戦車の公道走行訓練の中止求める~北海道釧路市
陸上自衛隊が8月末に予定する一般道での戦車の走行について、20日釧路の市民団体が中止するよう求めました。
陸上自衛隊は8月31日の夜から翌朝にかけ災害などでの長距離移動を想定し、釧路駐屯地から釧路港まで17キロ先を戦車など43両が一般道を走る訓練を予定しています。
これに対し、釧路の市民団体は「住民に不安と恐怖を与える」と訓練の中止を求めました。
陸上自衛隊は、「騒音や振動を減らすため速度を落とし走行する」と理解を求めています。
HBTニュース 8/22(土) 10:05
なんか、溜息しか出ないようなニュースですね。
「住民に不安と恐怖を与える」ような「軍靴の響き」が、
彼らの頭の中でリフレインしているのでしょうね。
可哀そうに…
ま、皮肉はともかく百歩譲って、
彼らの主張を考えてみれば、
おそらく、多分ですが、
「戦車など」の戦車という部分のみ、
考えているのではないでしょうか。
「戦車」しか考えていないということです。
その時点で非常に視野が狭いのではありますが、
彼らからすれば戦車は「人殺しの道具」ですから、
災害派遣と全く関係がないと思っているのではないでしょうか。
つまり「災害派遣には不必要」という観点から、
中止を求めたのではないのでしょうか。
ではでは、
実際に戦車が災害派遣に必要なものかどうか?
というような疑問があるかもしれません。
その点について、
あくまでも個人的な見解ですが、
非常に有効な「道具」だと思っております。
その理由は戦車が持つ「機動力」です。
機動力といっても戦車に興味がない方は、
あまりピンとこないかもしれませんが、
戦車というのは「キャタピラ」ですよね。
「キャタピラ」すなわち「無限軌道」です。
この無限軌道というのは、
悪路に対する走破性が抜群であるだけではなく、
いわゆる「道路」以外でも走ることが可能なのです。
限定的にはなりますが、
川を渡ることも可能なのです。
つまり、
地震や津波や土砂災害で寸断された道路や、
道路以外の場所さえ走ることができるのです。
災害派遣にとって、
これほど有効な「道具」はないのではないでしょうか。
その機動力をフルに活用して、
既存の車両では不可能になった、
様々な物資の輸送(牽引)は勿論のこと、
戦車自体もブルドーザーやクレーン車へ、
今風にいえば「トランスフォーム」できるのです。
これは物資輸送だけでなく、
復旧作業にも使えるということですね。
「わざわざ戦車を使わなくたっていいじゃないか」
というような意見があるかもしれませんが、
これも視野が狭いと思っております。
既存の車両や設備で十分ということになりますが、
その既存車両や設備が使えないという状況になった場合、
どうやって災害派遣をするのでしょうか。
あるいは既存の車両や設備が不足してしまう事態も、
当然のように想定されますよね。
そういったものが災害で破壊され、
使用不能な状態もあり得るのです。
危機管理という観点からも、
そのような最悪の事態として、
常に想定しなければなりませんから、
戦車の投入はその「代用」として非常に有効な手段だと思います。
そもそも、訓練の中止を申し入れた市民団体の方々は、
2011年3月11日に起こった出来事を知らないのではないでしょうか?
あの東日本大震災を知らないのではないでしょうか…
というような皮肉を言っておきますね。
このような市民団体の主張というものは、
壊滅的な災害になった時、
救助や災害復旧が遅延する原因となります。
ハッキリいって阻害要素以外の何物でもありません。
これは結果的に死ななくてもいいような人まで、
見殺しにするような考え方となりますので、
本来なら相手にしないほうが賢明だと思います。
以上、軍事オタクの戯言でした。