Jリーグにおいて、それは1部リーグでも2部リーグでも同じなんだけど、優秀な外国人ストライカー、若しくは攻撃的なポジションに優れた外国人を擁していることが、上位進出の必要条件である。
東京ヴェルディがJ1に再昇格出来たのは、フッキ、彼個人のおかげと言っても差し支えないし、アルビレックスとフロンターレが昇格達成を成し遂げた主因もマルクスという存在があったればこそ。
それはJ1の上位にいるチームにも同様の傾向が見られるわけで、得点ランキング上位に顔を連ねるFWというのは、大抵が成績上位のチームに所属している。
まあ、中には、2005シーズンの東京Vのワシントン、2007シーズンのサンフレッチェのウエズレイのようなケースがあるけども、得点能力の高い外国人がいるチームは強い。
ヴァンフォーレ甲府が昨シーズン、J2に自動降格した主因は、バレー選手の後釜が最後まで固定されなかったからと、いろいろな評論家が述べている。
ラドンチッチなどを招聘したけど、結局はバレーのような働きが出来なかった。
[個]の力で打開できる、スーパーな存在がいなかったのが、甲府にとっては痛かったと言われている。
こういう例を見ても、外国人ストライカーの優劣が、在・不在が、Jリーグの成績に直結しているのがよく理解る。
「週刊サッカーマガジン」の最新号で、各クラブの補強具合などを点検して、点数をつけている。
再昇格を果たした京都、昇格2シーズン目の神戸、Jリーグ王者奪回を目指す浦和、このあたりの補強には十分すぎる点数を―パーセンテージによる評価だけど―をつけているのだが、新潟のそれは70%。
まあ、高卒のルーキーと、アレッサンドロの加入が目立つだけで、懸念されているボランチなどの補強が発表されない現在、「70%」という数字は妥当だとは感じるけど。
なお、サカマガは長期的補強という観点に立てば、ルーキーの大量加入は喜ばしいというような評価を与えている。
そういう嬉しいことを書いている一方で、サカマガはこうも書いている――
得点力の大幅なダウンは不可避?
つまり、エジミウソンの退団=得点力のDOWN=苦しいシーズンを送る可能性がある、というのである。
アレッサンドロを獲得したけど、チームにフィットするかどうか不明だし、得点能力の低下が懸念されるというのだ。
この点については、アルビレポの多くも心配している向きが多いのは事実でしょう。
これはプロ野球の外国人にも当てはまることだけど、向こうで凄い成績を挙げた外国人選手を招いたのに、てんでダメだという例は、枚挙に暇がない。
もう峠を越えているとか、日本のサッカーを舐めきっていて能力を発揮出来ないとか、日本のプレーにフィットしきれないとか、ホームシックにかかったとか、怪我を負ってしまったとか、理由は様々だけど、結果として「不良債権化」した外国人選手は数知れず。
もちろん、ドゥンガやストイコビッチのような成功例もあるわけで、外国人選手に関して、〝出たとこ勝負〟的なものがある。
アレッサンドロも、2部リーグ得点王という肩書きを持っているけど、果たしてエジミウソンのような存在になれるのか、これは神のみぞ知る、でしょう。
だけど、吾輩は、そんなにネガティブには考えていない。
2006シーズンの事を思い出してほしい。
エジはヤマザキナビスコカップのグループリーグの清水エスパルス戦で、値千金のゴールと引き換えに、右膝の靭帯損傷という深手を負い、長期にわたって戦線を離脱した。
結局、エジは夏に戻ってきたけど、サッカー人生初という大ケガをしてしまった影響か、シーズン最後まで本来の輝きを取り戻せなかったよね。
けど、チームはJ1残留を果たせたではないか!
夏場には勝てなくて、惨めな負け方をして、最終的には14位という順位になったけど、それでもどうにか戦ってこれたじゃないですか!
