歌になった。
私が当時作っていた、その自作曲は「置き手紙」という曲で、こんな歌詞があった。
「古ぼけたバインダーの中 色の変わったページがある
君に借りた2枚のルーズリーフ とうとう返さずじまいだった」
これもまた、大学生活では、日常的に「ありがち」なことだった。
私の「置き手紙」は、ハマショーの影響で作ったものではないが(なにせ、作り始めたのが大学入りたての頃で、その頃は私はまだハマショーの音楽には出会ってなかった)、完成してみたら、「さよならにくちづけ」は、どちらも大学生活のことを歌にしていたという点では共通していた。
それが私が「さよならにくちづけ」に感じた親近感の元になったものだった。
「さよならにくちづけ」の主人公は、大学で女の子と出会いし、恋人になり、そしてやがてドラムという「仕事」を大学外で見つけ、そのままその場にいたらサビついてしまいそうだと感じ、学校をやめてしまう。
私は大学をやめることはなかったので、歌の後半は自分の大学時代とは違った。
でも、前半の部分だけでも、自分の大学時代の風景とダブって聴こえた。
この歌は、自分が大学に通っていた頃の、キャンパス内の風景、学生たち、日差し、空気、そして学生街の風景が、一気に浮かんでくる気がする。
私の「置き手紙」には2番の歌詞で
「駅を降りて キャンパスへ続く道 学生通り
なじみの飲み屋がひしめいている
2人 かみしめた酒の味 思い出す」
というくだりがあるが、これなどは町そのものを歌詞に盛り込んだものだ。
私の「置き手紙」は、女の子、友人、町、そして大学に通った日々全体にあてた曲になった。
だが、大学時代の風景を歌にしたという意味で、「さよならにくちづけ」に共通点を感じてしまって、ある意味まるで自分の作った歌であるかのような錯覚を覚えるぐらい、大好きな曲であり、忘れられない曲。
ハマショーは女の子の間でも相当な人気があり、私が大学2年の時にキャンパス内に机を出して、サークルの新人勧誘をやってる時などでも、私のサークルの話を聞きに来てくれた女の子の前でハマショーの「片思い」などの出だしの部分を歌ったりすると、けっこう反応してくれたものだった。
そうか、ハマショーの「片思い」みたいな曲を作れば、女の子は喜ぶのか・・などと思い、自分も作ろうかと思ったが、いかんせん私には似合わなすぎて、とても作れなかった(笑)。
大学の頃、一時ハマショーばかり聴いてた時期が私にあることを考えれば、ハマショーの歌は私の大学時代の一部であった。山下達郎さんや、村田和人さんの曲と共に。
そんな気さえしている。
大学卒業後は私はさほどハマショーは聴いていない。
それは・・「さよならにくちづけ」に代表されるように、ハマショーの歌を聴くと、どうも大学時代のことを思い出してしまうからかもしれない。
大学を卒業する時、私はすごく寂しかった。
もっと学生時代を続けていたいとさえ思った。いい仲間たちがいたから。
でも、誰もがいずれ学生時代に終わりを告げ、仕事を見つけ、働いて生きていかねばならない。
厳しい社会の中にもまれていかねばならない。
大学時代を引きずっていたら、社会人としてやっていけないような気がした。
特に、社会人になりたての頃。
なので、卒業後は、あえてハマショーを聴こうとしなかったのかもしれない。
その証拠に・・・今改めてこの「さよならにくちづけ」を聴くと・・・
ほら、大学時代の風景がよみがえってきてしまう。
でも、もうそろそろ、そういうことも許される年代に入ってきてるのかな、私も。
ともあれ、ハマショーの「さよならにくちづけ」は、私の中の「心のキャンパスソング」の一つ。
きっと・・・「この曲を聴くと、自分の学生時代の風景があれこれ蘇ってくる」・・・そんな曲が、貴方にもあるのではありませんか?
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます