「FW左山桃子」をたくさん観てみたかった

左山桃子がアルビレックス新潟レディースに新卒加入することが公になった際、彼女をどのポジションで起用するのかが、新潟の熱心な応援者にとって焦点でした。
ポジションは「DF」ある旨、ニュースリリースには記載されていますが、「試合状況により、センターバック、ボランチ、FWもこなすオールラウンダー」とも紹介されていました。
実際のところ、新潟1季目は「DF／FW」という二重肩書き。

静岡産業大学での桃子のプレーを観た人に言わせると、センターバックは不安、フォワードだ。
他方、北原佳奈のセンターバックも最初はだめだめだったけど、日本代表に選ばれるまでに上達したから、桃子のCBも大丈夫ではとの意見も。

ところが、左山がゲームに抜擢するまでに日数を要します。
北原佳奈と山本亜里奈と小島未玖、小原由梨愛の4バックの並びが鉄板で、桃子が割って入るまで至らなかったから。
能仲太司監督がどっちで使うか不明な状況が続きます。
ようやく夏になって桃子に出番が与えられ、任されたポジションはDF。
サイドバックだったり、センターバックだったり。

とはいえ、2019シーズンに至るまで彼女の主戦場はDF、主にCBのままでした。
習うより慣れよ、なのか、防御力の不安さはなく、頼れる守りの要に。
北原佳奈がマイナビ ベガルタ仙台レディースに移籍してからは、負傷離脱の期間が長い中村楓に代わり、新潟のディフェンスの柱を務めてくれました。

そういえばFWでもあったんだよな、と思い出したのが、2019シーズンの夏。
たとえば皇后杯JFA全日本女子サッカー選手権大会などの劣勢時に、パワープレー要員としてFWの位置に上がったことはあっても、とんとフォワードとご無沙汰だった左山。
新潟の得点力が余りに貧弱だったので、奥山監督が打開策で桃子に賭けた、のでしょう。
2019シーズンの初秋、その試みが為されましたが、中村楓の負傷・長期離脱に伴い、実質2ゲームでそれは終了。

たらればですが、楓に何もなかったら、桃子はずっとFWに固定され、得点力向上が図られ、皇后杯JFA第41回全日本女子サッカー選手権大会の準々決勝以降まで勝ち進めたのか？
そして2020シーズンも奥山監督は、その起用法に拘ったのか？
もう詮なき妄想ですが。

不安視されていたDFで6シーズンにわたり、新潟に貢献してくれた左山。
どうもありがとう、桃子。
アスレジーナでも結果を出して、全国2部リーグ昇格の牽引役になってください。