自慢できたことじゃないけど、降格争いにどっぷり浸かることもなく、フィニッシュしたわけだからね。
昨季もシルビーニョが手術の為にブラジルに帰国して、チーム状況が危ぶまれた。
確かに彼がいなくなった最初の頃は、「シルビ依存症」が表れて、グダグダしたものがあったけど、やがてシルビがいないことで、却って千葉や勲が立派なパフォーマンスをみせるようになり、シルビ不在の悪影響を感じさせないまでになったじゃないですか!
イングランドのプレミアリーグに、「アーセナル」というチームが存在する。
このアーセナルは強豪チームなのだけど、このクラブには「アンリ」という世界最高峰に位置する点取り屋がいた。
彼のおかげで、アーセナルが勝ち星を重ねていったと言っても言い過ぎではない。
だがしかし、そのアンリが今季から、スペインの一部リーグの「FCバルセロナ」に移籍してしまったのだ。
“これで、2007-2008シーズンのアーセナルは終わった”
“欧州チャンピオンズリーグも早期敗退し、次のシーズンの出場権も逃すな”
みたいな嘆き節が、開幕前にはあちこちで漏れたものだけど、いざシーズンが始まってみたら、
アーセナル強ぇ~
目下、イングランド1部リーグで首位に立ち、欧州CLでも決勝ラウンドに進んでいる。
アーセナルの監督、かつて名古屋グランパスの指揮官でもあったベンゲル監督は、良くも悪くもアンリ中心だったチームを改造して、アンリ抜きで十分に戦える陣容にしたのですよ。
逆に、アンリがいた時よりも、[良いサッカー]ようにさえ感じる。
アンリの代わりに、アデバヨールという選手や、セスク・ファブレガスという選手、ロシツキーという選手などが、素晴らしい活躍をみせているのだ。
アーセナルは、万事うまくいき過ぎている感じもあるけど、このように主軸がいなくなっても、それを奇貨に、好転することは、多々あるのだ。
話を逸らすけど、日本放送協会はよくぞ、プレミアリーグの放映権を獲得したものだ。
そして大晦日の晩に、NHK衛星放送で、録画放送とはいえ、2試合もオンエアしてくれた番組編成部の判断には最敬礼。
皆さんも感じていることでしょうが、スポーツ中継と一部のスペシャルドラマを除いて、年々、年末年始のテレビ番組の内容は劣化する一方。
特に、12月31日の夜は最悪。
堪能できるものがなくて、読書でもして過ごそうかとさえ考えたのだけど、新聞のテレビ欄に[エバートンVSアーセナル][フルハムVSマンチュスター・ユナイテッド]という文字があるのを見つけたときは、小躍りしちゃったよ。
きっと吾輩同様に、レッドホワイト歌合戦などを視聴せず、英国のサッカーゲームをご覧になったアルビサポも少なくないでしょう。
ホント、NHKにしては気の利いた番組編成だった。
さて、鈴木監督も、馬鹿じゃない。
ベンゲル監督がそうであったように、絶対的ストライカーが抜けた後の青写真を描いているだろう。
2008シーズンもアルビを率いることを決めた際には、エジ抜きで来季はどう戦おうかというのを頭の中で巡らせたはずだ。
アレッサンドロの映像資料などを取り寄せて、うまくフィットさせる方策を練っているに違いない。
また、万が一、アレッサンドロが目ぼしい働きを出来ない事態に備えての用意もするであろうし。
また、強化部も、『緊急事態』に備えているでしょうしね。
そんな『緊急事態』など起こってほしくないが。
それに河原や矢野といった伸び盛りのFWもいるし、攻撃的MFの亜土夢・マルシオももやってくれるはずだ。
って言うか、結果を残してもらわなくては困る!!
キショー・河原・亜土夢の3人で25点くらい取れないようではいけない!!!
また、モチベーション的には、絶対的エースが退団したことで、相当燃えていると思われるしね。
もちろん、アレッサンドロがエジミウソンと同等、それ以上のパフォーマンスを示してくれることが一番望ましいのだけど。
確かに、得点力が低下する可能性は否めないけど、昨シーズン並みにはチームとしてゴールを決めることが出来る―――吾輩はそう信じていますし、それだけの潜在能力は秘めていると考えます。